塾長ノート

The weather being fine, we went on a picnic. はなぜ The weather being で始まるのか

主語が違う状況を、独立分詞構文で添える

前回は、 完了形の分詞構文 を確認した。

Having finished my homework, I went to bed.
宿題を終えたので、私は寝ました。

これは、 主節より前に終わった出来事 を、 having + 過去分詞 で添える形だった。

では、次の文はどうだろうか。

The weather being fine, we went on a picnic.
天気がよかったので、私たちはピクニックに行きました。

ここでは、 Being fine だけではなく、 その前に The weather が置かれている。

普通の分詞構文では、 分詞の意味上の主語は、 主節の主語と同じになることが多い。 しかし、この文では、 天気がよい という内容と、 私たちがピクニックに行った という内容で、 主語が違う。

そのため、 分詞構文の中に The weather という主語を残している。 このような形を、 高校英文法では 独立分詞構文 と呼ぶ。

今回は、 独立分詞構文を、 「急に出てくる難しい構文」としてではなく、 主節とは別の主語を持つ状況説明 として整理していこう。

普通の分詞構文では、主語は主節と同じになる

まず、普通の分詞構文を確認しよう。

Walking along the street, I met my teacher.
通りを歩いていると、私は先生に会いました。

この文では、 walking along the street の動作をしているのも、 met my teacher の主語も、 どちらも I である。

I was walking along the street.
I met my teacher.

つまり、 分詞構文の部分の主語と、 主節の主語が同じである。

だから、分詞構文にしたとき、 前半の I は省かれる。

When I was walking along the street, I met my teacher.

Walking along the street, I met my teacher.

同じ人や物について続けて述べているため、 分詞構文の中にもう一度主語を出さなくても、 誰の動作なのかが分かる。

これは、分詞構文を読むときの大事な基本である。

普通の分詞構文
→ 分詞の意味上の主語は、主節の主語と同じと考える

たとえば、次の文も同じである。

Feeling tired, I went to bed early.
疲れていたので、私は早く寝ました。

疲れていたのも、 寝たのも、 どちらも I である。 そのため、 Feeling tired の前に I を置かない。

ここまでなら、 分詞構文は比較的見通しやすい。 問題は、 分詞構文の部分と主節で、主語が違う場合 である。

主語が違うときは、分詞構文の中に主語を残す

次の文をもう一度見てみよう。

The weather being fine, we went on a picnic.

この文では、 前半の内容は 天気がよかった ということである。

The weather was fine.

一方、主節の内容は、 私たちがピクニックに行った ということである。

We went on a picnic.

つまり、 前半の主語は the weather、 主節の主語は we である。 主語が同じではない。

もし Being fine, we went on a picnic. とだけ書くと、 形式上は wefine であるかのように読めてしまう。

そこで、 分詞構文の中に The weather を残す。

Because the weather was fine, we went on a picnic.

The weather being fine, we went on a picnic.

このように、 分詞構文の部分に、 主節とは別の主語が明示されている形を、 独立分詞構文 という。

The weather being fine, we went on a picnic.

The weather
→ 分詞構文の中の主語

being fine
→ その主語についての説明

名前だけを見ると難しく感じるが、 考え方はそれほど複雑ではない。

普通の分詞構文
→ 主語が同じなので、分詞構文内の主語を省く

独立分詞構文
→ 主語が違うので、分詞構文内の主語を残す

つまり、独立分詞構文は、 分詞構文の例外というより、 主語が違うために、必要な主語を残した形 と見るとよい。

with を使った形や慣用的な形も、状況を添える働きを持つ

独立分詞構文と近い働きをする形に、 with + 名詞 + 分詞 がある。

He sat on the chair with his eyes closed.
彼は目を閉じたまま椅子に座っていました。

この with his eyes closed は、 主節の He sat on the chair に状況を添えている。

his eyes were closed
→ 彼の目は閉じられていた

ただし、文全体としては、 「彼が椅子に座っていた」ことに、 「目が閉じられていた」という状態を添えている。

これは、独立分詞構文そのものではないが、 主節とは別の名詞を立てて、その状態を添える という点で近い見方ができる。

また、次のような慣用的な形もある。

Weather permitting, we will go hiking tomorrow.
天気が許せば、私たちは明日ハイキングに行きます。

Weather permitting は、 「天気が許せば」 という意味で使われる表現である。 ここでも、 主節の主語 we とは別に、 weather が分詞の意味上の主語になっている。

高校英文法では、 こうした形がいくつか出てくる。 ただし、最初から慣用表現を大量に覚えようとするより、 まずは次の見方を持っておくとよい。

主節とは別の名詞 + 分詞
→ 主節に、別主語の状況を添えている

たとえば、 the work finished のようなまとまりがあれば、 「その仕事が終えられた状態で」 という状況を添えていると考えられる。

The work finished, they left the office.
仕事が終わったので、彼らは事務所を出ました。

この文では、 the workfinished される側であり、 主節の they とは別の主語である。

分詞構文の中でも、 現在分詞か過去分詞かは、 その名詞が する側 なのか、 される側 なのかで考える。

独立分詞構文は、主節に別主語の状況を添える形として読む

独立分詞構文を読むときに大切なのは、 いきなり日本語訳を固定しようとしないことである。

分詞構文は、 もとの接続詞が省かれているため、 文脈によって、 「〜するとき」「〜なので」「〜して」「〜しながら」 のように訳し分けられる。

独立分詞構文でも同じである。 まずは、 主節に別主語の状況を添えている と読む。

The weather being fine, we went on a picnic.
→ 天気がよいという状況で、私たちはピクニックに行った
→ 天気がよかったので、私たちはピクニックに行った

最初から 「because なのか when なのか」 と迷うより、 まずは、 前半が主節に添えられた状況説明である と見るほうがよい。

そのうえで、文脈に合わせて、 日本語として自然な訳に整える。

The weather being fine
→ 天気がよいという状況で
→ 天気がよかったので

Weather permitting
→ 天気が許せば

The work finished
→ 仕事が終わった状態で
→ 仕事が終わったので

独立分詞構文は、 中学英文法ではほとんど扱わない。 そのため、最初はかなり高校英文法らしく見える。

しかし、土台にある考え方は、 これまで学んできたものとつながっている。

分詞
→ 動詞を形容詞や副詞のように使う形

分詞構文
→ 分詞で、主節に状況を添える形

独立分詞構文
→ 主節とは別の主語を持つ状況を、分詞で添える形

名前に引っ張られると難しく感じるが、 英文の中で見ていることは、 何が、どのような状態で、主節にどう関わっているか である。

高校英文法では、 一つの文の中に複数の情報が重なって入る。 独立分詞構文は、その代表的な形の一つである。 だからこそ、 「これは特殊表現だ」と丸暗記するより、 主節に別主語の状況を添える形 として読めるようにしておきたい。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、分詞構文を単なる書きかえ問題としてではなく、主節にどのような状況を添えているのかを考えながら整理します。独立分詞構文も、主語が違うために必要な主語を残した形として見ると、英文解釈の中で読みやすくなります。

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