塾長ノート

What I need is more time. の what は何を表しているのか

先行詞を含む関係代名詞として、名詞のまとまりを作る

中学英文法では、 関係代名詞 who / which / that を学んだ。

The man who lives next door is a doctor.
隣に住んでいる男性は医者です。
This is the book that I bought yesterday.
これは私が昨日買った本です。

これらの文では、 the manthe book という名詞が先にあり、 その後ろに関係代名詞のまとまりが続いている。

では、次の文はどうだろうか。

What I need is more time.
私が必要としているものは、もっと多くの時間です。

ここでは、 what の前に the thingthe book のような名詞がない。 それなのに、 What I need 全体が文の主語になっている。

この what は、疑問詞の「何」ではなく、 関係代名詞 what である。

関係代名詞 what は、 the thing whichthe thing that に近い働きをする。 つまり、 「もの・こと」まで含んだ関係代名詞 と考えると分かりやすい。

今回は、 what I need のような形を、 「難しい特別表現」としてではなく、 名詞のまとまりを作る関係代名詞 として整理していこう。

what は「もの・こと」まで含んだ関係代名詞

まず、関係代名詞 what の基本を確認しよう。

What I need is more time.
私が必要としているものは、もっと多くの時間です。

この文の What I need は、 私が必要としているもの という意味のまとまりである。

形としては、次のように考えられる。

what I need
= the thing which I need
= 私が必要としているもの

中学で学んだ whichthat は、ふつう前に説明される名詞がある。

the book which I need
私が必要としている本

ここでは、 the book という名詞が先にあり、 which I need がそれを説明している。

一方、 what I need では、 前に the thing のような名詞を置かない。

what I need
→ 私が必要としているもの

つまり、 what の中に、 「もの・こと」 という意味が含まれている。

だから、 whatwhich と同じように見て、 前にもう一つ名詞を置いてしまうと不自然になる。

what I need
→ 私が必要としているもの

the thing which I need
→ 私が必要としているもの

この二つは近い内容を表すが、 what はすでに the thing にあたる意味を含んでいる。

高校英文法で 関係代名詞 what が出てきたら、まず what = the thing which と考えると、文の中での働きが見えやすくなる。

who / which / that との違いは、先行詞があるかどうか

関係代名詞 what を理解するには、 中学で学んだ who / which / that との違いを見るとよい。

まず、 who を使う文を見てみよう。

The girl who is playing the piano is my sister.
ピアノを弾いている女の子は私の妹です。

この文では、 The girl が先にあり、 who is playing the piano がそれを説明している。

次に、 whichthat を使う文を見てみよう。

This is the bag that I bought yesterday.
これは私が昨日買ったかばんです。

ここでも、 the bag が先にあり、 that I bought yesterday がそれを説明している。

このように、 who / which / that は、 ふつう前にある名詞を説明する。 この前にある名詞を、 文法では 先行詞 と呼ぶ。

the girl who is playing the piano
→ 先行詞は the girl

the bag that I bought yesterday
→ 先行詞は the bag

ところが、 what は、基本的にこのような先行詞を前に置かない。

What I bought yesterday was this bag.
私が昨日買ったものは、このかばんでした。

この文では、 what I bought yesterday 全体が 私が昨日買ったもの という意味の名詞のまとまりになっている。

つまり、 what は、 先行詞を含んだ関係代名詞 と説明できる。

who / which / that
→ 前にある名詞を説明する

what
→ 「もの・こと」を含み、それ自体で名詞のまとまりを作る

ここが、 高校英文法で関係代名詞 what を学ぶときの一番大切な入口である。

what のまとまりは、主語・目的語・補語になる

関係代名詞 what で作ったまとまりは、 名詞のように働く。

そのため、文の中で 主語 になることができる。

What he said was true.
彼が言ったことは本当でした。

この文では、 What he said 全体が主語である。

What he said / was / true.
S / V / C

また、 what のまとまりは、目的語にもなる。

I don't understand what you mean.
私はあなたが意味していることが分かりません。

この文では、 what you mean 全体が、 understand の目的語になっている。

I / don't understand / what you mean.
S / V / O

さらに、補語として使われることもある。

This is what I wanted.
これが私の欲しかったものです。

この文では、 what I wanted が、 This の内容を説明する補語になっている。

This / is / what I wanted.
S / V / C

このように、 what + 主語 + 動詞 のまとまりは、 文の中で名詞のように置かれる。

What I need is more time.
→ what I need が主語

I know what you want.
→ what you want が目的語

This is what I wanted.
→ what I wanted が補語

ここで大切なのは、 what のまとまりを一語ずつバラバラに訳さないことだ。

what I need を見たら、 まず 私が必要としているもの という名詞のまとまりとして読む。 そのうえで、文全体の中で主語なのか、目的語なのか、補語なのかを確認する。

これは、高校英文法だけでなく、 長い英文を読むときにもかなり重要な見方である。

疑問詞 what と関係代名詞 what を見分ける

最後に、 疑問詞の what と、関係代名詞の what を比べておこう。

疑問詞の what は、何かをたずねるときに使う。

What do you want?
あなたは何が欲しいですか。

これは疑問文であり、 何が欲しいのか を相手にたずねている。

一方、関係代名詞の what は、文の中で 〜するもの・〜すること という名詞のまとまりを作る。

I know what you want.
私はあなたが欲しいものを知っています。

この文は、相手に質問しているのではない。 what you want が、 あなたが欲しいもの という内容を表し、 know の目的語になっている。

What do you want?
→ 何が欲しいのですか。疑問文

I know what you want.
→ あなたが欲しいものを知っています。文の一部

ただし、 I know what you want.what you want は、間接疑問文として説明されることもある。 高校英文法では、文脈によって 疑問詞が作る名詞節 と見る場合と、 関係代名詞 what と見る場合がある。

そのため、最初から細かい分類にこだわりすぎる必要はない。 まず大切なのは、 what で始まるまとまりが、文の中で名詞のように働く という見方である。

特に、 What I need is more time. のように、 文の主語として置かれている場合は、 私が必要としているもの という名詞のまとまりとして読むとよい。

関係代名詞 what は、 中学で学んだ関係代名詞から一歩進んだ形である。 しかし、仕組みはそれほど遠くない。

the thing which I need
→ 私が必要としているもの

what I need
→ 私が必要としているもの

この対応が見えると、 what は急に出てきた謎の語ではなく、 先行詞を含み、名詞のまとまりを作る関係代名詞 として整理できる。

高校英文法では、 このように 一つの語が、文の中でどのようなまとまりを作っているのか を見る場面が増えていく。 関係代名詞 what は、その入口としてとても大切な表現なのである。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、関係代名詞 what を「何」とだけ訳すのではなく、文の中で名詞のまとまりを作る表現として整理します。what I need や what he said のようなまとまりを一つの部品として読めるようになると、高校英文法だけでなく英文解釈にもつながります。

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