中学英語では、 that を使って、考えた内容や言った内容を文の中に入れる形を学んだ。
I know that he is honest.
私は、彼が正直だということを知っています。
この文では、 that he is honest が、 know の目的語になっている。
つまり、 he is honest という一つの文の内容が、 知っている内容 として文の中に組み込まれているのである。
高校英文法に入ると、このようなまとまりを 名詞節 として見ることが重要になる。
名詞節とは、 主語と動詞を含みながら、文全体の中では名詞のように働くまとまり のことである。
今回は、 that節 を、ただ「〜ということ」と訳す表現としてではなく、 文の中で名詞の働きをする節 として整理しよう。
that は、文の内容を名詞のまとまりにする
まず、次の文を見てみよう。
He is honest.
彼は正直です。
これは、それだけで一つの文である。 主語は He、 動詞は is である。
では、この内容を、 「私は知っている」 という文の中に入れるとどうなるだろうか。
I know that he is honest.
このとき、 that he is honest 全体が、 know の目的語になっている。
I know the answer.
私は答えを知っています。
I know that he is honest.
私は彼が正直だということを知っています。
the answer は名詞であり、 know の目的語になっている。
それと同じ位置に、 that he is honest という節が入っている。 だから、このまとまりは 名詞節 と呼ばれる。
ここでの that は、 後ろに文を続けて、その内容を名詞のまとまりにする接続詞 だと考えるとよい。
that + 主語 + 動詞 ...
→ 「〜ということ」という内容のまとまり
もちろん、 日本語にするときは、毎回きれいに 「〜ということ」 と訳す必要はない。
I think that English is interesting.
私は英語はおもしろいと思います。
この文でも、 that English is interesting は、 think の目的語である。
日本語では「英語はおもしろいと思う」と訳せるが、 英語の構造としては、 English is interesting という内容を、 think の後ろに入れている。
つまり、 that節を見るときは、 まず that の後ろに一つの文がある ことを確認し、 次に そのまとまりが文全体の中で何の働きをしているか を見ることが大切である。
that節は、目的語・補語・主語になる
that節は、 目的語になることが多い。
I believe that he will come.
私は彼が来ると信じています。
She said that she was tired.
彼女は疲れていると言いました。
どちらも、 believe や said の後ろに、 内容を表す that節が続いている。
しかし、that節は目的語だけでなく、 補語として使われることもある。
The problem is that we don't have enough time.
問題は、私たちに十分な時間がないことです。
この文では、 that we don't have enough time が、 The problem の中身を説明している。
The problem = that we don't have enough time
つまり、第2文型の補語として、 that節が使われているのである。
また、that節は主語になることもある。
That he passed the exam surprised us.
彼が試験に合格したことは、私たちを驚かせました。
この文では、 That he passed the exam 全体が主語である。
ただし、英語では長い主語を文頭に置くと重く感じられることが多い。 そのため、実際には It を形式主語にする形もよく使われる。
It surprised us that he passed the exam.
彼が試験に合格したことは、私たちを驚かせました。
この It は、意味の薄い形式主語であり、 本当の内容は後ろの that he passed the exam にある。
高校英文法では、that節を見たときに、 ただ訳すだけでなく、 目的語なのか、補語なのか、主語なのか を見る必要がある。
I know that he is honest.
→ 目的語
The problem is that we don't have enough time.
→ 補語
That he passed the exam surprised us.
→ 主語
that節は、形としては that + 文 だが、 文全体の中では名詞のように働く。 ここが、高校英文法で大切な見方である。
接続詞 that と関係代名詞 that は違う
高校英文法で混乱しやすいのが、 接続詞の that と 関係代名詞の that である。
まず、今回扱っているのは接続詞の that である。
I know that he is honest.
この that の後ろには、 he is honest という、欠けたところのない文が続いている。
he が主語、 is が動詞、 honest が補語で、 文として必要な要素はそろっている。
一方、関係代名詞の that は、前の名詞を説明する働きをする。
This is the book that I bought yesterday.
これは私が昨日買った本です。
この that I bought yesterday は、 the book を後ろから説明している。
そして、 I bought yesterday の中では、 bought の目的語が欠けている。 その欠けた目的語が、前にある the book なのである。
接続詞 that
→ 後ろに欠けのない文が続き、その内容全体を名詞節にする
関係代名詞 that
→ 前の名詞を説明し、後ろの文の中に欠けた部分がある
この違いは、英文解釈でとても重要である。
たとえば、次の二つは、どちらも that を含んでいるが、働きが違う。
I know that this book is useful.
私はこの本が役に立つことを知っています。
This is the book that is useful.
これは役に立つ本です。
一つ目は、 that this book is useful 全体が know の目的語になっている。 これは接続詞 that である。
二つ目は、 that is useful が the book を説明している。 これは関係代名詞 that である。
同じ that でも、 内容を名詞節にするのか、前の名詞を説明するのか を見分ける必要がある。
that節を読むときは、文全体の中での役割を見る
that節を見つけたとき、最初にやることは、 その that を一語だけで訳そうとすることではない。
まず、 that の後ろがどこまで続いているか を見る。
I know that he is honest.
The problem is that we don't have enough time.
It is true that she helped him.
次に、そのまとまりが、文全体の中で何の働きをしているかを考える。
動詞の後ろにある
→ 目的語になっていることが多い
be動詞の後ろにある
→ 補語になっていることが多い
It ... that の形になっている
→ 後ろの that節が本当の内容になっていることが多い
たとえば、 It is important that we study every day. という文では、 that we study every day が、 「私たちが毎日勉強すること」 という内容を表している。
文頭の It は、形式主語として置かれている。 つまり、英語では軽い It で文を始め、後ろに重い内容を置いているのである。
また、that節の that は、会話や簡単な英文では省略されることもある。
I think that he is right.
I think he is right.
ただし、that が省略されていても、 he is right が think の内容として働いていることは変わらない。
高校英文法では、 見えている単語だけでなく、 文の中にどのようなまとまりが入っているか を見る力が大切になる。
that節は、そのための重要な入口である。 一つの文を、別の文の中に内容として組み込む。 そのまとまりを、名詞のように扱う。 こう見ると、that節は単なる訳語ではなく、英文を立体的に組み立てる道具として見えてくる。
次に、 whether や if を使って、 「〜かどうか」 という内容を名詞節にする形を見ると、 名詞節の理解はさらに広がっていく。