塾長ノート

I don't know whether he will come. の whether は何を表しているのか

「〜かどうか」を、名詞節として文の中に組み込む

前回の記事では、 that節 を扱った。

I know that he is honest.
私は、彼が正直だということを知っています。

この that he is honest は、 「彼が正直だということ」 という内容を表し、 文の中で名詞のように働くまとまりだった。

今回は、そこからもう一歩進んで、 whether を使った名詞節を見る。

I don't know whether he will come.
私は、彼が来るかどうかを知りません。

この文の whether he will come は、 「彼が来るかどうか」 という意味のまとまりである。

ここで大切なのは、 whether が単に「〜かどうか」と訳される語だということだけではない。 whether が、疑問の内容を名詞節として文の中に組み込む という見方である。

中学英語では、 間接疑問文として I don't know where he lives. のような文を学んだ。 高校英文法では、そこに that節whether節 を加えて、 文の中に入る内容のまとまりをより体系的に見ていく。

今回は、 whether / if が作る名詞節を、 「〜かどうか」という意味だけでなく、 文の中でどんな役割をしているのか という視点から整理しよう。

whether は、「〜かどうか」という内容を名詞節にする

まず、基本の形を確認しよう。

I don't know whether he will come.
私は、彼が来るかどうかを知りません。

文全体の動詞は know である。 その後ろに、 whether he will come というまとまりが置かれている。

このまとまりは、 know の目的語として働いている。

I don't know the answer.
私はその答えを知りません。

I don't know whether he will come.
私は彼が来るかどうかを知りません。

一つ目の文では、 the answer という名詞が目的語である。 二つ目の文では、 whether he will come という節全体が目的語である。

つまり、 whether he will come は、単語一語ではないが、 文の中では名詞のように働いている。 だから、これを 名詞節 と見ることができる。

that節と比べると、違いが見えやすい。

I know that he will come.
私は、彼が来るということを知っています。

I don't know whether he will come.
私は、彼が来るかどうかを知りません。

that he will come は、 「彼が来るということ」 という内容を表す。

一方、 whether he will come は、 「彼が来るかどうか」 という、 まだどちらか決まっていない内容を表す。

that he will come
→ 彼が来るということ

whether he will come
→ 彼が来るかどうか

この違いを、 単なる訳語の違いではなく、 確定した内容を入れるのか、二択の内容を入れるのか として見ると分かりやすい。

whether節は、目的語として使われることが多い

whether節 は、特に know / ask / wonder / decide などの後ろでよく使われる。

I don't know whether she likes this song.
私は、彼女がこの歌を好きかどうか知りません。
Please ask him whether he needs help.
彼に、助けが必要かどうか聞いてください。
I wonder whether it will rain tomorrow.
明日雨が降るかどうかと思います。
We must decide whether we should go now.
私たちは、今行くべきかどうか決めなければなりません。

どの文でも、 whether から始まるまとまりが、 動詞の目的語として使われている。

know + whether ...
→ 〜かどうかを知っている

ask + whether ...
→ 〜かどうかをたずねる

wonder + whether ...
→ 〜かどうかと思う

decide + whether ...
→ 〜かどうかを決める

ここで注意したいのは、 whether節の中の語順 である。

Will he come?
彼は来ますか。

I don't know whether he will come.
私は彼が来るかどうか知りません。

直接たずねる文では、 Will he come? のように助動詞が前に出る。

しかし、 whether he will come は、文の中に組み込まれた内容のまとまりである。 そのため、語順は he will come のように普通の文の語順になる。

× I don't know whether will he come.
○ I don't know whether he will come.

この点は、間接疑問文と同じである。

Where does he live?
→ I don't know where he lives.

Will he come?
→ I don't know whether he will come.

疑問の意味が残っていても、 文の中に入ると、 語順は質問の形ではなくなる。 ここは、英作文でも読解でも大切なポイントである。

whether と if は似ているが、使える範囲が違う

「〜かどうか」は、 if で表されることもある。

I don't know if he will come.
私は、彼が来るかどうか知りません。

この文では、 ifwhether に近い意味で使われている。

I don't know whether he will come.
I don't know if he will come.

このように、 動詞の目的語になる名詞節 では、 whether と if の両方が使われることが多い。

ただし、 いつでも完全に同じというわけではない。 高校英文法では、まず次のように押さえるとよい。

目的語として使うとき
→ whether / if の両方が使われやすい

文の主語として使うとき
→ whether を使うのが基本

前置詞の後ろに置くとき
→ whether を使うのが基本

たとえば、主語として使う場合は、 whether が自然である。

Whether he will come is not important.
彼が来るかどうかは重要ではありません。

また、前置詞の後ろに置く場合も、 whether を使う。

We talked about whether we should change the plan.
私たちは、その計画を変えるべきかどうかについて話しました。

ここでは、 about という前置詞の後ろに、 whether節が置かれている。

つまり、 if は目的語として使うときには便利だが、 高校英文法として整理するなら、 whether のほうが使える範囲が広い と考えておくとよい。

なお、 if には、 「もし〜なら」 という条件の意味もある。

I don't know if he will come.
彼が来るかどうか知りません。

If he comes, I will tell you.
もし彼が来たら、あなたに知らせます。

同じ if でも、 一つ目は「〜かどうか」という名詞節、 二つ目は「もし〜なら」という条件を表す副詞節である。

だから、 if を見たら、すぐに一つの日本語に固定するのではなく、 文の中でどんな働きをしているかを見る必要がある。

or not を添えると、二択であることがはっきりする

whether は、 or not と一緒に使われることがある。

I don't know whether he will come or not.
私は、彼が来るかどうか知りません。

or not は、 「来るのか、来ないのか」 という二択をはっきり示している。

また、 whether or not を前にまとめて置く形もある。

I don't know whether or not he will come.
私は、彼が来るかどうか知りません。

どちらの形も、基本的には 「〜かどうか」 という意味を表す。

whether he will come
→ 彼が来るかどうか

whether he will come or not
→ 彼が来るか、それとも来ないか

whether or not he will come
→ 彼が来るかどうか

英作文では、最初から難しい形を無理に使う必要はない。 まずは、 I don't know whether ... の形を正確に作れるようにすることが大切である。

そのうえで、 二択を強く意識したいときに、 or not を添える形を知っておくとよい。

最後に、今回のポイントを整理しよう。

whether ...
→ 〜かどうか、という名詞節を作る

I don't know whether ...
→ 〜かどうかを知らない

whether と if
→ 目的語では似ているが、whether のほうが使える範囲が広い

whether ... or not
→ 〜かどうか、という二択をはっきり示す

whether は、疑問の内容を文の中に入れるための接続詞である。 「来るのか、来ないのか」 「必要なのか、必要ではないのか」 「変えるべきなのか、変えないべきなのか」 という二択の内容を、名詞節として扱えるようにする。

that節が 「〜ということ」 を文の中に入れる形だとすれば、 whether節は 「〜かどうか」 を文の中に入れる形である。

この二つを整理できると、 高校英文法で出てくる名詞節の見方がかなり安定する。 次に、副詞節を導く接続詞を見ると、 同じ「節」でも、文の中での働きが違うことがさらに見えてくる。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、whether や if を「〜かどうか」と訳すだけでなく、文の中で名詞のように働くまとまりとして整理します。that節・whether節・間接疑問文をつなげて見ると、高校英文法で扱う名詞節の理解が安定し、長い英文も読みやすくなります。

Feedback

この記事は参考になりましたか?

よろしければ「参考になった」を押してください。今後の記事づくりの参考になります。

0件のリアクション