塾長ノート

If I had known your address, I would have visited you. はなぜ had known / would have visited になるのか

過去の事実と違う仮定を、had + 過去分詞と would have で表す

前回までに、 名詞節副詞節 のように、 節が文の中でどのように働くかを見てきた。

今回は、 高校英文法で大きな山になりやすい 仮定法過去完了 を扱う。

If I had known your address, I would have visited you.
もしあなたの住所を知っていたら、あなたを訪ねたのに。

この文を見ると、 had knownwould have visited という形が出てくる。 中学で学んだ過去形や現在完了よりも、 少し重たく見えるかもしれない。

しかし、 考え方はそれほど複雑ではない。 この文が表しているのは、 実際には住所を知らなかったので、訪ねなかった という過去の事実である。

その事実に対して、 「もし知っていたら」 「訪ねたのに」 と、 過去の事実とは違う状況を想像している。

つまり、 仮定法過去完了は、 過去の事実と違うことを仮に考える形 である。

中学で扱った If I were you, I would study harder. が 「今の現実とは違う仮定」 だったのに対して、 今回の形は 過去の現実とは違う仮定 を表す。

この記事では、 if節の had + 過去分詞 と、 主節の would have + 過去分詞 を分けて見ながら、 仮定法過去完了の基本を整理していこう。

仮定法過去完了は、過去の事実と違う仮定を表す

まず、 仮定法過去完了がどのような場面で使われるかを確認しよう。

If I had known your address, I would have visited you.
もしあなたの住所を知っていたら、あなたを訪ねたのに。

この文では、 実際には何が起きていたのだろうか。

I didn't know your address.
私はあなたの住所を知りませんでした。

I didn't visit you.
私はあなたを訪ねませんでした。

つまり、 現実には 住所を知らなかった し、 訪ねることもできなかった のである。

その過去の事実に対して、 「もし住所を知っていたら」 と別の可能性を考え、 「訪ねたのに」 と結果を想像している。

これが、 仮定法過去完了の中心である。

If I had known your address,
→ 実際には知らなかったが、もし知っていたら

I would have visited you.
→ 実際には訪ねなかったが、訪ねただろうに

名前に 過去完了 とあるため、 まず時制の話だと思いやすい。 もちろん形としては had + 過去分詞 を使う。

ただし、 仮定法過去完了で大事なのは、 単に「さらに前」を表すことだけではない。 それよりも、 過去の事実とは違うことを考えている という点が重要である。

次の文も同じである。

If I had left home earlier, I would have caught the train.
もしもっと早く家を出ていたら、その電車に間に合ったのに。

この文の裏には、 実際には 早く家を出なかった し、 電車に間に合わなかった という事実がある。

つまり、 仮定法過去完了では、 英文の表面だけでなく、 実際にはそうではなかった という背景を読む必要がある。

if節では had + 過去分詞を使う

仮定法過去完了の if節 では、 基本的に had + 過去分詞 を使う。

If I had known your address, ...
もしあなたの住所を知っていたら、……
If she had studied harder, ...
もし彼女がもっと一生懸命勉強していたら、……
If we had had more time, ...
もし私たちにもっと時間があったら、……

ここで使われている had known / had studied / had had は、 過去の事実と違う仮定を示している。

たとえば、 次の文を見てみよう。

If she had studied harder, she would have passed the exam.
もし彼女がもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格していただろうに。

この文から分かる現実は、 彼女が十分には勉強しなかったこと、 そして試験に合格しなかったことだと考えられる。

If she had studied harder
→ 実際には、十分には勉強しなかった

she would have passed the exam
→ 実際には、試験に合格しなかった

ここで、 If she studied harder としてしまうと、 現在や未来について 「もっと勉強すれば」 と言っているように見えやすい。

過去のことについて、 「あのとき勉強していたら」 と言いたい場合は、 If she had studied harder のように、 had + 過去分詞 を使う。

もう一つ確認しよう。

If I had had enough money, I would have bought the camera.
もし十分なお金があったら、そのカメラを買っていただろうに。

had had という形は見た目が少し不思議だが、 前の had は仮定法過去完了を作る助動詞的な働き、 後ろの hadhave の過去分詞である。

have enough money
十分なお金を持っている

had had enough money
十分なお金を持っていたなら

形だけを見ると難しく感じるが、 考え方は一貫している。 if節では、 過去の事実と違う仮定を had + 過去分詞 で表すのである。

主節では would have + 過去分詞を使う

if節で仮定を示したら、 その結果を表す部分では、 多くの場合 would have + 過去分詞 を使う。

If I had known your address, I would have visited you.
もしあなたの住所を知っていたら、あなたを訪ねたのに。

ここでの would have visited は、 実際には訪ねなかったけれど、 条件が違っていれば訪ねただろう、 という想像上の結果を表している。

この結果を表す部分を、 ここでは 主節 と呼ぶ。 仮定法過去完了では、 if節と主節の形をセットで押さえると分かりやすい。

If + 主語 + had + 過去分詞,
主語 + would have + 過去分詞 ...

たとえば、 次のように使う。

If I had left home earlier, I would have caught the train.
もしもっと早く家を出ていたら、その電車に間に合ったのに。
If he had called me, I would have helped him.
もし彼が私に電話してくれていたら、私は彼を手伝ったのに。

どちらも、 実際にはそうならなかった過去を振り返っている。

また、 主節では would だけでなく、 意味に応じて couldmight を使うこともある。

If I had had more time, I could have finished the work.
もしもっと時間があったら、その仕事を終えられたのに。
If it had been sunny, we might have gone hiking.
もし晴れていたら、私たちはハイキングに行っていたかもしれない。

would have は 「〜しただろう」 という想像上の結果を表しやすい。 could have は 「〜できただろう」 という可能性や能力、 might have は 「〜したかもしれない」 という可能性を表す。

would have done
→ しただろうに

could have done
→ できただろうに

might have done
→ したかもしれない

どの場合も、 have + 過去分詞 が入ることで、 助動詞の判断が過去の出来事に向いている。 これは、 以前扱った 助動詞 + have + 過去分詞 とつながる見方である。

仮定法過去と仮定法過去完了を比べる

最後に、 仮定法過去と仮定法過去完了を比べておこう。

If I were you, I would study harder.
もし私があなたなら、もっと一生懸命勉強するのに。

これは、 今の現実とは違う仮定である。 実際には私はあなたではない。 その現実とは違う立場を想像して、 今またはこれからどうするかを述べている。

If I had known your address, I would have visited you.
もしあなたの住所を知っていたら、あなたを訪ねたのに。

こちらは、 過去の現実とは違う仮定である。 実際には住所を知らなかったし、 訪ねなかった。 その過去を振り返って、 違う可能性を想像している。

仮定法過去
→ 今の現実とは違う仮定

仮定法過去完了
→ 過去の現実とは違う仮定

名前だけを見ると、 仮定法過去仮定法過去完了 はかなりややこしく見える。 しかし、 見るべき点ははっきりしている。

今の現実と違う話か
過去の現実と違う話か

この区別を先に考えると、 なぜ were / would を使うのか、 なぜ had known / would have visited を使うのかが見えやすくなる。

また、 仮定法は単なる形の暗記ではなく、 現実から距離を取って、別の可能性を考える表現 である。

過去形が現在からの距離を表すことがあり、 完了形が基準点との時間関係を表す。 その二つの見方が組み合わさると、 仮定法過去完了の形も、 ただの丸暗記ではなくなる。

If I had known your address, I would have visited you. は、 過去の事実をそのまま述べる文ではない。 過去を振り返り、 「もし違っていたら」 と考える文である。

そこに、 仮定法過去完了の大切な役割がある。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、仮定法を「had + 過去分詞を使う」と形だけで暗記するのではなく、 現実とは違うことをどの時点について考えているのかを大切にしています。 仮定法過去と仮定法過去完了を比べると、時制・完了形・助動詞が一つにつながって見えてきます。

Feedback

この記事は参考になりましたか?

よろしければ「参考になった」を押してください。今後の記事づくりの参考になります。

0件のリアクション