人が言ったことを英語で表すとき、 その人の言葉をそのまま引用することもあれば、 自分の文の中に組み込んで伝えることもある。
She said to me, "I will call you tomorrow."
彼女は私に「明日あなたに電話します」と言いました。
これは、 相手の言葉をそのまま引用している文である。 英語では、このような表し方を 直接話法 と呼ぶ。
一方、同じ内容は次のようにも表せる。
She told me that she would call me the next day.
彼女は、翌日私に電話すると私に言いました。
この文では、 彼女の言葉をそのまま引用していない。 「彼女が何と言ったのか」を、 話し手の文の中に組み込んで伝えている。 このような表し方を 間接話法 と呼ぶ。
話法の転換では、 ただ引用符を外せばよいわけではない。 誰の視点で、いつのこととして、誰に向けて言った内容なのか をそろえ直す必要がある。
今回は、 直接話法から間接話法へ書きかえるときに、 何が変わるのかを整理していこう。
直接話法は、言葉をそのまま引用する
まず、直接話法から確認しよう。
She said to me, "I will call you tomorrow."
引用符の中には、 彼女がその場で言った言葉がそのまま入っている。
そのため、引用符の中の I は彼女自身を指している。 また、 you は彼女が話しかけた相手、つまり私を指している。
I
→ 彼女から見た「私」
you
→ 彼女から見た「あなた」
さらに、 tomorrow も、 彼女が話した時点から見た「明日」である。
直接話法では、 引用符の中が、 発言した本人の視点 で保たれる。
Ken said, "I am tired."
健は「私は疲れています」と言いました。
この I は、 今この文を書いている人ではなく、 健自身を指す。
Yuki said, "This is my bag."
由紀は「これは私のかばんです」と言いました。
この my も、 由紀から見た「私の」である。
直接話法は、 会話文としては分かりやすい。 しかし、英文法では、 その発言を自分の文の中に入れて報告する形も重要になる。 そこで出てくるのが間接話法である。
間接話法では、代名詞を報告する人の視点にそろえる
直接話法を間接話法にすると、 まず代名詞が変わることが多い。
She said to me, "I will call you tomorrow."
She told me that she would call me the next day.
引用符の中の I は、 発言した彼女自身を指していた。 間接話法では、 その内容を外側から報告するため、 she に変わる。
また、引用符の中の you は、 彼女が話しかけた相手、つまり私を指していた。 そのため、間接話法では me になる。
I will call you.
→ she would call me
この変化は、 日本語でも感覚としては分かりやすい。
彼女は「私はあなたに電話します」と言った。
彼女は、彼女が私に電話すると言った。
日本語では少し不自然な言い方になるが、 視点の変化としては同じである。 直接話法の中では、 発言した人の視点で「私」「あなた」が決まる。 間接話法では、 その発言を報告する側の視点で、 代名詞を言い換える。
Ken said, "I am tired."
→ Ken said that he was tired.
Yuki said, "This is my bag."
→ Yuki said that this was her bag.
話法の転換では、 文法的な形だけでなく、 誰が誰のことを話しているのか を必ず確認する必要がある。
時制や時を表す語も、報告する時点に合わせる
間接話法では、 代名詞だけでなく、 時制も変わることが多い。
She said, "I am busy."
She said that she was busy.
発言した時点では、 彼女は I am busy. と言っている。 しかし、その発言をあとから報告するとき、 外側の動詞が said という過去形になるため、 中の内容も was にそろえることがある。
これは前の記事で扱った 時制の一致 とつながる。
am → was
will → would
can → could
ただし、 いつでも機械的に変えるわけではない。 一般的な真理や、今も変わらない事実として扱う場合は、 現在形のままにすることもある。
The teacher said, "The earth goes around the sun."
The teacher said that the earth goes around the sun.
地球が太陽のまわりを回ることは、 先生が言った過去の時点だけの事実ではない。 そのため、現在形のまま表すことができる。
また、時を表す語も変わることがある。
today → that day
tomorrow → the next day
yesterday → the day before
now → then
here → there
たとえば、 tomorrow は、 発言した人から見た「明日」である。 しかし、その発言をあとから報告するなら、 報告する時点から見て「明日」とは限らない。 そこで the next day のように言い換える。
She said, "I will call you tomorrow."
She said that she would call me the next day.
話法の転換では、 発言された言葉を、 報告する文の視点に合わせて置き直す と考えるとよい。
疑問文や命令文では、文の形そのものも変わる
ここまで見たのは、 平叙文を間接話法にする基本である。 しかし、話法の転換では、 疑問文や命令文も扱う。
まず、疑問文を見てみよう。
He said to me, "Where do you live?"
He asked me where I lived.
直接話法では、 引用符の中に Where do you live? という疑問文がそのまま入っている。 しかし、間接話法では、 where I lived のように、語順が普通の文に近くなる。
これは、以前扱った間接疑問文と同じ考え方である。
Where do you live?
→ where I lived
yes / no で答える疑問文なら、 if や whether を使う。
She said to me, "Are you busy?"
She asked me if I was busy.
次に、命令文を見てみよう。
My mother said to me, "Open the window."
My mother told me to open the window.
命令文の内容を間接話法にするときは、 tell + 人 + to 〜 の形を使うことが多い。
The teacher said to us, "Don't be late."
The teacher told us not to be late.
否定の命令なら、 not to 〜 を使う。
つまり、話法の転換では、 次のようなことを同時に見ている。
1. 誰が誰に言ったのか
2. 引用符の中の代名詞は、誰を指しているのか
3. 発言した時点と報告する時点はどう違うのか
4. 平叙文・疑問文・命令文のどの形なのか
話法の転換は、 細かい書きかえ問題に見えやすい。 しかし、本質は、 誰かの発言を、別の視点から報告し直すこと にある。
高校英文法では、 時制の一致、間接疑問文、不定詞、接続詞などが、 話法の転換の中で一度に関わってくる。 だからこそ、 話法は単独の暗記項目ではなく、 これまで学んだ文法をまとめて使う単元として見るとよい。