塾長ノート

It was Tom that broke the window. は何を強調しているのか

強調したい語句を、It is ... that の形で前に出す

英文では、 文の中のある語句を特に目立たせたいときがある。

Tom broke the window.
トムがその窓を割りました。

この文は、 だれが窓を割ったのかを普通に述べている。 しかし、 「ほかの人ではなく、トムが割った」 という点を強く言いたいなら、 英語では次のように表すことがある。

It was Tom that broke the window.
その窓を割ったのはトムでした。

この形を、英文法では 強調構文 と呼ぶ。

見た目だけを見ると、 Itthat が出てくるので、 何が主語で、どこからどこまでが一つのまとまりなのか分かりにくく感じるかもしれない。

しかし、考え方はそこまで難しくない。 強調構文は、 もとの文の中から目立たせたい語句を取り出して、It is ... that の間に置く形 である。

Tom broke the window.
It was Tom that broke the window.

今回は、強調構文を、 「特殊な訳し方」だけでなく、 もとの文のどの部分を強調しているのか という視点から整理しよう。

It is ... that は、強調したい語句を前に出す形

まず、強調構文の基本形を確認しよう。

It is / was + 強調したい語句 + that + 残りの部分

たとえば、次の文を考える。

Tom broke the window.
トムがその窓を割りました。

この文の中で、 Tom を強調したいとする。 その場合、 TomIt was ... that の間に入れる。

It was Tom that broke the window.
その窓を割ったのはトムでした。

この文の中心は、 「窓を割った」 という出来事ではなく、 それをしたのがトムだった という点にある。

日本語でも、 「トムが窓を割った」 と言う場合と、 「窓を割ったのはトムだ」 と言う場合では、 焦点が少し違う。

Tom broke the window.
→ トムが窓を割った、という出来事を述べる

It was Tom that broke the window.
→ 窓を割った人がトムだったことを強調する

It は、ここでは天気や時間を表す it とは違う。 強調構文を作るために置かれる形の上の主語であり、 そのあとに強調したい語句が続く。

また、 iswas は、文全体の時制に合わせて選ばれることが多い。

It is Tom that always helps us.
いつも私たちを助けてくれるのはトムです。

It was Tom that helped us yesterday.
昨日私たちを助けてくれたのはトムでした。

まずは、 It is / was ... that を見たら、 「この文は何かを強調しているのではないか」 と考えるようにしたい。

主語・目的語・副詞句を強調できる

強調構文では、 主語だけでなく、 目的語や副詞句も強調できる。

まず、目的語を強調する例を見よう。

I met Ken yesterday.
私は昨日、健に会いました。

この文で、 「会った相手は健だった」 と強調したいなら、 Ken を前に出す。

It was Ken that I met yesterday.
私が昨日会ったのは健でした。

もとの文では、 Kenmet の目的語だった。 強調構文では、その目的語を It was ... that の間に置いている。

I met Ken yesterday.
→ It was Ken that I met yesterday.

次に、時を表す語句を強調する例を見よう。

I met Ken yesterday.
私は昨日、健に会いました。

ここで、 「会ったのは昨日だった」 と強調したいなら、 yesterday を前に出す。

It was yesterday that I met Ken.
私が健に会ったのは昨日でした。

場所を表す語句も強調できる。

He wrote this letter in this room.
彼はこの部屋でこの手紙を書きました。
It was in this room that he wrote this letter.
彼がこの手紙を書いたのはこの部屋でした。

このように、 強調構文では、 文の中のさまざまな部分を前に出すことができる。

主語を強調する
→ It was Tom that broke the window.

目的語を強調する
→ It was Ken that I met yesterday.

時を強調する
→ It was yesterday that I met Ken.

場所を強調する
→ It was in this room that he wrote this letter.

つまり、強調構文を読むときは、 It is / was と that の間に何が置かれているか を見ることが大切である。 そこが、その文で特に目立たせたい部分である。

that は、関係代名詞や接続詞の that と同じように読まない

強調構文で混乱しやすいのは、 that の扱いである。

ここまでに、 関係代名詞の that や、名詞節を導く接続詞の that を学んできた。

This is the book that I bought yesterday.
これは私が昨日買った本です。

I know that he is honest.
私は彼が正直だということを知っています。

しかし、強調構文の that は、 これらとまったく同じように考えると、 かえって文の形が見えにくくなる。

It was Tom that broke the window.

この文の that は、 It was Tombroke the window をつないで、 「トムこそが窓を割った」 という強調の形を作っている。

そのため、最初のうちは、 強調構文を一つの型として見たほうがよい。

It is / was ... that ~
→ ~なのは…だ
→ …こそが~だ

また、強調される語句が人の場合、 who が使われることもある。

It was Tom who broke the window.

ただし、高校英文法の基本としては、 まず It is / was ... that の形を押さえればよい。

大切なのは、 that という一語だけを見て、 すぐに関係代名詞や名詞節だと決めつけないことである。

英文では、同じ単語が、 構文によって違う働きをすることがある。 だからこそ、単語だけでなく、 文全体の形 を見る必要がある。

強調構文は、もとの文に戻して確認する

強調構文を読むときは、 もとの文に戻してみると分かりやすい。

It was Tom that broke the window.
→ Tom broke the window.

もとの文に戻すと、 Tombroke の主語だと分かる。 強調構文では、その Tom を目立たせていたのである。

目的語を強調した文も、 もとの形に戻してみよう。

It was Ken that I met yesterday.
→ I met Ken yesterday.

このように戻すと、 Kenmet の目的語だったことが分かる。

副詞句を強調した文も同じである。

It was in this room that he wrote this letter.
→ He wrote this letter in this room.

強調構文では、 もとの文の一部を前に出しているだけなので、 形を戻せば、文の骨組みを確認しやすい。

英文解釈では、 It is / was ... that を見たときに、 ただ「それは〜」と訳し始めると、 文全体がつかみにくくなることがある。

It was after dinner that I realized my mistake.
私が自分の間違いに気づいたのは、夕食後でした。

この文も、もとの形に戻すと、 次のようになる。

I realized my mistake after dinner.
私は夕食後に自分の間違いに気づきました。

つまり、強調されているのは、 after dinner である。

強調構文は、見た目は少し大げさだが、 考え方は、 文の一部を目立たせるための並べ替え である。

1. It is / was ... that の形を見つける
2. is / was と that の間にある語句を見る
3. その語句が、もとの文のどの部分だったか考える
4. 必要なら、もとの文に戻して意味を確認する

It was Tom that broke the window. は、 ただ「トムが窓を割った」と言うだけでなく、 「窓を割ったのはトムだった」 と、 Tom に焦点を当てる文である。

高校英文法では、 強調構文を「暗記すべき特殊構文」としてだけ見るのではなく、 文の中でどの情報に焦点を当てているのか を見るための形として理解しておきたい。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、強調構文を「It is ... that と訳す形」としてだけ覚えるのではなく、 もとの文のどの部分を目立たせているのかを確認しながら整理します。 強調されている語句を見抜けるようになると、長い英文でも焦点をつかみやすくなります。

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