前回見たように、 and / but / or は、 同じ働きをする語句や節をつなぐ。
高校英文法では、 それをさらに発展させて、 二つの語を組にして使う表現を学ぶ。
both Tom and Ken are kind.
トムも健も親切です。
You can choose either tea or coffee.
紅茶かコーヒーのどちらかを選べます。
Neither Tom nor Ken was there.
トムも健もそこにいませんでした。
このように、 二つの語がセットになって働く接続表現を、 相関接続詞 として整理することがある。
ポイントは、 どの表現も二つの要素を並べていること、 そして A と B の形をそろえる必要があることだ。
今回は、 both A and B / either A or B / neither A nor B を、 意味と形の両方から整理しよう。
both A and B は「AもBも」を表す
まず、 both A and B は、 A と B の両方を含むことを表す。
Both Tom and Ken like soccer.
トムも健もサッカーが好きです。
この文では、 Tom と Ken の二人が、 どちらも like soccer に当てはまる。
both は、 二つあるものの両方を指す。 そのため、 主語に both A and B が来ると、 ふつう複数として扱う。
Both my father and my mother are teachers.
父も母も教師です。
ここでは、 my father と my mother の二人が主語になっているので、 be動詞は are になる。
both A and B で大切なのは、 A と B の形をそろえることである。
She is both kind and honest.
彼女は親切でもあり、正直でもあります。
kind と honest はどちらも形容詞で、 彼女を説明している。 このように同じ働きをする語を並べると、 文が安定する。
either A or B は「AかBのどちらか」を表す
次に、 either A or B は、 A と B のうちどちらか一方を表す。
You can have either tea or coffee.
紅茶かコーヒーのどちらかを飲んでよいです。
この文では、 tea と coffee が選択肢として並んでいる。 どちらも have の目的語になる名詞である。
Either you or I have to tell him the truth.
あなたか私のどちらかが、彼に本当のことを言わなければなりません。
主語に either A or B が来ると、 動詞の形で迷いやすい。 実際の英語では、 動詞に近いほうの主語に合わせる形がよく説明される。
ただし、 初学者がまず押さえるべきなのは、 either A or B が 二つのうち一つ を表すということである。
either は否定文で使われると、 「どちらも〜ない」のような意味にも関わる。 しかし、 ここではまず接続表現としての either A or B を押さえたい。
neither A nor B は「AもBも〜ない」を表す
neither A nor B は、 A と B のどちらも当てはまらないことを表す。
Neither Tom nor Ken was absent.
トムも健も欠席していませんでした。
neither は、 二つのものを両方とも否定する表現である。 not を使わなくても、 表現全体に否定の意味が含まれている。
I like neither math nor science.
私は数学も理科も好きではありません。
この文では、 math と science のどちらも、 like の対象としては否定されている。
neither A nor B も、 A と B の形をそろえることが大切である。
She is neither angry nor sad.
彼女は怒っているわけでも悲しんでいるわけでもありません。
angry と sad は、 どちらも補語として彼女の状態を説明する形容詞である。
また、 neither A nor B が主語になると、 動詞の形に注意が必要である。 学校文法では、 動詞に近いほうの主語に合わせると説明されることが多い。
相関接続詞は、A と B の形をそろえて読む
both A and B、 either A or B、 neither A nor B は、 意味は違うが、 どれも A と B を並べる表現である。
both A and B
→ A も B も
either A or B
→ A か B のどちらか
neither A nor B
→ A も B も〜ない
英文を読むときは、 まず A と B の範囲を見つける。 そのうえで、 二つが同じ働きをしているかを確認する。
He can both speak English and write it well.
この文では、 speak English と write it well が並んでいる。 どちらも can の後ろに続く動詞のまとまりである。
You may either stay here or go home.
stay here と go home が並んでいる。 どちらも may の後ろに続く動詞のまとまりである。
相関接続詞は、 暗記表現のように見えるが、 実は並列の読み方を練習するよい材料である。
A と B がどこからどこまでなのか。 二つは同じ形になっているのか。 その関係は両方なのか、 どちらかなのか、 どちらも違うのか。 この順に見ると、 長い英文の中でも意味を取りやすくなる。
相関接続詞で特に注意したいのは、 日本語訳だけを覚えると、 A と B の範囲を見失いやすいことである。
Both reading books and listening to music are good ways to relax.
本を読むことも音楽を聞くことも、くつろぐよい方法です。
この文では、 reading books と listening to music が並んでいる。 どちらも動名詞で始まる名詞のまとまりである。
both の直後だけを見てしまうと、 A がどこまで続くのか分かりにくい。 そこで、 and の後ろに何が来ているかを見て、 それと同じ形になる前半を探す。
She is interested in both Japanese history and French art.
彼女は日本史にもフランス美術にも興味があります。
この文では、 Japanese history と French art が並んでいる。 どちらも in の後ろに置かれる名詞句である。
either A or B や neither A nor B でも同じである。 or / nor の後ろの形を見て、 前半の A の範囲を確認する。
You can either send an email or call me directly.
メールを送ってもよいし、直接電話してもよいです。
send an email と call me directly が並んでいる。 どちらも can の後ろに続く動詞の原形から始まるまとまりである。
相関接続詞は、 意味だけでなく、 構造を見る練習としてとても使いやすい。 A と B の形をそろえる意識は、 英作文で自然な文を作るときにも重要になる。
日本語では、 「AもBも」「AかB」「AもBもない」と訳せば済むことが多い。 しかし英語では、 A と B が文法的に同じ働きをしているかを見ないと、 文全体が不安定になる。
高校英文法では、 このような並列の形が、 読解問題や整序問題でよく問われる。 相関接続詞を見たら、 意味と同時に、 A と B の形を必ず確認したい。