塾長ノート

and / but / or は何をつなぐための語なのか

同じ働きをする語句や文を、等位接続詞で並べる

英語では、 語と語、 句と句、 節と節をつないで、 一つの文の中に情報を並べることがある。

I like tea and coffee.
私は紅茶とコーヒーが好きです。

この文では、 tea と coffee が and でつながれている。 どちらも like の目的語になる名詞である。

I like tea, but my brother likes coffee.
私は紅茶が好きですが、弟はコーヒーが好きです。

こちらでは、 二つの文に近い内容が but でつながれている。 英語では、このように同じくらいの働きをするものをつなぐ語を 等位接続詞 として整理する。

代表的なのは、 and / but / or である。 中学でも何度も出てくる語だが、 高校英文法では、 これらを単なる訳語ではなく、 文の部品を並べる仕組みとして見る必要がある。

今回は、 and / but / or を、 何をどのようにつないでいるのかという視点から整理しよう。

and / but / or は、同じ働きのものをつなぐ

まず大切なのは、 and / but / or は、 基本的に 同じ働きをするものどうし をつなぐということである。

Tom and Ken are good friends.
トムと健はよい友達です。

この文では、 Tom と Ken が主語の一部として並んでいる。 どちらも人を表す名詞であり、 同じ位置に置くことができる。

She is kind and honest.
彼女は親切で正直です。

ここでは、 kind と honest が並んでいる。 どちらも補語として、 she がどのような人かを説明している。

He opened the door and entered the room.
彼はドアを開けて部屋に入りました。

この文では、 opened と entered という二つの動詞が並んでいる。 同じ主語 He について、 二つの動作を順に述べている。

このように、 and は単に「そして」と訳す語ではない。 文の中で同じ働きをするものを並べ、 情報を足していく語である。

but は、 同じように二つのものをつなぐが、 前後に対比や逆の流れを作る。

This question is difficult but important.
この問題は難しいが重要です。

difficult と important はどちらも形容詞で、 question を説明している。 ただし、 難しいという印象に対して、 重要だという別の見方を加えている。

or は、 選択肢を示すときに使う。

You can choose tea or coffee.
紅茶かコーヒーを選べます。

tea と coffee は、 どちらも choose の目的語になる名詞である。 or は、 そのうちどちらかを選ぶ関係を作っている。

並べるときは、形をそろえる

等位接続詞でつなぐときは、 意味だけでなく、 形をそろえる ことが大切である。

I like reading books and listening to music.
私は本を読むことと音楽を聞くことが好きです。

reading books と listening to music は、 どちらも動名詞で始まるまとまりである。 like の目的語として、 同じ働きをしている。

もし片方だけ形がずれると、 英文が読みにくくなる。 高校英文法では、 この形のそろい方を 並列 として見ることが多い。

She wants to study abroad and to work in Japan.
彼女は海外で勉強し、日本で働きたいと思っています。

この文では、 to study abroad と to work in Japan が並んでいる。 どちらも wants の後ろに続く不定詞のまとまりである。

実際には、 二つ目の to が省略されることもある。

She wants to study abroad and work in Japan.

この場合でも、 study abroad と work in Japan が、 同じ不定詞のまとまりの中で並んでいると考える。

大切なのは、 and / but / or の前後を見るとき、 前後の語句が文の中で同じ役割をしているかを確認することである。

節と節をつなぐと、文の流れができる

and / but / or は、 語や句だけでなく、 節と節をつなぐこともできる。

I was tired, but I finished my homework.
私は疲れていましたが、宿題を終えました。

I was tired と I finished my homework は、 どちらも主語と動詞を含む節である。 but によって、 疲れていたという状況と、 それでも宿題を終えたという内容がつながっている。

You can stay here, or you can go home.
ここにいてもよいし、家に帰ってもよいです。

この文では、 二つの選択肢が or でつながれている。 語だけでなく、 文に近いまとまりを選択肢として並べることもできる。

ただし、 等位接続詞でつながれた二つの節は、 基本的には同じくらいの重さを持つ。 片方がもう片方の中に入るわけではない。

この点で、 because / when / if などが導く従属節とは違う。

I stayed home because it was raining.
雨が降っていたので、私は家にいました。

because it was raining は、 主節 stayed home に理由を添える従属節である。 一方、 and / but / or は、 同じ段にある内容を横に並べる働きが強い。

等位接続詞は、英文の骨組みを読む手がかりになる

長い英文を読むとき、 and / but / or は、 単なる小さな語ではなく、 英文の骨組みを分ける手がかりになる。

特に and が出てきたら、 何と何が並んでいるのかを確認したい。 名詞どうしなのか、 形容詞どうしなのか、 動詞どうしなのか、 節どうしなのかで、 文の読み方が変わる。

The book is useful and easy to read.
その本は役に立ち、読みやすいです。

useful と easy to read が並んでいると分かれば、 どちらも The book を説明する補語だと読める。

The book explains grammar clearly and gives many examples.
その本は文法を分かりやすく説明し、多くの例を示しています。

この文では、 explains と gives が並んでいる。 主語 The book について、 二つの動作を述べている。

等位接続詞は、 訳語を覚えるだけなら簡単に見える。 しかし実際には、 英文の部品がどこで並んでいるのかを示す重要な標識である。

and は追加、 but は対比、 or は選択。 その意味を押さえたうえで、 前後の形がそろっているかを見る。 この読み方ができると、 高校英文法や英文解釈で長い文を読むときにも大きな助けになる。

たとえば、 and の前後が名詞なのか、 動詞なのか、 節なのかを確認しないまま訳すと、 文の構造を取り違えることがある。

I met Ken and talked with him after school.
私は放課後に健に会い、彼と話しました。

この文では、 met と talked が並んでいる。 and の後ろに主語 I がくり返されていないが、 同じ主語について二つの動作を述べていると分かる。

一方で、 次のような文では、 and の前後がもっと大きなまとまりになる。

I think that he is honest and that he will keep his promise.
私は、彼が正直で、約束を守るだろうと思います。

ここでは、 that he is honest と that he will keep his promise が並んでいる。 どちらも think の内容になる that節である。

つまり、 and の前後を読むときは、 単語一つだけを見るのではなく、 どの大きさのまとまりが並んでいるのかを判断する必要がある。

この感覚は、 高校英文法で関係詞や分詞構文、 長い名詞節を読むときにも役立つ。 等位接続詞は簡単な語に見えるが、 実は英文の骨組みを見抜くためのかなり重要な手がかりなのである。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、and / but / or を単なる訳語としてではなく、英文の部品を並べる標識として読むことを大切にします。何と何が並んでいるのかを見抜けると、長い英文の骨組みもつかみやすくなります。

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