塾長ノート

the fact that he was honest はなぜ that が続くのか

名詞の内容を、同格の that節で言い換える

英語では、 名詞の後ろに that節が続き、 その名詞の内容を説明することがある。

I heard the news that he had passed the exam.
私は、彼が試験に合格したという知らせを聞きました。

この文では、 the news の後ろに that he had passed the exam が続いている。

that節は、 news を後ろから説明しているが、 関係代名詞のように名詞を修飾しているというより、 news の中身を言い換えている。

つまり、 the news = he had passed the exam という内容の知らせ という関係である。

このように、 前の名詞の内容を後ろの語句や節で言い換える関係を、 同格 と呼ぶ。

今回は、 the fact that ... や the news that ... のような、 同格の that節を整理しよう。

同格は、前の名詞の中身を言い換える関係である

まず、 同格という考え方を簡単な例で確認しよう。

my friend Ken
私の友人の健

この表現では、 my friend と Ken が同じ人物を指している。 Ken は、 my friend が誰なのかを具体的に言い換えている。

Tokyo, the capital of Japan
日本の首都である東京

Tokyo と the capital of Japan も、 同じものを指している。 後ろの名詞句が、 前の名詞を説明し直している。

これが同格の基本である。 前の名詞と後ろの語句が、 同じ対象や同じ内容を指している。

that節を使う同格では、 後ろの節が、 前の名詞の内容そのものを表す。

the fact that he was honest
彼が正直だったという事実

ここでは、 the fact の内容が、 he was honest である。 that は、 その内容を名詞に続ける働きをしている。

the fact that ... は「〜という事実」を表す

同格の that節で最もよく出てくるのが、 the fact that ... である。

We cannot ignore the fact that the earth is getting warmer.
地球が暖かくなっているという事実を無視することはできません。

the fact の内容は、 the earth is getting warmer である。 that節が fact の中身を説明している。

この that は、 関係代名詞ではない。 that の後ろには、 the earth is getting warmer という完全な文が続いている。

the fact that the earth is getting warmer
→ 地球が暖かくなっているという事実

関係代名詞の that なら、 後ろの文に何か欠けた部分がある。

This is the book that I bought yesterday.
これは私が昨日買った本です。

この文では、 I bought yesterday の後ろに目的語がない。 その欠けた目的語が the book に対応している。

一方、 the fact that he was honest では、 he was honest はそれだけで文として完成している。 that節は、 fact の内容をそのまま述べている。

news / idea / possibility なども that節で内容を説明できる

同格の that節は、 fact だけでなく、 内容を持つ名詞の後ろに続くことがある。

I heard the news that she won the prize.
私は、彼女が賞を取ったという知らせを聞きました。

the news の内容は、 she won the prize である。

I like the idea that students can learn at their own pace.
生徒が自分のペースで学べるという考えが好きです。

the idea の内容は、 students can learn at their own pace である。

There is a possibility that he will come back.
彼が戻ってくる可能性があります。

a possibility の内容は、 he will come back である。

このように、 fact / news / idea / possibility / hope / belief など、 中身を文で説明しやすい名詞の後ろに、 同格の that節が続くことがある。

ただし、 すべての名詞に自由に that節を付けられるわけではない。 that節が続くのは、 その名詞が文の内容を受け止められる場合である。

同格の that節は、関係代名詞 that と区別して読む

高校英文法で大切なのは、 同格の that と関係代名詞の that を見分けることである。

the fact that he was honest
→ that節は fact の内容を説明する

the book that I bought yesterday
→ that節は book を後ろから説明し、bought の目的語が欠けている

同格の that節では、 後ろに完全な文が来る。 そして、 その文全体が前の名詞の内容になる。

関係代名詞の that では、 後ろの文の中に欠けた部分がある。 その欠けた部分が、 前の名詞に対応している。

この違いは、 英文解釈でかなり重要である。 that が出てきたときに、 すぐに一つの意味に決めつけず、 後ろの文が完成しているかを見る。

完成していれば、 接続詞の that や同格の that の可能性がある。 欠けていれば、 関係代名詞の that の可能性が高い。

同格は、 言い換えの関係を見抜くための道具である。 the fact that ... を見たら、 「その事実の中身は何か」と考える。 この読み方ができると、 抽象的な名詞を含む高校英文法・英文解釈がぐっと読みやすくなる。

同格の that節は、 抽象的な名詞を具体化する働きがある。 そのため、 英文ではかなり重要である。

The idea that mistakes help us learn is important.
間違いが私たちの学びを助けるという考えは重要です。

この文では、 The idea が主語で、 that mistakes help us learn がその内容を説明している。 主語全体は、 The idea that mistakes help us learn である。

このような文では、 主語が長くなる。 しかし、 that節を idea の内容だと見抜けば、 文の骨組みは整理しやすい。

The idea that mistakes help us learn / is important.
間違いが学びを助けるという考え / は重要です。

高校英文法や英文解釈では、 このように長い主語を見抜く力が必要になる。 同格の that節は、 その入口としてとても大切である。

また、 同格の that節は、 書き手が抽象的な考えや事実を述べるときによく使う。

There is no doubt that he is right.
彼が正しいことに疑いはありません。

この文では、 doubt の内容が he is right である。 no doubt that ... のまとまりで、 「〜ということに疑いはない」と読む。

同格の that節を読めるようになると、 fact / idea / news / belief / possibility / doubt などの抽象名詞が出てきても、 後ろの節を内容説明として受け止められる。

これは、 単なる文法知識というより、 説明文や論説文を読むための土台である。 名詞の後ろに that節が続いたら、 その that節が何の中身を述べているのかを確認しよう。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、that を一つの訳語で処理するのではなく、後ろの文が完成しているか、前の名詞の内容を説明しているかを見ます。同格の that節が読めると、抽象名詞を含む英文が読みやすくなります。

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