関係代名詞には、名詞をただ限定するだけでなく、 補足説明を加える 使い方がある。
My brother, who lives in Osaka, is a doctor.
私の兄は、大阪に住んでいるのですが、医者です。
この文では、 who lives in Osaka が my brother を説明している。 ただし、説明の働きは、普通の関係代名詞とは少し違う。
カンマがない関係詞は、名詞をしぼり込む働きをする。 カンマがある関係詞は、 すでに分かっている名詞に補足情報を添える働きをする。
カンマなしは、名詞をしぼり込む
まず、カンマのない形を確認しよう。
The students who finished the test early went home.
テストを早く終えた生徒たちは帰りました。
この文では、 who finished the test early が、どの生徒たちなのかをしぼり込んでいる。 すべての生徒ではなく、 「テストを早く終えた生徒たち」である。
このように、名詞を限定する関係詞の使い方を、 制限用法 と呼ぶ。
students who finished the test early
→ 早く終えた生徒たちに限定する
中学で学ぶ関係代名詞の多くは、この制限用法である。 名詞の後ろに説明を置き、 どの人・どの物なのかをはっきりさせる。
カンマありは、補足説明を加える
次に、カンマのある形を見よう。
My brother, who lives in Osaka, is a doctor.
ここでは、 my brother がすでに特定されている。 その兄について、「ちなみに大阪に住んでいる」と補足している。
このように、カンマで区切って補足説明を加える関係詞の使い方を、 非制限用法 と呼ぶ。
My brother, who lives in Osaka, is a doctor.
→ 私の兄は医者です。ちなみに大阪に住んでいます。
日本語では、訳し分けがいつもはっきり出るわけではない。 しかし英文を読むときは、 カンマがあるかどうかで、 説明の働きが変わることを意識したい。
which の非制限用法は、文全体を受けることもある
非制限用法では、 which が前の名詞だけでなく、前の文全体を受けることもある。
He was late again, which made his teacher angry.
彼はまた遅刻しました。そのことが先生を怒らせました。
この which は、 late という一語だけを受けているのではない。 「彼がまた遅刻したこと」全体を受けている。
この形は、英文解釈でよく出てくる。 カンマ + which が出てきたら、 前の名詞を受けているのか、 前の内容全体を受けているのかを確認しよう。
She passed the exam, which surprised us.
彼女は試験に合格した。そのことが私たちを驚かせた。
この場合も、 which は「彼女が試験に合格したこと」全体を受けている。
非制限用法は、英文を前から読む助けになる
非制限用法を読むときは、 無理に一つの長い日本語にしようとしなくてよい。 一度文を切って、補足説明として読めばよい。
My sister, who works at a hospital, lives near here.
→ 私の姉はこの近くに住んでいます。 姉は病院で働いています。
このように読むと、英文の流れを前から追いやすくなる。 関係詞はいつも後ろから訳すものではない。 とくに非制限用法では、 前から情報を足していく読み方が自然である。
高校英文法では、カンマ一つが意味の取り方を変えることがある。 関係詞の非制限用法は、その代表的な例である。
カンマなしなら名詞をしぼる。 カンマありなら補足する。 まずはこの違いを押さえておこう。
非制限用法では、 関係代名詞として that は基本的に使わない。 カンマのあとでは、 人なら who、 物や前の内容なら which を使うと整理しておくとよい。
My brother, who lives in Osaka, is a doctor.
○ who
My brother, that lives in Osaka, is a doctor.
× that
また、 固有名詞や一つに決まる名詞は、 もともと特定されていることが多い。 そのため、 そこに関係詞を加えると、 しぼり込みではなく補足説明になりやすい。
Tokyo, which is the capital of Japan, is a large city.
東京は、日本の首都ですが、大きな都市です。
この文では、 「日本の首都である東京」と限定しているというより、 東京についての追加情報を添えている。
一方、 普通名詞でも、 文脈上すでに一つに決まっている場合は、 非制限用法で補足説明を加えることができる。
The book, which I bought yesterday, was very interesting.
その本は、昨日買ったものですが、とてもおもしろかった。
この場合、 the book はすでに話し手と聞き手の間で特定されている。 そのうえで、 「昨日買った」という情報を添えている。
読解では、 非制限用法を一度かっこに入れて考えると分かりやすい。 中心の文を先に読み、 カンマで挟まれた部分を補足として足す。
My brother, who lives in Osaka, is a doctor.
→ My brother is a doctor.
→ who lives in Osaka は補足説明
この読み方をすると、 長い英文でも中心を見失いにくい。 関係詞が出てきたからといって、 いつも後ろから大きく訳し戻す必要はない。
とくに論説文では、 カンマつきの関係詞が、 前の内容にコメントを加える形でよく使われる。 文の流れを止めずに、 追加情報として受け取る感覚を身につけたい。
制限用法と非制限用法の違いは、 細かい文法用語に見える。 しかし実際には、 「名詞をしぼるのか、情報を足すのか」という、 英文の読み方そのものに関わる大切な区別である。