関係詞には、 whoever / whatever / whichever のような形もある。 これらは 複合関係詞 と呼ばれる。
Whoever comes first will get a prize.
最初に来た人はだれでも賞をもらいます。
この whoever は、単なる疑問詞ではない。 「だれが〜しても」「〜する人はだれでも」のように、 範囲を広く取る働きをする。
高校英文法では、複合関係詞を、 名詞のまとまりを作る場合 と、 譲歩の意味を表す場合 に分けて見ると整理しやすい。
whoever は「〜する人はだれでも」を表す
まず、名詞のまとまりを作る使い方を見よう。
Whoever wants to join us is welcome.
私たちに参加したい人はだれでも歓迎です。
この文では、 Whoever wants to join us 全体が主語になっている。 意味は「私たちに参加したい人はだれでも」である。
You can invite whoever you like.
あなたが好きな人をだれでも招待してよい。
この文では、 whoever you like が invite の目的語になっている。 「あなたが好きな人はだれでも」という名詞のまとまりである。
つまり、 whoever は、人を表す名詞節を作ることができる。 関係代名詞 what が「〜するもの」を表したのと似ている。
whatever / whichever も、名詞のまとまりを作る
物や内容については、 whatever を使う。
You may take whatever you need.
必要なものは何でも持っていってよい。
この whatever you need は、 take の目的語になっている。 「あなたが必要とするものは何でも」という名詞のまとまりである。
限られた選択肢の中から「どれでも」と言う場合には、 whichever を使う。
Choose whichever you like.
好きなものをどれでも選びなさい。
whatever は範囲が広く、 whichever は選択肢が見えている場面で使いやすい。 ただし、最初は「何でも」「どれでも」という大まかな違いを押さえればよい。
譲歩では「たとえ〜しても」を表す
複合関係詞は、名詞のまとまりだけでなく、 譲歩 の意味を表すこともある。
Whatever happens, I will not give up.
何が起こっても、私はあきらめません。
この Whatever happens は、文の主語や目的語ではない。 「たとえ何が起こっても」という条件を添えている。
Whoever calls me, I will not answer the phone.
だれが私に電話してきても、私は電話に出ません。
このように、複合関係詞は文脈によって、 名詞節にも、副詞節にもなる。 ここが少しややこしいところである。
英文では、文の中での働きを確認する
複合関係詞を読むときは、訳語を先に決めるより、 そのまとまりが文の中でどの働きをしているかを確認しよう。
Whatever you say is important.
→ あなたが言うことは何でも重要です。
文の主語になっている
Whatever you say, I will believe him.
→ あなたが何を言っても、私は彼を信じます。
文全体に条件を添えている
同じ whatever you say でも、文の中での働きによって読み方が変わる。 だからこそ、品詞・句と節・主節と従属節の見方が必要になる。
複合関係詞は一見難しく見えるが、 基本は「疑問詞に ever がついて、 範囲を広げる」と考えればよい。 そのうえで、名詞のまとまりなのか、 譲歩を表すまとまりなのかを見分けよう。
複合関係詞は、 疑問詞 + ever の形でできている。 この ever は、 範囲を広げる働きをしていると考えると分かりやすい。
who
→ だれ
whoever
→ だれでも / だれが〜しても
ただし、 日本語訳だけで覚えると、 名詞節なのか副詞節なのかを見落としやすい。 文の中でどの働きをしているかを見ることが重要である。
名詞節として使われる場合は、 主語・目的語・補語の位置に入る。 つまり、 文の中で名詞と同じ働きをする。
Whoever comes first will get a prize.
→ 主語
I will help whoever needs help.
→ 目的語
一方、 譲歩を表す場合は、 文全体に条件のような意味を添える。 このときは、 「たとえ〜しても」と訳すと自然になることが多い。
Whoever you are, you must follow the rules.
たとえあなたがだれであっても、規則には従わなければならない。
この文では、 Whoever you are は主語や目的語ではない。 後ろの文全体に条件を添えている。
譲歩の意味は、 no matter who / no matter what で言い換えられることもある。
Whatever happens, I will not give up.
= No matter what happens, I will not give up.
ただし、 名詞節として使われている whatever を、 いつも no matter what に置き換えられるわけではない。
You can take whatever you need.
→ 必要なものは何でも持っていってよい
× You can take no matter what you need.
ここでも、 文の中で名詞として働いているのか、 文全体に意味を添えているのかを確認する必要がある。
複合関係詞は、 高校英文法の中でも、 品詞・節・関係詞・接続詞の知識が重なるところにある。 だからこそ、 一つの訳語だけで処理せず、 文の構造から読むことが大切である。