前回は、 whether / if が 「〜かどうか」 という名詞節を作ることを見た。
I don't know whether he will come.
彼が来るかどうか、私は知りません。
この文では、 whether he will come が know の目的語になっている。 つまり、 ひとかたまりで名詞のように働いている。
ところが、 次の文の if は少し違う。
If it rains tomorrow, we will stay home.
もし明日雨が降れば、私たちは家にいます。
この If it rains tomorrow は、 「明日雨が降れば」 という条件を表している。 何かの目的語になっているのではなく、 we will stay home という中心になる内容に、 条件を添えている。
このように、 文の中で名詞のように働く節ではなく、 時・条件・理由・譲歩などを表して、文全体に説明を加える節 を、 副詞節 と呼ぶ。
中学英文法でも、 when / if / because などはすでに学んでいる。 高校英文法では、 それらをただ訳語で覚えるだけでなく、 その節が文の中でどんな働きをしているのか という視点で整理していく。
副詞節は、中心になる文に時・条件・理由を添える
まず、 節 とは、 主語と動詞を含む語のまとまりである。
it rains tomorrow
he comes home
I was busy
she likes English
これらは、 それぞれ主語と動詞を含んでいる。 ただし、 接続詞がつくと、 文の中で別の働きをするまとまりになる。
if it rains tomorrow
もし明日雨が降れば
when he comes home
彼が帰宅するとき
because I was busy
私が忙しかったので
これらは、 単独でもある程度意味は分かる。 しかし、 それだけでは文全体としては未完成で、 ふつうは中心になる文につながる。
If it rains tomorrow, we will stay home.
もし明日雨が降れば、私たちは家にいます。
I will call you when I get home.
家に着いたら、あなたに電話します。
I went to bed early because I was tired.
疲れていたので、私は早く寝ました。
ここで、 we will stay home、 I will call you、 I went to bed early が、それぞれ中心になる内容である。 そこに、 条件・時・理由を表す節が添えられている。
この中心になる節を、 文法では 主節 と呼ぶ。 それに対して、 接続詞に導かれて主節に意味を添える節を、 従属節 と呼ぶ。
If it rains tomorrow, we will stay home.
If it rains tomorrow
→ 条件を添える従属節
we will stay home
→ 中心になる主節
副詞節は、 従属節の一種である。 そして、 名詞のように働くのではなく、 主節に対して いつ・どんな条件で・なぜ・たとえどうであっても という説明を加える。
時や条件を表す副詞節では、未来の内容でも現在形を使う
副詞節で特に大切なのが、 時や条件を表す副詞節では、未来の内容でも現在形を使う というルールである。
If it rains tomorrow, we will stay home.
もし明日雨が降れば、私たちは家にいます。
日本語では 「明日雨が降れば」 なので、 未来の内容である。 しかし英語では、 if it will rain tomorrow とはせず、 if it rains tomorrow とする。
同じことは、 when にも当てはまる。
I will call you when I get home.
家に着いたら、あなたに電話します。
これも、 家に着くのは未来のことだが、 when I will get home とはしない。 時を表す副詞節の中では、 when I get home のように現在形を使う。
これは、 主節側の will が、文全体として未来の話であることを示しているからである。 副詞節の中では、 その未来の出来事を、 条件や時の枠として置いている。
If it rains tomorrow, we will stay home.
→ 未来の結果は主節の will で表す
I will call you when I get home.
→ 未来の行動は主節の will で表す
中学英語では、 このルールを 「時・条件を表す副詞節の中では未来のことも現在形」 と覚えることが多い。 高校英文法では、 さらに一歩進んで、 どこが主節で、どこが副詞節なのか を見分けることが大切になる。
I don't know if he will come tomorrow.
彼が明日来るかどうか、私は知りません。
この文の if he will come tomorrow は、 条件を表す副詞節ではない。 know の目的語になっている名詞節である。 だから、 未来の内容を will come で表している。
If he comes tomorrow, I will tell him.
→ 条件を表す副詞節なので、comes
I don't know if he will come tomorrow.
→ 「来るかどうか」という名詞節なので、will come
同じ if でも、 「もし〜なら」 の副詞節なのか、 「〜かどうか」 の名詞節なのかで、 文の中での働きが変わる。 ここを見分けることが、高校英文法への大切な橋渡しになる。
because / although も、主節に理由や対比を添える
副詞節を導く接続詞は、 if や when だけではない。
たとえば、 because は理由を表す副詞節を作る。
I stayed home because I was sick.
体調が悪かったので、私は家にいました。
because I was sick は、 「なぜ家にいたのか」 という理由を説明している。 つまり、 I stayed home という主節に、 理由を添えている。
また、 although は、 「〜だけれども」 という譲歩や対比を表す。
Although it was raining, we played soccer.
雨が降っていたけれど、私たちはサッカーをしました。
Although it was raining は、 「雨が降っていた」 という状況を示している。 そのうえで、 普通ならサッカーをしなさそうなのに、 実際には we played soccer だった、という対比を作っている。
because I was sick
→ 理由を添える
although it was raining
→ 逆の流れになりそうな状況を添える
if it rains tomorrow
→ 条件を添える
when I get home
→ 時を添える
これらはすべて、 文の中心になる内容に対して、 追加の説明を加えている。 その働きが副詞に近いため、 副詞節 と呼ばれる。
副詞節は、 文の前に置くことも、後ろに置くこともできる。
Because I was tired, I went to bed early.
疲れていたので、私は早く寝ました。
I went to bed early because I was tired.
私は疲れていたので、早く寝ました。
前に置くと、 先に状況や理由を示してから主節に入る。 後ろに置くと、 まず中心になる内容を言ってから、理由や条件を補足する。
どちらの場合も、 副詞節は主節に意味を添える働きをしている。
名詞節と副詞節は、文の中での働きで見分ける
高校英文法で大切なのは、 接続詞を一語ずつ訳語で覚えることだけではない。 その接続詞が導くまとまりが、 文の中で何として働いているのか を見ることである。
たとえば、 次の二つを比べてみよう。
I know that he is honest.
私は、彼が正直だということを知っています。
I went to bed early because I was tired.
疲れていたので、私は早く寝ました。
that he is honest は、 know の目的語になっている。 つまり、 名詞のように働く名詞節である。
一方、 because I was tired は、 何かの目的語になっているわけではない。 I went to bed early という主節に、 理由を添えている。 だから副詞節である。
名詞節
→ 文の中で、主語・目的語・補語のように働く
副詞節
→ 主節に、時・条件・理由・譲歩などを添える
さらに、 関係詞のところで学んだ 形容詞節 もある。
This is the book that I bought yesterday.
これは、私が昨日買った本です。
that I bought yesterday は、 the book という名詞を説明している。 だから、 名詞を説明する形容詞のように働く節である。
名詞節
→ 名詞のように働く
形容詞節
→ 名詞を説明する
副詞節
→ 主節に状況を添える
ここまで整理できると、 高校英文法の 節 はかなり見通しがよくなる。
英文を読むときは、 接続詞を見つけたら、 まず訳語だけを考えるのではなく、 次のように考えるとよい。
このまとまりは、名詞のように働いているのか。
名詞を説明しているのか。
主節に時・条件・理由などを添えているのか。
If it rains tomorrow, we will stay home. の if は、 「雨が降るなら」 という条件を表し、 主節にその条件を添える。
つまり、 この if は、 「〜かどうか」の名詞節ではなく、 条件を表す副詞節 を導いているのである。