塾長ノート

Without your help, I could not have finished the work. はなぜ仮定法になるのか

if がなくても、条件を含む表現から仮定を読み取る

仮定法というと、 まず if で始まる文を思い浮かべるかもしれない。

If I had known your address, I would have visited you.
もしあなたの住所を知っていたら、訪ねていたでしょう。

しかし、 英語では if を使わなくても、 仮定の意味を表すことがある。

Without your help, I could not have finished the work.
あなたの助けがなければ、私はその仕事を終えられなかったでしょう。

この文には if が出てこない。 それでも、 意味としては 「もしあなたの助けがなかったら」 という仮定を含んでいる。

つまり、 without your help が、 if節のように仮定の条件を表しているのである。

今回は、 without / but for / otherwise など、 if を使わずに仮定を表す形を整理しよう。

without は「もし〜がなければ」という仮定を含む

まず、 without は前置詞で、 基本的には「〜なしで」を表す。

I went out without an umbrella.
私は傘なしで外出しました。

このような文では、 without は単に「〜なしで」という状況を添えている。

しかし、 仮定法の文で使われると、 without は もし〜がなければ という条件に近い意味を持つ。

Without your help, I could not finish this work.
あなたの助けがなければ、私はこの仕事を終えられないでしょう。

これは、 現在や未来について、 実際には助けがある、または助けがあることを期待している場面で使える。

Without your help, I could not have finished the work.
あなたの助けがなければ、私はその仕事を終えられなかったでしょう。

こちらは、 過去についての仮定である。 実際には助けがあった。 その助けがなかったら、 仕事を終えられなかった、という意味になる。

形としては、 過去の事実と違う仮定なので、 主節には could not have + 過去分詞 が使われている。

but for も「〜がなければ」を表す

without と似た表現に、 but for がある。

But for your help, I could not have finished the work.
あなたの助けがなければ、私はその仕事を終えられなかったでしょう。

but for は、 やや書きことば的で、 「〜がなければ」という仮定を表す。

意味としては、 次の if節に近い。

If it had not been for your help, I could not have finished the work.
もしあなたの助けがなかったなら、私はその仕事を終えられなかったでしょう。

ここで大切なのは、 but for your help が、 if it had not been for your help と同じような条件を表していることだ。

ただし、 日常的な説明や英作文では、 まず without を使えるようにしておけばよい。 but for は、 読解で見たときに 「〜がなければ」 と読めるようにしておきたい。

otherwise は「そうでなければ」を表す

if を使わない仮定には、 otherwise も関わる。

I hurried to the station. Otherwise, I would have missed the train.
私は駅へ急ぎました。そうでなければ、その電車に乗り遅れていたでしょう。

otherwise は、 「そうでなければ」を表す語である。 前の文の内容を受けて、 それがなかった場合の結果を示す。

この例では、 実際には駅へ急いだ。 だから電車に乗り遅れなかった。 しかし、 急いでいなければ乗り遅れていただろう、という意味である。

このように、 otherwise の後ろには、 仮定法の形が続くことがある。

Study hard. Otherwise, you may fail the exam.
一生懸命勉強しなさい。そうでなければ、試験に落ちるかもしれません。

この文では、 まだ現実と違う過去を述べているわけではないので、 仮定法過去完了にはなっていない。 otherwise は常に仮定法を作る語ではなく、 文脈によって「そうでなければ」の結果を示す語だと考えるとよい。

if がなくても、仮定の条件を探して読む

仮定法を読むとき、 if があるかどうかだけを手がかりにすると、 without や otherwise を見落としやすい。

Without air, we could not live.
空気がなければ、私たちは生きられないでしょう。
Without his advice, I would have made a mistake.
彼の助言がなければ、私は間違えていたでしょう。

どちらも if はないが、 「もし〜がなければ」という条件を含んでいる。

高校英文法では、 仮定法を if の公式だけで覚えるのではなく、 現実とは違う条件や、 実際には起こらなかった可能性を表す形として見ることが大切である。

without / but for / otherwise は、 その条件を別の形で示す語である。 if がなくても仮定はある。 この見方ができると、 仮定法の読解がかなり楽になる。

たとえば、 次の二文を比べると、 if を使った仮定と without を使った仮定が同じ方向を向いていることが分かる。

If I had not met you, I would not have changed my mind.
Without meeting you, I would not have changed my mind.

二つ目の文は少し硬い形だが、 「あなたに会わなかったら」 という条件を、 without meeting you で表している。

また、 名詞を使うと、 さらに簡潔に条件を表すことができる。

Without this map, we would be lost.
この地図がなければ、私たちは道に迷っているでしょう。

この文では、 this map があるから道に迷っていない、 という現実が背景にある。 その地図がなかった場合を仮に考えて、 would be lost と述べている。

英作文では、 if を使って書くほうが安全な場合も多い。 しかし読解では、 without や but for が出た瞬間に、 「これは条件を表しているかもしれない」 と考えられるようにしたい。

But for the rain, the game would have been held.
雨がなければ、その試合は行われていたでしょう。

この文では、 実際には雨が降ったため、 試合は行われなかったと考えられる。 but for the rain が、 「もし雨がなかったら」 という条件を作っている。

仮定法は、 動詞の形だけでなく、 文全体がどの現実を前提にしているかを見る文法である。 if があるかどうかよりも、 現実とは違う条件や結果が述べられているかを読むことが大切である。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、仮定法を if の公式だけで覚えるのではなく、現実とは違う条件をどの語句が表しているのかを見ます。without や otherwise に気づけると、英文解釈で仮定の意味を拾いやすくなります。

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