中3英語で、使役動詞 make は次のように学んだ。
My mother made me clean my room.
母は私に部屋を掃除させました。
make の後ろでは、me の後ろに clean という動詞の原形が続いている。 そのため、「make + 人 + 動詞の原形」と覚えた人も多いはずである。
しかし、高校英文法では次のような文も出てくる。
I was made to clean my room.
私は部屋を掃除させられました。
今度は clean ではなく、to clean になっている。 なぜ、能動態では to がなかったのに、受動態では to が出てくるのだろうか。
今回は、使役動詞 make の受動態を、能動態との違いから整理しよう。
能動態では make + 人 + 動詞の原形になる
まず、能動態の文を確認しよう。
My mother made me clean my room.
母は私に部屋を掃除させました。
この文では、My mother が「させる側」で、me が「させられる側」である。 clean my room は、me がする行動を表している。
My mother made [me] [clean my room].
母は [私に] [部屋を掃除させた]。
make は、相手に行動を起こさせる意味を持つ使役動詞である。 このとき、目的語の後ろには to不定詞ではなく、動詞の原形を置く。
make + 人 + 動詞の原形
The news made me cry.
その知らせは私を泣かせました。
ここまでは、中3英語で学んだ内容とつながる。 問題は、この文を受動態にするときである。
受動態では、させられる側を主語にする
受動態では、もとの文の目的語を主語に出す。
My mother made me clean my room.
→ I was made to clean my room.
能動態では me だった語が、受動態では I になって主語に出ている。
意味としては、「私は部屋を掃除させられた」である。
I was made to clean my room.
私は部屋を掃除させられました。
ここで重要なのは、受動態になると to clean になることである。
能動態
My mother made me clean my room.
受動態
I was made to clean my room.
これは、make の受動態では、能動態で消えていた to が戻る、と整理すると分かりやすい。
高校英文法では、次の形を一つの重要表現として押さえておきたい。
be made to + 動詞の原形
→ 〜させられる
make の受動態では to が必要になる
なぜ to が出てくるのかを、細かく理屈で説明しようとすると、原形不定詞と to不定詞の歴史的な関係まで関わってくる。
ただ、高校英文法の入口では、まず次のように整理しておけばよい。
make + 人 + 動詞の原形
→ 人に〜させる
人 + be made + to 動詞の原形
→ 人が〜させられる
能動態では make の直後に目的語があり、その後ろに原形が続く。 しかし受動態では、目的語だった語が主語に出るため、後ろの行動を to不定詞として残す。
たとえば、次のように変わる。
The teacher made the students read the book.
先生は生徒たちにその本を読ませました。
The students were made to read the book.
生徒たちはその本を読まされました。
read が to read になる点に注意しよう。
同じように、次の文も作れる。
His words made me feel sad.
彼の言葉は私を悲しい気持ちにさせました。
I was made to feel sad by his words.
私は彼の言葉で悲しい気持ちにさせられました。
後ろに feel のような動詞が来ても、受動態では to feel になる。
let / have / help とは同じ扱いにしすぎない
ここで注意したいのは、make / let / have / help をすべて同じように受動態へ変えようとしないことである。
能動態では、たしかに次のように、どれも人の後ろに動詞の原形を置くことがある。
make + 人 + 動詞の原形
let + 人 + 動詞の原形
have + 人 + 動詞の原形
help + 人 + 動詞の原形
しかし、受動態でよく問題になるのは、特に make である。
He was made to work late.
彼は遅くまで働かされました。
let や have は、同じ感覚で機械的に受動態にすると不自然になることも多い。 また、help は to をつける形も、つけない形も使われる。
そのため、まずは make の受動態を、be made to do として確実に押さえるのがよい。
make him clean
→ he was made to clean
make them wait
→ they were made to wait
英文を読むときは、be made to が出てきたら、「作られた」と直訳するのではなく、まず「〜させられた」と考える。
I was made to clean my room. では、I が掃除をする側である。 しかし、その行動は自分の意思で自然にしたというより、誰かによってさせられたものとして表されている。
このように、使役動詞 make の受動態では、能動態の原形がそのまま残るのではなく、to不定詞になる。 この違いを押さえておくと、使役動詞と受動態の接続がかなり整理しやすくなる。