高校英文法から英文解釈へ進むと、主語が人ではない文がよく出てくる。
The rain prevented us from going out.
雨のために、私たちは外出できませんでした。
日本語では「雨が私たちを妨げた」と直訳すると少し不自然である。 しかし英語では、雨や薬、知らせ、経験のような、人ではないものを主語にして文を作ることがある。
このような文は、一般に無生物主語の文と呼ばれる。 ただし、特別な文法規則が一つ増えるというより、英語では「原因になるもの」「きっかけになるもの」を主語にしやすい、と考えるとよい。
今回は、The rain prevented us from going out. を入口に、無生物主語の文をどう読めばよいのかを整理しよう。
無生物主語は、原因やきっかけを主語にする
まず、文の骨組みを見てみよう。
The rain prevented us from going out.
S V O
主語は The rain、動詞は prevented、目的語は us である。 文型としては、第3文型として見ることができる。
prevent A from -ing は、「Aが〜するのを妨げる」「Aに〜させない」という意味を表す。
The rain prevented us from going out.
→ 雨が、私たちが外出するのを妨げた
→ 雨のために、私たちは外出できなかった
英語の形では rain が主語になっているが、日本語では「雨のために」と理由として訳すと自然になる。
つまり、無生物主語の文では、英語の主語を必ず日本語の主語として訳す必要はない。 何が原因・理由・きっかけになっているのかを読み取ることが大切である。
make / cause / enable などは、結果を作る動詞として読む
無生物主語の文では、原因から結果へ進む動詞がよく使われる。
This medicine made me feel better.
この薬のおかげで、私は気分がよくなりました。
His words made me happy.
彼の言葉で、私はうれしくなりました。
make は、ここでは「作る」というより、「ある状態にする」と読む。
This medicine made me feel better.
→ この薬が私をよりよく感じさせた
→ この薬のおかげで気分がよくなった
また、cause や enable も、無生物主語と相性がよい。
The news caused great surprise.
その知らせは大きな驚きを引き起こしました。
The Internet enables us to get information quickly.
インターネットによって、私たちは情報を素早く得ることができます。
cause は「引き起こす」、enable は「可能にする」と考えるとよい。 どちらも、主語になっているものが結果を生み出している。
日本語では「〜のおかげで」「〜のために」と訳すことが多い
無生物主語の文は、直訳だけでは少し硬くなることがある。
The rain prevented us from going out.
雨が私たちを外出することから妨げた。
この訳でも構造は分かるが、日本語としては自然ではない。
そこで、日本語にするときは、原因や理由として訳すと読みやすくなる。
The rain prevented us from going out.
→ 雨のために、私たちは外出できなかった。
This medicine made me feel better.
→ この薬のおかげで、私は気分がよくなった。
His advice helped me solve the problem.
→ 彼の助言のおかげで、私はその問題を解決できた。
ただし、英作文では注意が必要である。 日本語の「〜のおかげで」を必ず because of で始める必要はない。 英語では、原因になるものを主語にして、文をすっきり作ることもできる。
無生物主語は、英文解釈で原因と結果を見抜くための形である
無生物主語の文を読むときは、まず主語と動詞を確認する。
The rain / prevented / us from going out.
This medicine / made / me feel better.
The experience / taught / me an important lesson.
次に、その主語が人ではなく、出来事・物・状況・経験などであれば、「それが何を引き起こしたのか」を考える。
英文解釈では、無生物主語を見た瞬間に日本語らしく訳そうとしすぎるより、いったん英語の骨組みをそのまま見るほうがよい。
原因になるもの + 動詞 + 人や結果
→ その原因によって、人や結果に何が起きたのかを読む
無生物主語は、英語らしい文の作り方を理解するうえで重要な形である。 日本語と同じ主語を探すのではなく、英語が何を出発点にして世界を描いているのかを見ることが大切である。