英文法を学んでいると、 たくさんの用語が出てくる。
品詞
句と節
文型
主節と従属節
不定詞・動名詞・分詞
関係詞
接続詞
仮定法
これだけを見ると、 英文法は用語を覚える科目のように感じられるかもしれない。
しかし本来、英文法は、 英文を読むための道具 である。 用語そのものを覚えることが目的なのではなく、 その用語を使って、 英文の骨組みをつかめるようになることが大切である。
たとえば、次の英文を見てみよう。
The book that my teacher recommended to me last week was very interesting.
先週先生が私にすすめてくれた本は、とてもおもしろかった。
単語を左から一つずつ訳していくと、 途中で構造が見えなくなることがある。 しかし、英文法の目で見ると、 まず次の骨組みが見えてくる。
The book ... was very interesting.
その本は、とてもおもしろかった。
そのうえで、 that my teacher recommended to me last week が、 the book を後ろから説明していると分かる。
今回は、 これまで学んできた英文法を、 英文解釈でどう使うのか という視点から整理しよう。
まず主語と動詞を見つける
長い英文を読むとき、 最初に見たいのは、 その文の中心になる 主語 と 動詞 である。
The book that my teacher recommended to me last week was very interesting.
この文では、 主語は The book that my teacher recommended to me last week である。 かなり長い主語だが、 中心になる名詞は book である。
動詞は、 was である。 つまり、文の大きな骨組みは、 次のようになる。
The book was very interesting.
その本はとてもおもしろかった。
この骨組みを先に見つけると、 長い修飾語句に振り回されにくくなる。
英文を読むときに大切なのは、 長い部分をすべて同じ重さで見ることではない。 まず、 文の中心 と それを説明する部分 を分けることが大切である。
主語:The book that my teacher recommended to me last week
動詞:was
補語:very interesting
このように、 文型の見方を使うと、 英文の中心が見えやすくなる。
修飾語句は、骨組みに後から戻す
英文が長くなる大きな理由の一つは、 名詞や動詞に説明がつくからである。
The book that my teacher recommended to me last week was very interesting.
太字の部分は、 the book を説明している。 関係代名詞 that によって、 「先生が先週私にすすめた」という説明が、 名詞の後ろに続いているのである。
ここで大事なのは、 修飾語句を邪魔者として消してしまうことではない。 まず骨組みをつかみ、 そのあとで説明を戻すことである。
骨組み:The book was very interesting.
説明:that my teacher recommended to me last week
合わせて読む:
先週先生が私にすすめてくれた本は、とてもおもしろかった。
この読み方は、 分詞・不定詞・前置詞句・関係詞のどれにも使える。
The boy playing soccer is my brother.
サッカーをしている少年は、私の弟です。
The book written in English is difficult for me.
英語で書かれたその本は、私には難しい。
I have a lot of homework to do today.
私には今日するべき宿題がたくさんあります。
形は違っても、 どれも 名詞に説明を加えている と見ることができる。
句と節を見分けると、英文の切れ目が見える
英文解釈では、 句 と 節 の見分けも大切である。
句は、 主語と動詞を含まない語のまとまりである。 節は、 主語と動詞を含む語のまとまりである。
to read this book
→ 句
that he is honest
→ 節
長い英文では、 句や節が、 名詞・形容詞・副詞のように働く。
What he said surprised everyone.
彼が言ったことは、みんなを驚かせた。
I know that he is honest.
私は、彼が正直だということを知っている。
If it rains tomorrow, we will stay home.
もし明日雨が降れば、私たちは家にいるでしょう。
句と節が見えると、 英文の切れ目が見える。 切れ目が見えると、 どこまでを一つのまとまりとして読めばよいかが分かる。
つまり、英文法の用語は、 読解を難しくするためのものではない。 むしろ、 長い英文を まとまりごとに整理するための目印 なのである。
英文法は、読む・書く・解くをつなぐ
英文法を英文解釈で使えるようになると、 読解だけでなく、 英作文や文法問題にもつながっていく。
たとえば、 関係代名詞を学ぶと、 長い名詞を読むだけでなく、 自分でも名詞を詳しく説明できるようになる。
This is the book.
I bought it yesterday.
→ This is the book that I bought yesterday.
分詞を学ぶと、 人や物の状態を短く説明できるようになる。
The boy is playing soccer.
He is my brother.
→ The boy playing soccer is my brother.
接続詞を学ぶと、 文と文の関係を表せるようになる。
It was raining.
I stayed home.
→ Because it was raining, I stayed home.
このように、英文法は、 英文を読むための道具 であると同時に、 英文を作るための道具 でもある。
文法用語をただ覚えるだけでは、 英文は読めるようにならない。 しかし、 主語と動詞を見つけ、 句と節を分け、 修飾語句を骨組みに戻して読むことができれば、 英文法は読解の中で生きた道具になる。
英文法を学ぶ目的は、 英語を細かく分解して終わることではない。 分解したあと、 もう一度、意味のある英文として組み立て直せるようになることなのである。