ポケモンの技「バトンタッチ」は、英語では Baton Pass と呼ばれる。
バトンタッチ → Baton Pass
ぱっと見ると、日本語と英語でほとんど同じ言葉に見える。
しかし、ここには英語学習としてかなり面白いポイントがある。
日本語の「バトンタッチ」は、英語の baton touch をそのまま使っているわけではない。 日本語で作られた和製英語として扱われる。
一般英語では、 pass the baton と表すのが自然である。
そもそも「バトンタッチ」は和製英語
デジタル大辞泉では、 日本語の「バトンタッチ」を《〈和〉baton+touch》とし、 リレー競走で次の走者にバトンを渡すこと、 さらに仕事や役割を後任に引き継ぐことを表す。
次の担当者にバトンタッチする
つまり「バトンタッチ」は日本語で作られた和製英語である。 英語学習では baton touch を標準的な英語表現として覚えないようにしたい。
一般英語では、
pass the baton
が自然な表現である。
日本語:バトンタッチ
英語:pass the baton
pass the baton は「責任を引き継ぐ」にも使える
Cambridge Dictionaryでは pass the baton を、 仕事や責任を他の人へ引き継ぐという比喩的な意味でも掲載している。
It is time to pass the baton to the next generation.
→ 次の世代に役割を引き継ぐ時だ。
もともとはリレー競走でバトンを渡す動作だが、 そこから「役割を次の人へ渡す」という意味に広がっている。
これは日本語の「バトンタッチする」の比喩用法とかなり近い。
baton は何を表す?
baton は、 リレー競走で走者から走者へ渡す棒を表す。
pass the baton to the next runner
→ 次の走者にバトンを渡す
ただし baton には他にも、 指揮者が使う「指揮棒」や、 警察官が使う「警棒」という意味もある。
つまり baton は、 「細長い棒状の道具」を表す語として複数の場面に使われる。
pass は「通過する」だけではない
pass は非常に多義的な動詞である。
pass the ball
→ ボールを渡す
pass the salt
→ 塩を取って渡す
pass the baton
→ バトンを渡す
この使い方では、 「あるものを別の人へ渡す」というイメージが中心にある。
Baton Pass という技名も、 この pass = 渡す という意味が分かるとかなり理解しやすい。
pass on は「次へ回す」
さらに一般英語では、 pass on も重要である。
Please pass this message on.
→ このメッセージを次の人へ伝えてください。
pass on は、 情報・物・役割などを 「次へ回す」「引き継ぐ」という意味で使える。
そのため「バトンタッチ」のような発想とかなり相性がよい表現である。
Baton Pass は英語としてどういう形?
ポケモンの英語技名は、
Baton Pass
という名詞的な並びになっている。
日常英語で動作を言うなら、
pass the baton
と、動詞 pass を前に置くのが自然である。
つまり、
Pokémon技名:Baton Pass
一般英語:pass the baton
という違いがある。
「Baton Pass」は技名として成立しているが、 日本語の「バトンタッチ」を英語にしたいときに そのまま baton touch と言うのは避けたい。
英語の「引き継ぐ」は他にもある
「役割を引き継ぐ」は pass the baton 以外でも表せる。
hand over the responsibility
→ 責任を引き渡す
take over the job
→ 仕事を引き継ぐ
pass the baton は比喩的で、 前任者から後任者へ役割が受け継がれていくイメージが見えやすい。
ポケモンの技としても「渡す」が中心
ゲームでは、Baton Pass は能力変化を保ったまま仲間へ交代する戦術に使える。
つまり、
自分が得た有利な状態
↓
次の仲間へ引き継ぐ
という動きになる。
一般英語の 「バトンを次の人へ渡す」 というイメージともつながりやすい。
技の働きと一般英語の表現を並べると、「仲間へ渡す」という中心イメージが見えてくる。
まとめ
ポケモンの技「バトンタッチ」は、 英語では Baton Pass。
しかし一般英語では、 日本語の「バトンタッチ」に相当する表現は pass the baton が自然である。
バトンタッチする
→ pass the baton
さらに、
pass on
→ 次に回す、引き継ぐ
という表現まで広げられる。
英語っぽく見える日本語が、 実際の英語では少し違う。
ポケモンの技名から、 和製英語と本物の英語表現の違いまで学べる面白い例である。