ポケモンの技「アンコール」は、英語でも Encore。
アンコール → Encore
日本語でもコンサートの終わりに 「アンコール!」と言うので、 かなりなじみのある言葉である。
英語の encore は、 「もう一度!」という掛け声そのものだけではなく、 観客の求めに応じて追加で行われる演奏 という名詞でも使われる。
encore は「追加演奏・再演」
英語の encore は、 コンサートや舞台の本編が終わったあと、 観客の求めに応じて追加で行われる演奏や曲を表す。
The band played one more song as an encore.
→ バンドはアンコールとしてもう1曲演奏した。
また、観客が演者に 「もう一度!」と求める掛け声として Encore! と言うこともできる。
Encore!
→ もう一度!
日本語の「アンコール」もかなり近い意味で定着しているので、 この単語は比較的そのまま覚えやすい。
もともとはフランス語の「もう一度」
encore は英語にもともとあった単語ではなく、 フランス語の encore から入った語である。
フランス語では 「まだ」「さらに」「もう一度」といった意味を持つ。
英語で encore が観客の掛け声として使われた例は、 18世紀初頭までさかのぼる。
French encore
→ もう一度・さらに
↓
English encore
→ もう一度演奏して! / 追加演奏
ゲームの Encore は「同じ技をもう一度」
ゲームでは、Encoreを受けた相手は 直前に使った技を繰り返すよう強制される。
たとえば相手が攻撃ではなく、 自分を強化する技や守る技を使った直後にEncoreを使えば、 相手はその技を繰り返すことになる。
「さあ、もう一度それをやって!」 と相手に要求しているような技である。
コンサートのEncoreとゲームのEncoreでは場面はまったく違うが、 “同じものをもう一度” という中心イメージはきれいにつながっている。
カードの「アンコール」も同じ発想
カードでは、「アンコール」というワザが使われている。
たとえばエルフーンの「アンコール」では、 相手のバトルポケモンが持つワザを1つ選び、 次の相手の番、そのポケモンは 選ばれたワザしか使えなくなる。
ゲームでは直前の技を繰り返させ、 カードでは選んだワザだけに制限する。 具体的な仕組みは違っても、 相手に「もう一度この技を」と求める ような発想でつながっている。
encore と repeat は同じではない
「繰り返す」なら repeat という基本語がある。
Please repeat that.
→ それをもう一度言ってください。
repeat は、 同じことを再びするという意味の一般的な動詞である。
一方 encore は、 ふつうの英語では 舞台・演奏の追加パフォーマンス という文化的な場面と結びついている。
repeat → 同じことを繰り返す
encore → 観客の求めに応じた追加演奏
ポケモンの技では、 「相手にrepeatさせる」効果を Encoreという舞台用語で表現している、と考えるとおもしろい。
again はもっと広い「もう一度」
again は、 もっと広く使える「再び・もう一度」。
Try again.
→ もう一度やってみて。
Say it again.
→ もう一度言って。
encore の語源的な「もう一度」という感覚を、 現代英語の基本語で言い換えるなら、 again が近い。
ただし、英語で普通に 「もう一度やって」と言いたいからといって、 何でも Encore! と言うわけではない。
ここはカタカナ語から英語へ戻るときに 気をつけたいところである。
performance と一緒に覚えると使いやすい
encore を説明するときによく出てくるのが performance。
performance
→ 演技・演奏・公演
たとえば、
an encore performance
→ アンコール公演・再演
のように使える。
encore 単体だけでなく、 performance とセットで覚えておくと コンサートや舞台の英語が一気につながりやすくなる。
日本語の「アンコール」はかなり英語に近い
カタカナ語には、 英語と日本語で意味が大きくずれているものも多い。
しかし「アンコール」は、 日本語でも英語でも 本編のあとにもう一度演奏を求める/追加で演奏する という意味で使われる。
その点ではかなり覚えやすい借用語である。
ただし英語では 「もう一度」という日常的な意味なら again、 「繰り返す」なら repeat を使うのが普通で、 encore は舞台や演奏の文脈が中心である。
まとめ
ポケモンの「アンコール」は英語でも Encore。
encore
→ 観客が求める追加演奏
→ その追加演奏そのもの
→ 「もう一度!」という掛け声
もともとのフランス語には、 「もう一度・さらに」という意味がある。
ゲームのEncoreは直前の技を繰り返させ、 カードの「アンコール」は相手が使えるワザを1つに制限する。
つまり、 「もう一回それをやって!」 というアンコールのイメージが、 バトルの仕組みにそのまま変換されている。