ポケモンの技「がむしゃら」は、英語では Endeavor。
がむしゃら → Endeavor
endeavor は、名詞なら「努力・試み」、動詞なら「努力する・成し遂げようとする」を表す、やや改まった英語である。
日本語の「がむしゃら」には、後先を考えず、無我夢中で突き進む勢いがある。一方のEndeavorは、目標へ向けた努力や試みを前面に出す。意味の焦点は同じではないが、持てる力で結果を出そうとするイメージでつながって見える。
ゲームでは、残りHPの差をそのままダメージにする
ターン制作品の現行仕様では、「がむしゃら」は相手の残りHPを、使ったポケモンの残りHPとほぼ同じところまで下げるノーマルタイプの物理技である。
通常の攻撃技のように、こうげきの高さや技の威力からダメージを計算するのではない。相手と自分の現在のHPの差が、与えるダメージになる。
相手の残りHP − 使用者の残りHP = 与えるダメージ
相手のHPを、使用者と同じ水準まで下げる
たとえば相手の残りHPが180、自分が23なら、差の157ダメージを与え、相手の残りHPも23まで下げる。自分が追い込まれているほど、大きな差を相手から奪える技である。
相手のHPが同じか低ければ、効果はない
「がむしゃら」が働くのは、相手の残りHPが使用者より多いときだけ。相手のHPが自分と同じ、または自分より低い場合は効果がない。
相手を自分と同じHPまで下げる技なので、この技だけで相手のHPを0にはできない。使用者が行動できる時点では少なくとも1HPが残っており、相手もその値までしか下がらないからである。
第3世代で登場して以来、「相手のHPを使用者と同じ水準まで下げる」という中心的な仕組みは変わっていない。
ノーマルタイプの無効は受ける
ダメージ量はHPの差で決まるため、弱点や耐性による通常の倍率計算には左右されない。ただし、タイプによる無効は別である。
「がむしゃら」はノーマルタイプの技なので、ノーマル技が無効になるゴーストタイプには通常は当たらない。HPの条件だけでなく、技そのものが相手に届くかも確認する必要がある。
日本語の「がむしゃら」は、後先を考えず突き進むこと
「がむしゃら」は、後先を考えず、強引なほど一心に物事を進めることや、その様子を表す。
彼はゴールまでがむしゃらに走った。
→ 周りを気にする余裕もなく、必死に走り続けた。
単に努力するだけでなく、無我夢中、必死、一心不乱といった勢いを含みやすい。計画的で落ち着いた努力よりも、目の前のことへ全力でぶつかる姿が浮かぶ日本語である。
名詞の endeavor は「努力・試み・取り組み」
名詞の endeavor は、何かを成し遂げようとする努力や試み、または力を注ぐ活動そのものを表す。
Building the shelter was a difficult endeavor.
→ その避難所を建てることは困難な取り組みだった。
human endeavor なら、人間が知識や成果を求めて行う幅広い活動を表せる。
Science is a field of human endeavor.
→ 科学は、人間が取り組む活動分野の一つである。
一回だけの軽い試しというより、目標へ向けて力を注ぐ、まとまりのある取り組みによく似合う言葉である。
動詞の endeavor は「成し遂げようと努める」
動詞の endeavor は「努力する」「何とか成し遂げようとする」。endeavor to do の形が基本になる。
We will endeavor to solve the problem.
→ 私たちはその問題の解決に努めます。
日常会話のtryよりも改まった響きがあり、公的な文章やスピーチなどで見かけやすい。会話で「やってみる」と言うだけなら、tryのほうが自然な場面が多い。
effort は、注ぎ込む「力・労力」
effort は、目標のために使う身体的・精神的な力や労力を表す。何かを試みる行為を指すこともある。
Learning a language takes time and effort.
→ 言語を学ぶには時間と努力が必要だ。
endeavorが「努力を伴う取り組み・試み」全体を指せるのに対し、effortはそこへ注ぎ込む力に注目しやすい。
attempt は、一回の「試み」を数えやすい
attempt は、特に難しいことを実行しようとする試み。名詞と動詞の両方で使える。
She succeeded on her third attempt.
→ 彼女は3回目の挑戦で成功した。
They attempted to cross the river.
→ 彼らは川を渡ろうとした。
first attempt、second attemptのように、一回ごとの挑戦を数えたいときに便利である。endeavorは、より長い取り組みや、努力を続ける姿勢まで含められる。
try は、日常で最も使いやすい「やってみる」
try は、何かができるか実際にやってみることを表す、日常的で幅広い言葉である。
I’ll try to finish it today.
→ 今日中に終えられるようやってみるよ。
try、attempt、endeavorには重なる部分があるが、改まり方や注目点が違う。
try → 日常的な「やってみる」
attempt → 一つの試み・難しいことへの挑戦
effort → 注ぎ込む力・労力
endeavor → 目標へ向けた真剣な努力・取り組み
strive も「懸命に努力する」だが、動詞として努力を続ける動きに焦点がある。endeavorは名詞として取り組みそのものも表せる点が異なる。
米綴りは endeavor、英綴りは endeavour
endeavor は主にアメリカ英語の綴りで、イギリス英語では endeavour と書くのが一般的である。発音と基本的な意味は同じ。
American English → endeavor
British English → endeavour
ポケモンの英語名はEndeavorという米綴り。一般英文では、使う英語の地域に合わせて綴りをそろえればよい。
「がむしゃら」と Endeavor は、努力の見せ方が違う
日本語の「がむしゃら」は、後先を考える余裕もなく突き進む状態や勢いを描く。英語のEndeavorは、目標を成し遂げようとする努力や試みを名づける。
ゲームでは、自分のHPがわずかでも、残った力で相手とのHP差を一気に縮める。日本語名は追い込まれてなお突き進む必死さを、英語名は結果を出そうとする努力や挑戦を見せている――そう考えると、異なる二つの言葉が同じ技へつながる。
語源には「務めを果たす」という感覚がある
endeavorは、中英語の「自分を務めの中へ置く」という表現にさかのぼる。その背景には、古フランス語の「義務・務め」を表す語がある。
そこから「果たすべきこととして力を尽くす」「目的を達成しようと努める」という意味へ広がり、現在の「努力・試み・取り組み」につながった。
まとめ
ポケモンの「がむしゃら」は英語で Endeavor。
endeavor(名詞)→ 努力・試み・取り組み
endeavor(動詞)→ 努力する・成し遂げようとする
effort → 力・労力
attempt → 一つの試み・挑戦
try → 日常的な「やってみる」
ゲームでは、自分と相手の残りHPの差をダメージにし、相手を自分と同じ水準まで引き下げる。相手のHPが同じか低ければ効果はなく、ノーマルタイプの無効も受ける。
「がむしゃら」は後先を考えず突き進む勢いを、Endeavorは何かを成し遂げようとする努力を表す。残りわずかな力から結果をつかもうとする技を通して、似ているようで焦点の違う「努力・試み」の英語を整理できる。