ポケモンの技「かなしばり」は、英語では Disable。
かなしばり → Disable
disable は、機械・機能・システムなどを「作動しないようにする」「使えなくする」という動詞である。
日本語名は、体が縛られたように動けない情景を思わせる。一方のDisableは、相手の一つの機能を停止させるという、技の働きを前面に出した名前に見える。
ゲームでは、最後に使った技を4ターン封じる
近年のターン制作品の「かなしばり」は、相手が最後に使った技を4ターン使えなくするノーマルタイプの変化技である。
相手そのものが行動不能になるわけではない。封じられていない別の技は使えるため、「相手の体を止める技」ではなく、「直前に使った一つの技を選べなくする技」と整理すると正確である。
対象 → 相手が最後に使った技
継続 → 4ターン
その間 → ほかの使用可能な技は選べる
使えない技しか残っていないと、わるあがきになる
封じられた技のほかに使える技がなければ、相手は「わるあがき」を使う。たとえば、アンコールやこだわり系の道具で一つの技に固定され、その技をさらに「かなしばり」で封じられた場面が当てはまる。
この組み合わせは、相手の選択肢を狭める技としての特徴がよく表れる。一方で、交代すれば「かなしばり」の効果は終わる。
最後に使った技がないと失敗する
「かなしばり」が参照するのは、相手の技一覧から選んだ好きな技ではなく、実際に最後に使われた技である。そのため、相手がまだ一度も技を使っていない場合は失敗する。
最後に使ったのが「わるあがき」の場合も失敗する。また、相手の技がすでに一つ封じられていると、別の技を重ねて封じることはできない。相手の直前の行動を読んで使う必要がある技である。
第1世代では、狙う技がランダムだった
現在につながる「最後に使った技を封じる」という仕組みは、第2世代からのもの。第1世代では、PPが残っている相手の技からランダムに一つが選ばれ、継続ターンも一定ではなかった。
その後、命中率や継続ターンも世代ごとに調整され、第5世代以降は4ターンに固定された。本文では、近年の中心仕様を基準に考える。
「金縛り」は、身動きができない状態
一般日本語の「金縛り」は、厳しく縛られたように身動きができないことを表す。眠りに入るときや目覚めるときに、意識がありながら手足を動かせない睡眠麻痺を指すこともある。
「恐怖で金縛りにあったように動けない」のように、強い驚きや恐れで体が固まった様子にも使われる。自分の意思どおりに動けないという情景が中心にある。
disable は「機能を使えなくする」
disable は、装置や機能を止めたり、通常どおり働かない状態にしたりする動詞である。設定画面や機械の説明でもよく見かける。
Disable notifications during the meeting.
→ 会議中は通知を無効にしてください。
The technician disabled the alarm before the test.
→ 技術者はテストの前に警報装置を停止した。
deleteがデータそのものを削除するのに対し、disableは機能や設定を残したまま、ひとまず働かないようにする場面でも使える。ポケモンの技も、相手の技を消すのではなく、一定ターンだけ使えなくする。
disabled は「無効になっている」
disabled はdisableの過去分詞・形容詞形。機械や画面の機能についてなら、「停止された」「無効になっている」という意味になる。
The button is disabled until all fields are complete.
→ すべての欄を入力するまで、そのボタンは無効になっている。
ゲーム画面で項目が灰色になり選べないときにも、disabled と表現できる。「かなしばり」を受けた技も、消えたのではなく一時的に選べない状態だと考えると、この語感がつかみやすい。
able・ability・unableの関係
able は「〜することができる」。そこから、ability は「何かをする力・技能・能力」を表す名詞になる。よく使う形は the ability to do である。
She has the ability to explain difficult ideas clearly.
→ 彼女には難しい考えを分かりやすく説明する力がある。
unable は、否定を表すun-がableについた形で、「〜することができない」。通常は be unable to do の形で使う。
The player was unable to select the move.
→ そのプレイヤーはその技を選べなかった。
able → できる
ability → できる力・能力
unable → できない
disable → できない状態にする・機能を止める
enable と disable は反対方向
enable は「できるようにする」「可能にする」。機能の設定では「有効にする」という意味にもなる。
This setting enables users to save their progress.
→ この設定により、利用者は進行状況を保存できる。
機能を働かせるenableと、機能を止めるdisableは反対方向の動詞として覚えやすい。ただし、語頭だけを機械的に置き換えればよいわけではなく、enable A to do のような実際の形ごと覚えると使いやすい。
disability は「能力がない」という意味ではない
disability は現代英語で、障害や、障害のある状態を表す語として使われる。つづりにabilityが見えても、人を単純に「能力がない」と説明する語ではない。
人については people with disabilities や disabled people などの表現が使われ、どの言い方を好むかは地域や当事者によっても異なる。集団をひとまとめにして the disabled と呼ぶ表現は避ける。
一時的に何かができないことなら、be unable to do や inability to do が合うことも多い。語の形が似ていても、disabilityとinabilityは同じ場面で自由に入れ替えられる語ではない。
dis- + able は、能力や機能を反対方向へ動かす
disableは、反対・否定などを表す dis- と、できる状態を表す able に分けて理解できる。
歴史的には15世紀後半から、「できない状態にする」「働く力を弱める」という意味で使われてきた。ableは古フランス語を経て、ラテン語で「扱いやすい・適した」を表した語へさかのぼる。
現代の設定画面では、enableで機能を働かせ、disableで止める。この対比には、「できる状態にする/できない状態にする」という語形成がそのまま残っている。
日本語名と英語名は、封じ方の焦点が違う
日本語の「かなしばり」は、体が縛られたように動けない情景を描く。英語のDisableは、ある機能を使えなくする操作や結果を示す。
ゲームでは相手の全行動ではなく、最後に使った一つの技だけが一時停止する。そう見ると、日本語名は「動けない」という印象を強くし、英語名は「特定の機能を無効にする」という仕組みを簡潔に表していると考えられる。
まとめ
ポケモンの「かなしばり」は英語で Disable。
disable → 機能を止める・使えなくする
disabled → 無効になっている / 障害のある
ability → 何かをする力・能力
unable → 〜することができない
enable → できるようにする・有効にする
ゲームでは、相手が最後に使った技を4ターン封じる。相手そのものを動けなくするのではなく、一つの技だけを一時的に無効にする点に、Disableという一般英語の中心イメージがよく表れている。
日本語名は身動きが取れない情景を、英語名は機能停止という働きを描く。技の仕組みから、able・ability・unable・enable・disableの関係まで整理できる。