ポケモンの「なりきり」は、英語で Role Play。roleは「役」や「役割」、role-playは「役を演じる」という意味を持つ。
なりきり → Role Play
ゲームでコピーするのは、相手の姿や技ではなく「特性」だけ。一般英語のrole、play a role、role-play、imitateの違いを整理すると、この技が何を「演じている」のかも見えやすくなる。
roleは「役」と「役割」
roleは、映画や舞台で俳優が演じる「役」を表す。
She played the role of a doctor.
→ 彼女は医師の役を演じました。
play the role of ...は「……の役を演じる」。ここでのplayは、遊ぶことではなく、役を演じることを表している。
roleは演技に限らず、組織・社会・物事の中で果たす「役割」「機能」にも使える。
Technology plays an important role in education.
→ 技術は教育で重要な役割を果たします。
play a role in ...は「……で役割を果たす」。人だけでなく、技術、環境、経験などにも使える実用的な表現である。
role-playは「役を演じて練習する」
role-playは、特定の人物や立場になったつもりで、その役に合う行動や会話をすること。語学学習、接客研修、面接練習などでよく使われる。
Let's role-play a conversation at a hotel.
→ ホテルでの会話をロールプレイしてみましょう。
名詞なら「ロールプレイ、役割演技」、動詞なら「役を演じる」。role-playingは、その活動や進行中の行為を表す形で、role-playing exerciseやrole-playing gameのように使われる。
Role Play・role play・role-playの表記
ポケモンの正式な英語技名は、二語を大文字で始めたRole Play。固有の技名としての表記である。
一般英語では辞書や文体によって表記が揺れる。名詞はrole playやrole-play、動詞はrole-playがよく使われ、roleplayを一語で認める辞書もある。
Role Play → ポケモンの英語技名
role play / role-play → 名詞「役割演技」
role-play / roleplay → 動詞「役を演じる」
role-playing → 役を演じる活動・ロールプレイング
表記は一つだけが常に正しいというより、品詞と採用する辞書・スタイルに合わせて統一するのが大切である。
play a roleはrole-playと同じではない
play a roleには二つの代表的な使い方がある。一つは俳優が役を演じること、もう一つは物事の中で役割を果たすこと。
He plays the role of the king.
→ 彼は王の役を演じます。
Exercise plays a role in maintaining good health.
→ 運動は健康維持に役立っています。
role-playは、場面を設定して役になったつもりで行動する活動そのものを表す。Technology role-plays an important roleとは言わず、機能や影響を述べるときはplays an important roleを使う。
imitateは声や動きを「まねる」
imitateは、人の声、話し方、動作、やり方などを似せてまねること。
He can imitate his teacher's voice.
→ 彼は先生の声まねができます。
role-playは、決められた役や状況に入って行動すること。imitateは、手本となる人や物の特徴をコピーすることに焦点がある。誰かの声だけをまねてもrole-playとは限らず、店員役として会話を続けるならrole-playに近い。
pretendとactはどう違う?
pretendは、実際にはそうでないのに「そうであるふりをする」。子どものごっこ遊びにも、事実を隠すためのふりにも使える。
The children pretended to be astronauts.
→ 子どもたちは宇宙飛行士のふりをしました。
actは、舞台や映画で「演じる」のほか、ある態度で「振る舞う」という意味を持つ。
Try to act calmly.
→ 落ち着いて振る舞ってみてください。
imitateは特徴をまねる、pretendは事実と違う状態を装う、actは演じる・振る舞う、role-playは役割と場面を設定して行動する。意味は重なるが、焦点が少しずつ違う。
roleの始まりは、役が書かれた紙
roleはフランス語のrôleを経て英語に入り、もとは俳優の台詞や役が書かれた紙の巻物に結びつく語だった。そこから「俳優が演じる役」、さらに社会や組織で果たす「役割・機能」へ意味が広がった。
roleとrollは現代英語では別の単語だが、語の歴史では「巻いた紙」がroleの背景にある。role-playはrole「役」+play「演じる」という、意味の見えやすい組み合わせである。
ゲームでは対象の「特性」をコピーする
現在のメインシリーズの「なりきり」は、エスパータイプの変化技。選んだ一体の特性をコピーし、使用者自身の特性をその特性へ置き換える。
相手そのものへ変身する技ではない。姿、タイプ、能力値、技は変わらず、変化するのは使用者の特性である。コピー後は、使用者が交代するなどして場を離れるまで、その特性で戦う。
なりきり
対象の特性 → 使用者がコピー
使用者の元の特性 → コピーした特性に置き換わる
姿・タイプ・能力値・技 → コピーしない
ダブルでは味方の特性も選べる
対象は隣接する一体。シングルでは通常は相手を選び、ダブルでは相手だけでなく隣の味方を対象にできる。味方の便利な特性を使用者にも持たせる、といった使い方も可能である。
命中率や回避率による通常の命中判定は行わず、「まもる」や「みきり」でも防がれない。一方、対象が「あなをほる」「そらをとぶ」などで一時的に姿を消している場合や、「トリックガード」で守られている場合は失敗する。
コピーできない特性がある
すべての特性をコピーできるわけではない。たとえば「ふしぎなまもり」「マルチタイプ」「バトルスイッチ」のように、特定のポケモンや姿の仕組みと強く結びつく特性は対象外になる。
現行作品には、「しれいとう」「マイティチェンジ」「こだいかっせい」「クォークチャージ」など、コピーできない特性がほかにもある。また、使用者側が一部の特殊な特性を持つ場合も、置き換えられず失敗する。
一覧を暗記するより、「特性だけをコピーする技だが、姿・専用システム・特殊な発動条件と結びつく特性には例外がある」と理解すると中心をつかみやすい。
同じ特性なら現在は失敗する
第5世代以降は、使用者と対象の特性がすでに同じなら「なりきり」は失敗する。コピーしても変化が起きないためである。
第3・第4世代では、同じ特性でも技自体は成功した。このような世代差があるため、過去作の挙動を現行作品へそのまま当てはめないようにしたい。
「へんしん」との違いは、コピーする範囲
「へんしん / Transform」は、相手の姿だけでなく、タイプ、能力、技など幅広い戦闘情報を写す技。一方、「なりきり / Role Play」がコピーするのは特性だけである。
一般英語でも、transformは形や性質を大きく変える語、role-playはある役を演じる語。「なりきり」は対象と同じ存在になるのではなく、その特性という一つの「役」を引き受ける技として見ると、違いを整理しやすい。
日本語は「そのものになる」、英語は「役を演じる」
日本語の「なりきる」は、「すっかりそのものになる」という意味。人物や役になったつもりで、話し方や振る舞いまで合わせる場面にも使われる。
英語のRole Playは、あるrole「役・役割」をplay「演じる」行為に焦点を置く。日本語は対象そのものになったように振る舞う感覚、英語は役割を引き受けて演じる感覚を前に出している。
ゲームでは姿までは変わらず、特性だけが対象と同じになる。そのため、英語名は「対象の役割の一部を演じる」という見方、日本語名は「対象になりきる」という見方として読むと分かりやすい。
まとめ
「なりきり」は英語でRole Play。roleは役・役割、role-playは設定された役になって行動することを表す。
play the role of ... → ……の役を演じる
play a role in ... → ……で役割を果たす
role-play ... → ……を役割演技で練習する
imitate ... → 声・動き・やり方などをまねる
ゲームでは対象の特性をコピーし、使用者自身の特性を置き換える。姿、タイプ、能力値、技までコピーする「へんしん」とは範囲が違い、コピーできない特殊な特性もある。
日本語は「そのものになったように振る舞う」、英語は「役を演じる」。Role Playという技名から、演技だけでなく「役割を果たす」というroleの実用的な使い方まで学べる。