ポケモンの「こわいかお」は、英語で Scary Face。scaryは「人を怖がらせるような」、faceは「顔」を表す。
こわいかお → Scary Face
日本語名と英語名は、どちらも「怖い顔」という直接的な表現である。ここで大切なのは、scaryが「自分が怖がっている」ではなく、周囲を怖がらせる側を説明する語だという点だ。
scaryは「怖がらせるような」
scaryは、人に恐怖を感じさせる物、人、出来事などを説明する形容詞。「怖い映画」「怖い顔」のように、恐怖の原因となる側に使う。
It was a scary movie.
→ それは怖い映画でした。
He made a scary face.
→ 彼は怖い顔をしました。
That's scary.なら「それは怖いね」。話し手が怖がっている状態より、話題になっている物事の怖さに焦点がある。
scaredは「怖がっている」
scaredは、恐怖を感じている人や動物の状態を表す。
I'm scared.
→ 私は怖いです。
I am scared of this dog.
→ 私はこの犬が怖いです。
This dog is scary.は犬が怖がらせる側、I am scared of this dog.は私が怖がる側。この主語の違いを押さえると、scaryとscaredを選びやすくなる。
This dog is scary. → この犬は人を怖がらせる
I am scared of this dog. → 私はこの犬を怖がっている
scareは「怖がらせる」
scareは「人を怖がらせる」という動詞。誰が何を怖がらせたのかを、そのまま文にできる。
The sudden noise scared me.
→ 突然の音が私を怖がらせました。
Don't scare the children.
→ 子どもたちを怖がらせないでください。
scareを中心に見ると、scaryは「怖がらせる性質がある」、scaredは「怖がらせられた結果、恐怖を感じている」とつながる。
scare・scary・scaredの語形成
scare(動詞)→ 怖がらせる
scary(形容詞)→ 怖がらせるような、恐ろしい
scared(形容詞)→ 怖がっている、おびえた
語尾の-yが付いたscaryは性質を、-edの形を持つscaredは恐怖を受けた状態を表す。形だけで機械的に決めず、「恐怖の原因か、感じている側か」を文の主語から見るのが実用的である。
afraidも「怖い・恐れている」
afraidも、恐怖を感じている状態を表し、be afraid of ...で「〜を恐れている」と言える。
She is afraid of spiders.
→ 彼女はクモを怖がっています。
I'm afraid to go outside alone.
→ 私は一人で外へ出るのが怖いです。
scaredとafraidは多くの場面で重なる。scaredは会話でよく使われ、突然の恐怖や見た目にも表れるおびえを述べやすい。afraidは一般的な恐れや、悪いことが起こる心配にも広く使える。
また、afraidは通常、名詞の前には置かない。an afraid childよりa scared child、またはa frightened childが自然である。
scary・scared・afraidを比べる
scary → 恐怖を感じさせる側
scared → 恐怖を感じている側。会話でよく使う
afraid → 恐れている状態。be afraid of / to ... が基本
That sound is scary.
→ その音は怖いです。
I'm scared of that sound.
→ 私はその音が怖いです。
I'm afraid that something is wrong.
→ 何かがおかしいのではないかと心配です。
日本語ではどれも「怖い」と訳せるため、英語では何が主語になっているか、後ろにofやthatが続くかを見るとよい。
frighteningとfrightenedも同じ見方ができる
frighteningは「人を怖がらせるような」、frightenedは「怖がった、おびえた」。scary / scaredと似た関係を作る。
The storm was frightening.
→ その嵐は恐ろしいものでした。
The children were frightened.
→ 子どもたちはおびえていました。
frighteningはscaryよりやや硬く感じられることがあり、scaredはfrightenedより会話でよく使われる傾向がある。ただし意味は大きく重なり、恐怖の強さを一語だけで固定することはできない。
-ingと-edの考え方
感情に関わる形容詞では、-ing形が感情を起こさせるもの、-ed形がその感情を受けた人の状態を表すことが多い。
frightening story → 人を怖がらせる話
frightened reader → 怖がっている読者
boring lesson → 人を退屈させる授業
bored student → 退屈している生徒
scaryは-ing形ではないが、frighteningと同じ「感情を起こさせる側」に立つ。scaredはfrightenedと同じ「感情を受けた側」に立つと考えられる。
faceは「顔」だけではない
faceは名詞なら「顔」。make a faceは、顔をしかめる、変な顔をするなど、普段と違う表情を作ることを表す。
The child made a face at the bitter taste.
→ その子は苦い味に顔をしかめました。
Make a scary face!
→ 怖い顔をして!
make a faceだけでは、必ずしも怖い顔とは限らない。scary、funny、sadなどを加えると、どのような表情かを具体的にできる。
ゲームでは相手の素早さを下げる
現在のメインシリーズの「こわいかお」は、ノーマルタイプの変化技。直接ダメージは与えず、相手の素早さを2段階下げる。
素早さは、通常どちらが先に行動するかに関わる能力。相手を怖がらせて動きを鈍らせ、後続のポケモンが先に動きやすい状況を作る技と考えると分かりやすい。
技の分類 → 変化技
直接ダメージ → なし
下げる能力 → 相手の素早さ
下がる量 → 2段階
現在の命中率 → 100
命中率100でも必ず成功するとは限らない
現在の命中率は100だが、使う側の命中率が下がったり、相手の回避率が上がったりすれば外れることがある。「まもる」などの防御技でも防がれる。
相手の素早さがすでに下限のマイナス6段階なら、それ以上は下げられない。「しろいきり」で能力低下から守られている場合や、「クリアボディ」のように相手から能力を下げられない特性でも効果を防がれる。
反射や逆転が起きる場合もある
「マジックミラー」の相手には技が跳ね返り、使用者側の素早さが下がる。「ミラーアーマー」も能力低下を相手へ返すため、通常どおり相手を遅くすることはできない。
特性「あまのじゃく」は能力変化の上下を逆にする。この相手へ使うと、素早さを2段階下げる代わりに2段階上げてしまう。
第7世代以降、「いたずらごころ」で優先度を上げた「こわいかお」は、あくタイプの相手には効かない。技自体がノーマルタイプだからではなく、いたずらごころで相手を対象にしたときの条件である。
世代によって命中率が違う
「こわいかお」は第2世代から登場した。第2世代から第4世代までは命中率90だったが、第5世代以降は100に変更されている。
素早さを2段階下げる中心効果は共通していても、古い作品の命中率を現在の値として扱わないようにしたい。過去にはZワザとして使った場合の追加効果もあったが、現在の通常効果とは分けて考える必要がある。
日本語と英語はどちらも直接的
日本語の「こわいかお」は、「怖い」と「顔」を組み合わせた名前。英語のScary Faceも、scaryとfaceを組み合わせたほぼ同じ作りになっている。
こわい + かお
scary + face
今回は日英の間に大きな意味差を作る必要はない。英語学習で注目したいのは、Scared FaceではなくScary Faceである点だ。顔そのものが怖がっているのではなく、その顔が相手を怖がらせるからscaryになる。
これは語の働きと技の効果を比べた考察であり、名前が決められた過程そのものを示すものではない。
まとめ
「こわいかお」は英語でScary Face。日本語と同じく、相手を怖がらせるような顔を直接表している。
scare → 怖がらせる
scary → 怖がらせるような、恐ろしい
scared → 怖がっている、おびえた
afraid → 怖い、恐れている
ゲームでは直接ダメージを与えず、相手の素早さを2段階下げる。現在の命中率は100だが、防御、能力低下を防ぐ状態や特性、反射、あまのじゃくなどで結果が変わる場合がある。
That's scary.とI'm scared.を対にして覚えれば、「怖がらせる側」と「怖がる側」を自然に区別できる。