塾長ノート

色違い孵化厳選は何個タマゴを割れば出る?確率と期待値で考える

1/512でも512個で出るとは限らない

ポケモンを遊んでいると、 「色違い厳選」 という言葉を聞くことがあります。

色違いポケモンとは、 通常とは違う色で登場する特別なポケモンのことです。

対戦で強さが変わるわけではありませんが、 見た目が特別なので、 好きなポケモンの色違いを狙っている人も多いと思います。

その中でも、 タマゴをたくさん孵化させて色違いを狙う方法を、 ここでは 色違い孵化厳選 と呼ぶことにします。

この記事では、 色違い孵化厳選を題材にして、 確率と期待値の考え方を整理してみます。

特に考えたいのは、 次のような疑問です。

  • 色違い確率が1/512なら、512個タマゴを割れば出るのか
  • 512個割っても出ない確率はどれくらいあるのか
  • 何個割れば、かなり出やすいと言えるのか
  • 期待値とは「その回数で出る」という意味なのか

こうした疑問は、 ポケモンの話でありながら、 数学の確率を考えるうえでかなりよい題材になります。

この記事では「1/512」を例に考える

色違いの確率は、 作品や条件によって変わります。

通常の色違い確率、 国際孵化、 ひかるおまもり、 作品ごとの仕様などによって、 数値は少しずつ変わります。

そのため、 この記事では細かい作品ごとの差をすべて扱うのではなく、 代表的な例として 色違いが出る確率を1/512 として考えます。

これは、 国際孵化とひかるおまもりを組み合わせたときの目安として、 よく使われる数値です。

もちろん、 実際に自分が遊んでいる作品では、 条件によって確率が違う場合があります。

ただ、数学の考え方は同じです。

確率が1/512であっても、 1/683であっても、 1/4096であっても、 「何回やっても出ない確率」 や 「少なくとも1回出る確率」 の考え方は同じです。

この記事では、色違いが出る確率を1/512として考える。 目的は作品ごとの細かい仕様確認ではなく、確率と期待値の考え方を整理すること。

1/512とはどういう確率か

まず、 1/512という確率を確認します。

1/512とは、 512回に1回くらい起こる確率、 という意味です。

小数で表すと、

1 ÷ 512 = 0.001953125

です。

パーセントに直すと、

0.001953125 × 100 = 0.1953125%

つまり、 約0.195% です。

かなり低い確率です。

100個タマゴを割っても、 まだ出ないことは普通にあります。

200個割っても、 300個割っても、 出ないときは出ません。

ここで大切なのは、 1/512という数字を見たときに、 「512個割れば必ず出る」 と考えないことです。

1/512は、 あくまで1回ごとの確率です。

512回挑戦したら必ず1回成功する、 という意味ではありません。

「512個割れば出る」は本当か

色違い確率が1/512だと聞くと、 ついこう思ってしまいます。

じゃあ、512個タマゴを割れば1匹くらい出るんじゃない?

感覚としては自然です。

確率が1/512なら、 平均的には512回に1回くらい出る。

だから、 512個割れば出そうな気がします。

しかし、 数学的には少し注意が必要です。

512回というのは、 あくまで 期待値 の目安です。

期待値とは、 長い目で見た平均のようなものです。

それは、 「512個割れば必ず出る」 という保証ではありません。

むしろ、 512個割っても出ない人は、 かなり普通にいます。

ここが、 確率の感覚と実際の数学がズレやすいところです。

1/512は「512個割れば必ず出る」という意味ではない。 512回は期待値の目安であり、保証ではない。

512個割っても出ない確率を計算する

では、 512個タマゴを割っても色違いが出ない確率は、 どれくらいあるのでしょうか。

ここでは、 逆から考えるとわかりやすいです。

色違いが出る確率は、

1/512

です。

では、 色違いが出ない確率は、

511/512

です。

1個目で出ない確率は、 511/512。

2個連続で出ない確率は、

(511/512)²

です。

3個連続で出ない確率は、

(511/512)³

です。

同じように考えると、 512個すべてで色違いが出ない確率は、

(511/512)⁵¹²

となります。

これを計算すると、

(511/512)⁵¹² ≒ 0.3675

です。

パーセントにすると、 約36.8% です。

つまり、 色違い確率が1/512だったとしても、 512個タマゴを割って色違いが出ない確率は、 約36.8%もあります。

これはかなり大きい数字です。

3人が同じ条件で512個ずつタマゴを割ったら、 そのうち1人くらいは出なくてもおかしくない、 というくらいの感覚です。

512個で少なくとも1匹出る確率

では逆に、 512個タマゴを割って、 少なくとも1匹色違いが出る確率はどれくらいでしょうか。

これは、 1から 「1匹も出ない確率」 を引けば求められます。

少なくとも1匹出る確率
= 1 − 1匹も出ない確率

さきほど、 512個割って1匹も出ない確率は、 約36.8%でした。

したがって、

1 − 0.3675 = 0.6325

となります。

つまり、 512個タマゴを割って少なくとも1匹色違いが出る確率は、 約63.2% です。

これは、 半分よりはかなり高いです。

しかし、 100%にはほど遠いです。

だから、 512個割っても出ないからといって、 「確率がおかしい」 とは言えません。

かなり普通にありえる結果です。

1/512の確率で512回挑戦すると、少なくとも1回成功する確率は約63.2%。 逆に、約36.8%は1回も成功しない。

100個・300個・512個・1000個ではどう変わるか

では、 タマゴの数を増やすと、 色違いが出る確率はどのように変わるのでしょうか。

色違いが出る確率を1/512とすると、 n個タマゴを割って1匹も出ない確率は、

(511/512)ⁿ

です。

そして、 少なくとも1匹出る確率は、

1 − (511/512)ⁿ

になります。

この式を使うと、 タマゴの数ごとの確率を計算できます。

タマゴの数 1匹も出ない確率 少なくとも1匹出る確率
100個 約82.2% 約17.8%
300個 約55.6% 約44.4%
512個 約36.8% 約63.2%
700個 約25.5% 約74.5%
1000個 約14.2% 約85.8%
1500個 約5.3% 約94.7%
2000個 約2.0% 約98.0%

この表を見ると、 100個や300個では、 出ないほうが普通にあります。

512個までいくと、 出る確率のほうが高くなります。

しかし、 それでも約36.8%は出ません。

1000個までいくと、 少なくとも1匹出る確率は約85.8%です。

かなり高くなりますが、 それでも約14.2%は出ません。

2000個までいけば、 少なくとも1匹出る確率は約98.0%です。

ここまでくるとかなり高いですが、 それでも100%ではありません。

確率の世界では、 どれだけ回数を増やしても、 「絶対に出る」 とは言い切れないのです。

「期待値」と「実際に出る回数」は違う

ここで、 期待値についてもう少し整理しておきます。

色違い確率が1/512なら、 期待値としては、 平均して512個に1匹くらい出ると考えられます。

しかし、 これは 「512個割れば必ず1匹出る」 という意味ではありません。

期待値は、 あくまで長い目で見た平均です。

たとえば、 ある人は50個で出るかもしれません。

別の人は300個で出るかもしれません。

また別の人は、 1000個割っても出ないかもしれません。

そうした大量の結果をならしていくと、 平均的には512個に1匹くらいになる、 というのが期待値です。

つまり、 期待値は 保証 ではありません。

前回のねずみざんの記事でも、 期待値は 「毎回その値になる」 という意味ではありませんでした。

ねずみざんの期待ヒット数が約5.86回でも、 実際には1回目で外れることもあれば、 10回すべて当たることもあります。

色違い孵化厳選も同じです。

期待値が512個でも、 実際には早く出ることもあれば、 かなり長く出ないこともあります。

期待値は「平均するとどれくらいか」を表す値。 「その回数で必ず成功する」という保証ではない。

なぜ「そろそろ出るはず」と思ってしまうのか

色違い厳選をしていると、 だんだんこう思ってしまうことがあります。

もう500個割ったから、そろそろ出るはず。

気持ちはとてもわかります。

たくさんタマゴを割っていると、 そろそろ報われてもいいだろう、 という感覚になります。

しかし、 確率の考え方では、 基本的に1回1回の抽選は独立しています。

つまり、 500個出なかったからといって、 次の1個で色違いが出る確率が急に上がるわけではありません。

次のタマゴも、 基本的にはやはり1/512です。

過去にどれだけ外れたかによって、 次の1回の確率そのものが変わるわけではありません。

ここは、 確率を考えるうえでとても大切です。

もちろん、 ゲーム内に連鎖や天井のような仕組みがある場合は別です。

しかし、 今回のように、 1回ごとの確率が同じで、 それぞれが独立した抽選だと考えるなら、 「そろそろ出るはず」 は数学的な保証にはなりません。

それでも回数を増やす意味はある

では、 過去に外れた分が次の確率を上げないなら、 たくさんタマゴを割る意味はないのでしょうか。

もちろん、 そんなことはありません。

1回1回の確率は変わらなくても、 挑戦回数を増やせば、 少なくとも1回成功する確率 は上がっていきます。

100個より300個。

300個より512個。

512個より1000個。

挑戦回数が増えれば、 どこかで色違いを引く可能性は高くなります。

ただし、 それは 「次の1回の確率が上がる」 という意味ではありません。

何回も挑戦することで、 成功するチャンスをたくさん作っている、 ということです。

ここを分けて考えると、 確率の見え方がかなり整理されます。

1回ごとの確率は変わらない。 しかし、挑戦回数を増やすと、少なくとも1回成功する確率は上がっていく。

1000個割っても出ないのはどれくらい珍しいか

色違い厳選では、 「1000個割っても出ない」 という話を聞くことがあります。

これは、 かなり運が悪いのでしょうか。

確率1/512で1000個割っても出ない確率は、

(511/512)¹⁰⁰⁰

です。

計算すると、

約14.2%

です。

つまり、 1000個割っても出ない確率は、 だいたい 7人に1人くらい あります。

これは、 たしかに運は悪いです。

しかし、 とんでもない奇跡というほどではありません。

同じ条件で色違い孵化をしている人がたくさんいれば、 1000個出ない人は普通に出てきます。

だから、 1000個割っても出ないからといって、 「自分だけがおかしい」 と考える必要はありません。

確率的には、 まだ十分ありえる範囲です。

2000個割っても出ない場合

では、 2000個割っても出ない場合はどうでしょうか。

確率1/512で2000個割っても出ない確率は、

(511/512)²⁰⁰⁰

です。

計算すると、

約2.0%

です。

2.0%ということは、 だいたい 50人に1人くらい です。

ここまでくると、 かなり運が悪いと言えます。

ただし、 それでも0%ではありません。

たくさんの人が色違い厳選をしていれば、 2000個割っても出ない人も出てきます。

確率の低い出来事でも、 挑戦する人数が多ければ、 現実には誰かに起こります。

ここも、 確率を考えるうえで大切な視点です。

「出た人の報告」が目立つ理由

SNSや動画を見ていると、 「100個で色違いが出た」 「30個で出た」 という報告を見かけることがあります。

そういう報告を見ると、 自分だけ出ないような気持ちになるかもしれません。

しかし、 これは少し注意して見る必要があります。

早く出た人は、 うれしくて報告しやすいです。

一方で、 何百個も割ってまだ出ていない人は、 わざわざ毎回報告しないかもしれません。

つまり、 目に入る情報が、 実際の全体をそのまま表しているとは限りません。

これも、 確率やデータを見るときに大切な考え方です。

目立つ結果だけを見ると、 「みんなすぐ出している」 ように感じます。

しかし、 確率を計算してみると、 512個割っても約36.8%は出ません。

1000個割っても約14.2%は出ません。

だから、 自分の結果をSNS上の成功報告だけと比べすぎると、 確率の感覚がズレてしまうことがあります。

確率は「体感」とズレる

確率のおもしろいところは、 人間の体感とズレやすいところです。

1/512と聞くと、 512回やれば1回くらい出そうに感じます。

しかし実際には、 512回で出る確率は約63.2%です。

逆に言えば、 約36.8%は出ません。

36.8%というのは、 かなり大きい数字です。

学校のテストで36.8%の生徒が同じ結果になると考えると、 それはもう 「珍しい例外」 とは言いにくいでしょう。

つまり、 512個割っても出ないことは、 感覚的にはつらいですが、 数学的にはかなり普通に起こることです。

確率を知っていると、 こうした出来事を少し冷静に見られます。

「出ないのはおかしい」 ではなく、 「出ない確率もこれくらいある」 と考えることができます。

少なくとも1回出る確率の公式

今回使った考え方を、 最後に公式として整理しておきます。

1回あたりの成功確率を p とします。

今回なら、

p = 1/512

です。

1回で失敗する確率は、

1 − p

です。

n回連続で失敗する確率は、

(1 − p)ⁿ

です。

したがって、 n回のうち少なくとも1回成功する確率は、

1 − (1 − p)ⁿ

となります。

色違い孵化厳選では、 pに1/512を入れれば、 n個タマゴを割ったときに少なくとも1匹出る確率が求められます。

少なくとも1回成功する確率は、 「1 − すべて失敗する確率」で考えると求めやすい。

ポケモンで確率を学ぶ意味

ここまで、 色違い孵化厳選を使って確率を考えてきました。

ポケモンの話ではありますが、 ここで出てきた考え方は、 数学としてかなり大切です。

  • 期待値は保証ではない
  • 1回ごとの確率と、複数回で成功する確率は違う
  • 「少なくとも1回」は逆から考えると求めやすい
  • 確率は人間の体感とズレることがある
  • 目立つ成功例だけを見ると、全体の感覚を誤ることがある

これは、 入試問題の確率にもつながります。

また、 日常生活でデータを見るときにも役立ちます。

確率は、 ただの計算ではありません。

物事を冷静に見るための道具でもあります。

色違いが出ないときは、 もちろん悔しいです。

ただ、 その悔しさを少し横に置いて、 「これはどれくらい起こりうることなのか」 と考えてみる。

そこに、 数学のおもしろさがあります。

今回のまとめ

今回は、 ポケモンの色違い孵化厳選を題材にして、 確率と期待値を考えました。

この記事では、 色違いが出る確率を1/512として計算しました。

その場合、 512個タマゴを割れば必ず出る、 というわけではありません。

  • 1回ごとの色違い確率は1/512
  • 512個割って1匹も出ない確率は約36.8%
  • 512個割って少なくとも1匹出る確率は約63.2%
  • 1000個割っても出ない確率は約14.2%
  • 2000個割っても出ない確率は約2.0%

1/512という数字を見ると、 512個で出るように感じるかもしれません。

しかし、 期待値は保証ではありません。

512個割っても出ない人は、 数学的にはかなり普通にいます。

また、 1000個割っても出ないことも、 十分ありえる範囲です。

確率を考えるときには、 「平均するとどれくらいか」 と 「その回数で必ず起こるか」 を分ける必要があります。

色違い孵化厳選は、 その違いをとてもわかりやすく教えてくれます。

そして、 これはポケモンだけの話ではありません。

確率を正しく見ることは、 勉強でも、 ゲームでも、 データを見る場面でも役に立ちます。

「出ないからおかしい」 ではなく、 「出ない確率もこれくらいある」 と考える。

その視点を持つだけで、 確率の世界は少し見えやすくなります。

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