ポケモンの複合タイプを数学的に見ていくと、 ひとつ大事なことが見えてきます。
それは、 どの指標を見るかによって、優秀なタイプの順位は変わる ということです。
前回の記事では、 弱点が少ないタイプと耐性が多いタイプ、どちらが強いのか を考えました。
今回はその続きとして、 複合タイプをいくつかの指標でランキング化してみます。
なお、この記事では、 種族値、特性、技、持ち物、環境、テラスタルなどは考えません。
あくまで、 タイプ相性だけ を見ていきます。
今回使う4つの指標
今回は、 複合タイプを次の4つの指標で見ます。
- 弱点数:2倍以上で受けるタイプの数
- 無効数:0倍にできるタイプの数
- 半減以下の数:0.5倍、0.25倍、0倍にできるタイプの数
- 平均被ダメージ倍率:18タイプの攻撃倍率の平均
どれも防御面を見る指標ですが、 見ているものは少しずつ違います。
弱点数は、 弱点を突かれにくいかどうか。
無効数は、 完全に止められるタイプがどれくらいあるか。
半減以下の数は、 軽く受けられるタイプがどれくらい多いか。
平均被ダメージ倍率は、 全体としてどれくらいダメージを受けにくいか。
それぞれ見ている角度が違うわけです。
ランキングを見るときは、 まず「何を基準にしたランキングなのか」を確認する必要がある。
弱点数が少ない複合タイプ
まずは、 弱点数が少ない複合タイプです。
弱点が少ないタイプは、 相手から見て弱点を突きにくいタイプだと言えます。
| 複合タイプ | 弱点数 | 特徴 |
|---|---|---|
| ノーマル / ゴースト | 1 | 弱点はあくのみ。無効も3つある |
| ゴースト / あく | 1 | 弱点はフェアリーのみ。無効も3つある |
| むし / はがね | 1 | 弱点はほのおのみ。ただし4倍弱点 |
| どく / あく | 1 | 弱点はじめんのみ。無効も1つある |
| みず / じめん | 1 | 弱点はくさのみ。ただし4倍弱点 |
弱点数だけで見ると、 1弱点の複合タイプはかなり優秀に見えます。
ただし、 同じ1弱点でも中身は違います。
ノーマル / ゴーストのように弱点が1つで無効も多いタイプもあれば、 みず / じめんのように弱点は1つでも、 その弱点が4倍になるタイプもあります。
つまり、 弱点数だけでは見えない部分もあります。
無効数が多い複合タイプ
次に、 無効数が多い複合タイプを見ます。
0倍は非常に強い倍率です。
どれだけ威力の高い技でも、 タイプ相性で0倍ならダメージは入りません。
| 複合タイプ | 無効数 | 無効にできるタイプ |
|---|---|---|
| ゴースト / はがね | 3 | ノーマル、かくとう、どく |
| ノーマル / ゴースト | 3 | ノーマル、かくとう、ゴースト |
| ゴースト / あく | 3 | ノーマル、かくとう、エスパー |
| ゴースト / フェアリー | 3 | ノーマル、かくとう、ドラゴン |
| じめん / ゴースト | 3 | でんき、ノーマル、かくとう |
こうして見ると、 ゴーストを含む複合タイプが多く入っています。
ゴーストタイプは、 ノーマルとかくとうを無効にできます。
そこに別のタイプの無効が加わると、 無効数が3つになることがあります。
ただし、 無効数が多いからといって、 必ず平均被ダメージ倍率が最も低いとは限りません。
ここでも、 指標ごとの違いが出てきます。
半減以下の数が多い複合タイプ
次に、 半減以下で受けられるタイプの数を見ます。
ここでは、 0.5倍、0.25倍、0倍をすべて含めます。
つまり、 「等倍より軽く受けられるタイプがどれくらいあるか」 を見る指標です。
| 複合タイプ | 半減以下の数 | 特徴 |
|---|---|---|
| ゴースト / はがね | 12 | 無効3つ、半減も多い |
| ノーマル / はがね | 12 | 無効2つ、半減が多い |
| でんき / はがね | 12 | 半減が非常に多い |
| はがね / フェアリー | 11 | 弱点が少なく、耐性も多い |
| みず / はがね | 11 | 半減できるタイプが多い |
この指標では、 はがねを含む複合タイプがかなり目立ちます。
はがねタイプはもともと耐性が多いため、 半減以下の数で見ると強くなりやすいです。
ただし、 半減以下の数が多くても、 弱点の数や4倍弱点の有無によって評価は変わります。
たとえば、 ゴースト / はがねは半減以下の数が多く、無効も3つあります。
一方で、 弱点は4つあります。
つまり、 多くのタイプを軽く受けられるが、 弱点もある程度あるタイプだと言えます。
平均被ダメージ倍率が低い複合タイプ
最後に、 平均被ダメージ倍率で見ます。
これは、 18タイプの攻撃をそれぞれ1回ずつ受けると仮定し、 その倍率の平均を取る指標です。
| 順位 | 複合タイプ | 平均被ダメージ倍率 | 弱点数 | 無効数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | はがね / フェアリー | 約0.736 | 2 | 2 |
| 2 | ひこう / はがね | 約0.750 | 2 | 2 |
| 3 | ゴースト / はがね | 約0.792 | 4 | 3 |
| 3 | ドラゴン / はがね | 約0.792 | 2 | 1 |
| 5 | みず / はがね | 約0.806 | 3 | 1 |
平均被ダメージ倍率で見ると、 はがね / フェアリーが最も優秀でした。
はがね / フェアリーは、 弱点が2つに抑えられ、 無効も2つあり、 半減以下で受けられるタイプも多いです。
そのため、 総合的な防御効率ではかなり高い位置に来ます。
一方、 ノーマル / ゴーストは、 弱点数と無効数では非常に優秀ですが、 平均被ダメージ倍率ではトップ5には入りません。
等倍で受けるタイプが多いためです。
同じタイプでも評価が変わる
ここまで見ると、 指標によって評価が変わることがよくわかります。
| 重視するもの | 目立つ複合タイプ | 見えてくる強み |
|---|---|---|
| 弱点の少なさ | ノーマル / ゴースト、ゴースト / あく | 弱点を突かれにくい |
| 無効の多さ | ゴースト系の複合タイプ | 特定の技を完全に止められる |
| 耐性の多さ | はがね系の複合タイプ | 多くのタイプを軽く受けられる |
| 平均被ダメージ倍率 | はがね / フェアリー、ひこう / はがね | 全体平均で受け性能が高い |
つまり、 「どの複合タイプが一番強いか」 という問いに対しては、 まず 何を強さとするのか を決める必要があります。
弱点を突かれにくいことを強さとするなら、 ノーマル / ゴーストはかなり強いです。
多くのタイプを半減以下で受けることを強さとするなら、 はがね系の複合タイプが強くなります。
平均的な防御効率を重視するなら、 はがね / フェアリーがかなり優秀です。
数学として大事なのは「指標を決めること」
この話は、 ポケモンに限りません。
何かを比べるときには、 まず評価の基準を決める必要があります。
たとえば、 テストの点数を見るときでも、 平均点を見るのか、 最高点を見るのか、 安定性を見るのかで評価は変わります。
ポケモンの複合タイプも同じです。
弱点数だけを見るのか。
無効数を見るのか。
平均被ダメージ倍率を見るのか。
その指標によって、 ランキングは変わります。
だからこそ、 ランキングを見るときには、 「このランキングは何を基準にしているのか」 を確認することが大切です。
数学的に比べるときは、 まず評価指標を決める。 指標が変われば、順位も結論も変わる。
今回のまとめ
今回は、 ポケモンの複合タイプを、 指標別にランキング化してみました。
- 弱点数で見ると、ノーマル / ゴーストやゴースト / あくが目立つ
- 無効数で見ると、ゴースト系の複合タイプが目立つ
- 半減以下の数で見ると、はがね系の複合タイプが強い
- 平均被ダメージ倍率で見ると、はがね / フェアリーが最上位になる
- どの指標を見るかによって、複合タイプの評価は変わる
ポケモンのタイプ相性は、 ただの相性表として見るだけでもおもしろいです。
しかし、 弱点数、無効数、耐性数、平均倍率のように指標を作ると、 さらに数学的に見ることができます。
大切なのは、 「どれが一番強いか」 とすぐに決めることではありません。
何を基準にするかによって、 強さの見え方が変わることを理解することです。
その視点を持つと、 ポケモンの複合タイプだけでなく、 データやランキングを見る目も少し変わってきます。