ポケモンのパーティを考えるとき、 よく タイプ相性補完 という言葉が出てきます。
これは、 あるポケモンが苦手なタイプを、 別のポケモンで受けられるようにする考え方です。
たとえば、 ほのおが弱点のポケモンがいるなら、 ほのお技を半減できるポケモンを一緒に入れる。
じめんが弱点のポケモンが多いなら、 じめん技を無効にできるひこうタイプや特性を考える。
このように、 6匹全体で弱点を補い合うのがタイプ相性補完です。
この記事では、 種族値、特性、技、持ち物、環境、テラスタルなどはいったん考えません。
あくまで タイプ相性だけ に注目して、 パーティバランスのいい6匹を数学的に考えてみます。
1匹ではなく、6匹全体で考える
これまでの記事では、 1匹の複合タイプを中心に考えてきました。
たとえば、 平均被ダメージ倍率で優秀な複合タイプ を見たり、 弱点数や無効数などの指標 でタイプを比べたりしました。
しかし、実際のポケモンバトルでは、 1匹だけで戦うわけではありません。
基本的には、 複数のポケモンを組み合わせてパーティを作ります。
そのため、 1匹だけの防御相性が完璧でなくても、 ほかのポケモンがその弱点を補えれば、 パーティ全体としては安定します。
パーティバランスでは、 1匹のタイプ相性だけでなく、 6匹全体で弱点を補い合えるかを見ることが大切。
指標1:半減以下の受け先があるか
まず使いやすい指標は、 受け先カバー率 です。
18タイプの攻撃それぞれについて、 パーティ6匹の中に、 その攻撃を半減以下で受けられるポケモンがいるかを見ます。
たとえば、 ほのお技に対して、 6匹の中にみずタイプやドラゴンタイプなど、 ほのおを半減できるポケモンがいれば、 ほのお技の受け先があると考えます。
18タイプすべてに対して半減以下の受け先があるなら、 受け先カバー率は100%です。
受け先カバー率
= 半減以下で受けられる攻撃タイプ数 ÷ 18
これは、 パーティ全体のタイプバランスを見るうえで、 かなりわかりやすい指標です。
指標2:パーティ平均最小倍率
もう少し数学っぽくするなら、 パーティ平均最小倍率 という指標も考えられます。
これは、 各攻撃タイプに対して、 6匹の中で一番軽く受けられる倍率を見ます。
たとえば、 ほのお技に対する被ダメージ倍率が、 6匹で次のようになっていたとします。
| ポケモン | ほのお技の倍率 |
|---|---|
| A | 2倍 |
| B | 1倍 |
| C | 0.5倍 |
| D | 1倍 |
| E | 2倍 |
| F | 0.25倍 |
この場合、 ほのお技に対して一番よい受け先はFです。
パーティとしての最小倍率は、 0.25倍 になります。
これを18タイプすべてで計算し、 平均を取ります。
パーティ平均最小倍率
= 各攻撃タイプに対する最小倍率の合計 ÷ 18
この値が小さいほど、 いろいろな攻撃タイプに対して受け先を用意できているパーティだと考えられます。
指標3:弱点集中度
逆に、 同じタイプに弱いポケモンが多すぎないかも重要です。
これをここでは 弱点集中度 と呼びます。
たとえば、 6匹中4匹がじめん弱点だったとします。
この場合、 じめん技を使われるだけでパーティ全体がかなり動きにくくなります。
もちろん、 残りの2匹がじめんを無効・半減できるならまだ補えます。
しかし、 1つの攻撃タイプに対して弱点が集中しすぎているパーティは、 タイプバランスとしては少し危険です。
パーティ相性補完では、 「受け先があるか」だけでなく、 「同じ弱点が何匹に集中しているか」も見る必要がある。
例として6匹のタイプを置いてみる
ここでは、 説明用に次の6タイプを考えてみます。
実在の強さや環境は考えず、 あくまでタイプ相性だけを見るための例です。
- はがね / フェアリー
- みず / じめん
- ひこう / はがね
- ノーマル / ゴースト
- ほのお / ドラゴン
- くさ / どく
このような組み合わせにすると、 かなり多くの攻撃タイプに対して、 半減以下の受け先を用意できます。
たとえば、 ドラゴン技ははがね / フェアリーで無効。
でんき技はみず / じめんで無効。
じめん技はひこう / はがねで無効。
かくとう技はノーマル / ゴーストで無効。
みず技はくさ / どくやほのお / ドラゴンで半減できます。
このように、 1匹だけで完璧を目指すのではなく、 6匹全体で受け先を作ることが大切です。
簡単な受け先チェック表
パーティ全体の相性補完を考えるときは、 次のように簡単な表を作ると見やすくなります。
| 攻撃タイプ | 半減以下の受け先 | 評価 |
|---|---|---|
| ほのお | みず / じめん、ほのお / ドラゴン | あり |
| みず | くさ / どく、ほのお / ドラゴン | あり |
| でんき | みず / じめん | 無効あり |
| じめん | ひこう / はがね | 無効あり |
| かくとう | ノーマル / ゴースト | 無効あり |
| ドラゴン | はがね / フェアリー | 無効あり |
もちろん、 本当に調べるなら18タイプすべてを確認する必要があります。
ただ、 こうした表を作るだけでも、 パーティの穴がかなり見えやすくなります。
「このタイプの技を誰も半減できない」 「このタイプに弱いポケモンが多すぎる」 といった問題が見えてくるからです。
タイプ相性だけで最強パーティは決まらない
ここで注意したいのは、 タイプ相性だけで本当の最強パーティは決まらないということです。
実際のポケモンバトルでは、 種族値、特性、技、素早さ、持ち物、環境、テラスタルなどが大きく関わります。
たとえタイプ相性がきれいでも、 火力が足りなかったり、 素早さが足りなかったり、 技範囲が狭かったりすると、 実戦では使いにくいことがあります。
逆に、 タイプ相性に少し穴があっても、 強力な特性や技で補えることもあります。
つまり、 この記事で考えているのは、 あくまで タイプ相性補完だけ に絞った数学的な見方です。
数学的には組み合わせ最適化の問題
この話を数学的に見ると、 かなりおもしろい問題になります。
18タイプの攻撃に対して、 できるだけ多くの受け先を用意する。
同じ弱点が集中しないようにする。
パーティ平均最小倍率をできるだけ小さくする。
これは、 6匹の組み合わせを選ぶ 組み合わせ最適化 の問題として見ることができます。
1匹ずつ見ると優秀なタイプでも、 パーティ全体で弱点が重なれば使いにくくなります。
逆に、 単体では完璧でなくても、 ほかの5匹と組み合わせることで弱点を補えることがあります。
ここが、 パーティ作りのおもしろいところです。
今回のまとめ
今回は、 ポケモンのタイプ相性補完を、 6匹のパーティ全体で考えました。
- タイプ相性補完とは、6匹全体で弱点を補い合う考え方
- 18タイプそれぞれに半減以下の受け先があるかを見ると、パーティバランスを評価しやすい
- 各攻撃タイプに対する最小倍率を平均すると、パーティ平均最小倍率を作れる
- 同じタイプに弱いポケモンが多すぎると、弱点集中が起こる
- タイプ相性だけで実戦最強は決まらないが、パーティ作りの土台としてはかなり役立つ
ポケモンのパーティ作りは、 感覚だけでも楽しめます。
しかし、 18タイプへの受け先を表にしたり、 弱点の集中を数えたりすると、 かなり数学的に見ることができます。
1匹の強さだけではなく、 6匹全体でどう補い合うか。
その視点を持つと、 パーティバランスの考え方が少し見えやすくなります。