塾長ノート

弱点が少ないタイプと耐性が多いタイプ、どちらが強い?ポケモンを数学で考える

強さは指標で変わる

ポケモンの複合タイプを見ていると、 こんな疑問が出てきます。

弱点が少ないタイプと、耐性が多いタイプは、どちらが強いのか。

たとえば、 はがね / フェアリー は耐性が多く、防御面でかなり優秀な複合タイプです。

一方、 ノーマル / ゴースト は弱点があくタイプだけという、かなり特殊な複合タイプです。

では、 どちらのほうが「強い」と言えるのでしょうか。

この記事では、 ポケモンのタイプ相性を題材にして、 評価指標によって結論が変わる という数学的な見方を整理してみます。

「強いタイプ」とは何か

まず、 「強いタイプ」という言葉は少しあいまいです。

弱点が少ないタイプを強いと言うのか。

半減できるタイプが多いタイプを強いと言うのか。

無効にできるタイプが多いタイプを強いと言うのか。

それとも、 18タイプ全体から平均的に攻撃されたとき、 ダメージを軽く受けられるタイプを強いと言うのか。

どの見方を採用するかで、 「強い複合タイプ」の答えは変わります。

「強いタイプ」は1つの意味では決まらない。 弱点数・耐性数・無効数・平均被ダメージ倍率など、見る指標によって結論が変わる。

指標1:弱点の少なさ

まず、 弱点の少なさで考えてみます。

弱点が少ないタイプは、 相手から見て弱点を突きにくいです。

たとえば、 ノーマル / ゴーストは、 弱点があくタイプだけです。

つまり、 タイプ相性だけを見るなら、 18タイプのうち17タイプでは弱点を突けません。

これはかなり強い特徴です。

ただし、 弱点が少ないことは、 すべての攻撃を軽く受けられることとは違います。

ノーマル / ゴーストは、 等倍で受けるタイプが多めです。

そのため、 「弱点を突かれにくい」 という点では優秀ですが、 「多くのタイプを半減する」 というタイプではありません。

指標2:耐性の多さ

次に、 耐性の多さで考えてみます。

半減や4分の1で受けられるタイプが多いほど、 平均的にはダメージを抑えやすくなります。

ここで強いのが、 はがね / フェアリーです。

はがね / フェアリーは、 半減以下で受けられるタイプが多く、 どくとドラゴンを無効にできます。

弱点はほのお・じめんの2つありますが、 それ以外の多くの攻撃を軽く受けられます。

つまり、 はがね / フェアリーは、 弱点が少ないうえに、耐性も多い タイプです。

そのため、 平均的にダメージを受けにくい複合タイプとしてかなり優秀です。

指標3:無効の数

無効の数も大切です。

0倍は、 数学的にはかなり強い倍率です。

なぜなら、 どれだけ高威力の技でも、 タイプ相性で0倍ならダメージが入らないからです。

ノーマル / ゴーストは、 ノーマル・かくとう・ゴーストを無効にできます。

無効が3つあるのは大きな特徴です。

はがね / フェアリーも、 どく・ドラゴンを無効にできます。

無効の数だけで見ると、 ノーマル / ゴーストのほうが目立ちます。

ただし、 無効が多くても、 等倍で受けるタイプが多ければ、 平均被ダメージ倍率はそこまで低くならないこともあります。

指標4:平均被ダメージ倍率

そこで使えるのが、 平均被ダメージ倍率 です。

これは、 18タイプの攻撃をそれぞれ1回ずつ受けると仮定し、 その倍率を全部足して18で割る指標です。

はがね / フェアリーの平均被ダメージ倍率は、 約0.736でした。

ノーマル / ゴーストの平均被ダメージ倍率は、 約0.833でした。

この指標では、 はがね / フェアリーのほうが優秀です。

なぜなら、 はがね / フェアリーは半減できるタイプが多く、 全体平均を下げやすいからです。

複合タイプ 弱点数 無効数 平均被ダメージ倍率
はがね / フェアリー 2 2 約0.736
ノーマル / ゴースト 1 3 約0.833

この表を見ると、 どちらが強いかは一言では決めにくいことがわかります。

弱点数と無効数なら、 ノーマル / ゴーストがかなり優秀です。

しかし、 平均被ダメージ倍率では、 はがね / フェアリーが優秀です。

なぜ結論が変わるのか

結論が変わる理由は、 指標が見ているものが違うからです。

弱点数は、 「どれだけ弱点を突かれにくいか」 を見ています。

耐性数は、 「どれだけ多くのタイプを軽く受けられるか」 を見ています。

無効数は、 「どれだけ完全に止められるタイプがあるか」 を見ています。

平均被ダメージ倍率は、 「18タイプ全体から見て、平均的にどれくらい受けにくいか」 を見ています。

つまり、 同じ複合タイプでも、 どの角度から見るかで評価が変わります。

数学的な評価では、まず「何をよいとするのか」を決める必要がある。 指標が変われば、ランキングや結論も変わる。

実戦では環境も関係する

ここまでの話は、 あくまでタイプ相性だけを見たものです。

実戦では、 どのタイプの技がよく使われるかによって評価が変わります。

たとえば、 ほのお技やじめん技が多い環境では、 はがね / フェアリーの弱点が突かれやすくなります。

あく技が多い環境では、 ノーマル / ゴーストの唯一の弱点がかなり重くなります。

逆に、 かくとう技やゴースト技が多い環境なら、 ノーマル / ゴーストの無効が大きく働きます。

つまり、 数学的な指標は便利ですが、 実戦のすべてを決めるわけではありません。

指標は、 あくまで考えるための道具です。

数学としておもしろいところ

この話が数学としておもしろいのは、 「正解が1つではない」 ところです。

学校の計算問題では、 答えが1つに決まることが多いです。

しかし、 現実の分析では、 何を基準にするかによって結論が変わります。

ポケモンの複合タイプも同じです。

弱点が少ないことを評価するのか。

耐性が多いことを評価するのか。

平均値を評価するのか。

無効の数を評価するのか。

その基準を決めないまま、 「どちらが強いか」 と聞いても、答えははっきりしません。

これは、 データを見るときにも大切な考え方です。

ランキングを見るときには、 そのランキングが何を基準にしているのかを確認する必要があります。

今回のまとめ

今回は、 弱点が少ないタイプと耐性が多いタイプはどちらが強いのか、 というテーマで考えました。

  • 弱点の少なさで見るなら、ノーマル / ゴーストは非常に優秀
  • 耐性の多さで見るなら、はがね / フェアリーはかなり優秀
  • 無効の数では、ノーマル / ゴーストが目立つ
  • 平均被ダメージ倍率では、はがね / フェアリーが優秀
  • どの指標を見るかによって、「強いタイプ」の答えは変わる

つまり、 ポケモンの複合タイプを数学的に見るときは、 まず評価の基準を決める必要があります。

弱点を突かれにくいことを重視するのか。

平均的にダメージを軽く受けることを重視するのか。

無効で受けられるタイプの多さを重視するのか。

その基準によって、 優秀な複合タイプの見え方は変わります。

だからこそ、 「最強のタイプはこれ」 と一言で決めるより、 どの指標で見ているのかを考えるほうが、 ずっとおもしろくなります。

ポケモンのタイプ相性は、 ゲームの仕組みでありながら、 データをどう見るかを考えるよい題材でもあります。

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