ポケモンの複合タイプは、 タイプ相性を掛け算で考えると見通しがよくなります。
たとえば、 2倍と0.5倍が重なれば等倍。 2倍と2倍が重なれば4倍弱点。 0倍が入れば最終的に0倍になります。
前回までの記事では、 複合タイプは掛け算で決まること、 はがね / フェアリーの防御性能、 ノーマル / ゴーストの弱点の少なさ を見てきました。
今回はもう少し進めて、 複合タイプを 平均被ダメージ倍率 という指標でランキング化してみます。
平均被ダメージ倍率とは
平均被ダメージ倍率とは、 18タイプの攻撃をそれぞれ1回ずつ受けると仮定し、 その倍率を全部足して18で割ったものです。
たとえば、 ある複合タイプが次のような防御相性だったとします。
- 2倍弱点:2タイプ
- 等倍:5タイプ
- 半減:8タイプ
- 4分の1:1タイプ
- 無効:2タイプ
この場合、 平均被ダメージ倍率は次のように計算できます。
(2×2 + 1×5 + 0.5×8 + 0.25×1 + 0×2) ÷ 18
この値が小さいほど、 18タイプ全体から見て、 平均的にダメージを受けにくいタイプだと考えられます。
平均被ダメージ倍率は、 「18タイプから平均的に攻撃されたら、どれくらいの倍率で受けるか」 を表す指標である。
今回のランキングの条件
今回は、 あくまで 防御タイプだけ を見ます。
種族値、特性、技範囲、持ち物、環境、テラスタルなどは考えません。
また、 18タイプの攻撃が同じくらい飛んでくると仮定します。
実戦では、 ほのお技やじめん技が多い環境もあれば、 かくとう技やゴースト技が多い環境もあります。
そのため、 このランキングは 「実戦最強ランキング」 ではありません。
あくまで、 タイプ相性だけを数学的に比べるためのランキングです。
平均被ダメージ倍率ランキング
では、 複合タイプを平均被ダメージ倍率で並べると、 上位は次のようになります。
| 順位 | 複合タイプ | 平均被ダメージ倍率 | 弱点数 | 無効数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | はがね / フェアリー | 約0.736 | 2 | 2 |
| 2 | ひこう / はがね | 約0.750 | 2 | 2 |
| 3 | ドラゴン / はがね | 約0.792 | 2 | 1 |
| 3 | ゴースト / はがね | 約0.792 | 4 | 3 |
| 5 | みず / はがね | 約0.806 | 3 | 1 |
| 6 | ノーマル / ゴースト | 約0.833 | 1 | 3 |
| 7 | ゴースト / あく | 約0.861 | 1 | 3 |
| 7 | かくとう / はがね | 約0.861 | 3 | 1 |
| 9 | むし / はがね | 約0.875 | 1 | 1 |
| 9 | どく / はがね | 約0.875 | 2 | 1 |
こうして見ると、 上位にはかなり はがねタイプ が多いことがわかります。
はがねタイプはもともと耐性が多いため、 防御面だけを数学的に見るとかなり強いタイプです。
1位は はがね / フェアリー
今回の指標で1位になったのは、 はがね / フェアリー です。
平均被ダメージ倍率は約0.736。
18タイプから平均的に攻撃されたとき、 だいたい0.736倍に抑えられるという見方ができます。
はがね / フェアリーは、 弱点がほのお・じめんの2つだけです。
さらに、 どくとドラゴンを無効にできます。
フェアリーの弱点であるどくを、 はがねが0倍にする。
はがねの弱点であるかくとうを、 フェアリーが半減して等倍にする。
このように、 お互いの弱点をうまく補い合っている点がかなり優秀です。
2位の ひこう / はがね もかなり優秀
2位は、 ひこう / はがね です。
平均被ダメージ倍率は約0.750。
はがね / フェアリーにかなり近い数値です。
ひこう / はがねは、 じめんを無効にできるのが大きな特徴です。
はがねタイプは本来じめんが弱点ですが、 ひこうタイプが加わることで、 そのじめん弱点が0倍になります。
2倍 × 0倍 = 0倍
ただし、 ほのおとでんきが弱点として残ります。
弱点2つ、無効2つ。 こちらもかなり優秀な複合タイプです。
ノーマル / ゴーストは弱点の少なさで光る
ランキングを見ると、 ノーマル / ゴーストは6位です。
平均被ダメージ倍率では、 はがね / フェアリーほど低くありません。
しかし、 ノーマル / ゴーストのすごさは、 弱点が1つしかない ことです。
弱点はあくタイプだけ。
さらに、 ノーマル・かくとう・ゴーストを無効にできます。
つまり、 平均的にすべてを軽く受けるタイプというより、 弱点を突かれにくいタイプ として優秀です。
ここからわかるのは、 「優秀なタイプ」の意味は1つではないということです。
平均被ダメージ倍率で見ると、はがね系の複合タイプが強い。 ただし、弱点の少なさで見るとノーマル / ゴーストも非常に優秀。
ランキングは指標によって変わる
今回は、 平均被ダメージ倍率という指標を使いました。
そのため、 半減や4分の1、無効を多く持つタイプが上位に来やすくなります。
一方で、 弱点数だけを重視するなら、 順位は変わります。
たとえば、 ノーマル / ゴーストやゴースト / あくは、 弱点が1つしかありません。
しかし、 半減できるタイプがそこまで多くないため、 平均被ダメージ倍率ではトップにはなりません。
逆に、 ゴースト / はがねは弱点が4つあります。
それでも、 無効3つ、半減以下が多いため、 平均被ダメージ倍率ではかなり上位に入ります。
つまり、 どの指標を使うかによって、 「強い複合タイプ」の見え方は変わります。
タイプだけで実戦の強さは決まらない
ここで注意したいのは、 このランキングがそのまま実戦の強さを表すわけではないことです。
実際のポケモンの強さには、 種族値、特性、技、素早さ、持ち物、環境などが関わります。
また、 どのタイプの技が多く使われているかによって、 防御タイプの価値も変わります。
今回のランキングは、 あくまで タイプ相性だけを数学的に比べたもの です。
それでも、 タイプの組み合わせを数値で見ると、 なんとなく強いと感じていたタイプの理由が見えやすくなります。
今回のまとめ
今回は、 ポケモンの複合タイプを、 平均被ダメージ倍率でランキング化しました。
- 平均被ダメージ倍率は、18タイプの攻撃倍率の平均である
- この指標では、はがね / フェアリーが1位になった
- 上位には、はがねを含む複合タイプが多い
- ノーマル / ゴーストは平均では6位だが、弱点1つ・無効3つが強み
- どの指標を使うかによって、優秀なタイプの見え方は変わる
防御効率だけを平均で見るなら、 はがね / フェアリーはかなり優秀です。
しかし、 弱点の少なさを重視するなら、 ノーマル / ゴーストのようなタイプも非常におもしろいです。
つまり、 「最強の複合タイプ」は、 何を強さの基準にするかで変わります。
ここが、 ポケモンのタイプ相性を数学で見るおもしろいところです。