中学英語では、 名詞を使うときに a を付けたり、 -s を付けたりすることを学ぶ。
I have a book.
私は本を一冊持っています。
I have three books.
私は本を三冊持っています。
ここでは、 book は一冊、二冊と数えられる名詞として使われている。 だから、単数なら a book、 複数なら books になる。
ところが、次のような名詞では同じように考えられない。
I drink water every day.
私は毎日水を飲みます。
普通、 a water や three waters のようには言わない。 水は、一個、二個とそのまま数えるものではなく、 量としてとらえるものだからである。
もちろん、コップ一杯の水なら a glass of water と言える。 しかし、このとき数えているのは water そのものではなく、 glass という容器である。
高校英文法では、 このような名詞の扱いを、 可算名詞 と 不可算名詞 という形で整理する。
今回は、 a book と water の違いを入口にして、 英語で名詞をどう数えるのかを整理しよう。
数えられる名詞には、単数と複数がある
まず、 book のような名詞から見ていこう。
a book
two books
many books
本は、一冊、二冊、三冊と数えることができる。 このように、 一つ一つの形やまとまりをもつものは、 英語では数えられる名詞として扱いやすい。
数えられる名詞では、 単数と複数の区別が重要になる。
I have a pen.
私はペンを一本持っています。
I have two pens.
私はペンを二本持っています。
単数なら、 a / an などを付けることが多い。 複数なら、 多くの場合、名詞に -s を付ける。
a student → two students
a desk → three desks
an apple → five apples
ここで大切なのは、 a が単なる飾りではないということである。 a book は、 「本というものを一つのまとまりとして一つ取り出す」 という見方をしている。
日本語では、 「私は本を持っています」 と言うとき、 一冊か何冊かを必ずしも文の形で示さない。 しかし英語では、 数えられる名詞を単数で使うなら、 その一つをどう示すかが問題になる。
I have a book.
→ 一冊の本を持っている
I have books.
→ 本を複数冊持っている
つまり、数えられる名詞では、 名詞そのものだけでなく、 一つなのか、複数なのか を英語の形で表す必要がある。
数えられない名詞は、量としてとらえる
一方、 water のような名詞は、 そのまま一個、二個と数えにくい。
I need water.
私は水が必要です。
水は、形のある一つの物体というより、 量としてとらえるものだ。 そのため、普通は a water とは言わず、 water のまま使う。
同じように、 次のような名詞も不可算名詞として扱われることが多い。
milk
rice
bread
money
information
advice
ここで注意したいのは、 日本語で数えられるかどうかと、 英語で数えられるかどうかが完全には一致しないことである。
たとえば、 日本語では「パンを一つ」「情報を一つ」「アドバイスを一つ」 のように言える。 しかし英語では、 bread、 information、 advice は、そのままでは不可算名詞として扱うのが基本である。
a piece of bread
パン一切れ
a piece of information
一つの情報
a piece of advice
一つの助言
数えたいときは、 a piece of ... のように、 数えられる単位を前に置く。
また、飲み物でも、 注文の場面では two coffees のように言うことがある。 これは、コーヒーという液体そのものを数えているというより、 「二杯のコーヒー」 という商品や容器のまとまりとして数えていると考えるとよい。
つまり、可算・不可算は、 ものそのものの性質だけで決まるのではない。 英語がそれを 一つのまとまりとして見るのか、量として見るのか によって変わることがある。
many / much / some は、名詞の数え方に合わせて使う
可算名詞と不可算名詞の違いは、 a や複数形だけでなく、 数量を表す語にも関係する。
数えられる名詞には、 many を使う。
I have many books.
私はたくさんの本を持っています。
books は複数形であり、 一冊、二冊と数えられる。 だから、数の多さを表す many と合う。
一方、数えられない名詞には、 much を使う。
I don't have much money.
私はあまりお金を持っていません。
money は日本語では「お金を一枚、二枚」「一円、二円」 のように細かく数えられそうに見える。 しかし英語の money は、金額や財産を表すまとまりとして、 不可算名詞として扱われる。
many books
→ 数えられる本がたくさんある
much money
→ お金の量が多い
some は、可算名詞にも不可算名詞にも使える。
I have some books.
私は本を何冊か持っています。
I need some water.
私は水がいくらか必要です。
ただし、可算名詞と結びつくときは複数形になり、 不可算名詞と結びつくときは単数形のように見える形のまま使う。
some books
some water
英作文では、 日本語の「たくさんの」「いくらかの」だけを見て、 すぐに英語を選ぶのではなく、 後ろの名詞が数えられるのか、量として見るのかを確認したい。
名詞の数え方は、冠詞や英文の組み立てにつながる
可算名詞と不可算名詞の違いは、 名詞だけの小さな問題ではない。 冠詞、数量表現、主語と動詞の一致、英作文全体に関わる。
A book is on the desk.
一冊の本が机の上にあります。
Books are on the desk.
本が机の上にあります。
Water is important.
水は大切です。
a book は単数なので、 動詞は is になる。 books は複数なので、 動詞は are になる。 water は不可算名詞なので、 基本的には単数扱いで is になる。
このように、名詞の数え方は、 後ろの動詞の形にも影響する。
また、冠詞を学ぶときにも、 可算・不可算の見方は欠かせない。
I bought a book yesterday.
私は昨日、本を一冊買いました。
I bought some bread yesterday.
私は昨日、パンをいくらか買いました。
book は一冊というまとまりで数えられるため、 a book と言える。 bread はそのままでは量として見るため、 some bread や a piece of bread のように表す。
高校英文法では、 名詞・冠詞の単元が地味に見えることがある。 しかし実際には、 英文を正確に作るためのかなり大事な土台である。
a book と water の違いは、 「単語の意味」の違いだけではない。 英語がその名詞を、 一つの形あるものとして見るのか、 量や性質として見るのかの違いである。
名詞を見るときは、 まず次のように考えるとよい。
1. その名詞は一つ、二つと数えられるか
2. 単数なら a / an が必要か
3. 複数なら -s が必要か
4. 数えられないなら、量や単位で表す必要があるか
この視点があると、 冠詞、数量表現、主語と動詞の一致が、 ばらばらの暗記事項ではなくつながって見えてくる。
名詞をどう数えるかは、 英語が世界をどう切り分けているかを見る入口でもある。 その入口を押さえておくと、 高校英文法の名詞・冠詞の学習はかなり進めやすくなる。