ポケモンの「うそなき」は、英語で Fake Tears。直訳に近く、fakeが「偽物の」、tearsが「涙」を表す。
うそなき → Fake Tears
英語ではfake、false、pretendがどれも「本当ではない」場面に現れる。しかし、物や表情を偽物らしく見せるのか、内容が事実ではないのか、本人が何かのふりをするのかで使い方が変わる。
Fake Tearsは「作られた涙」
fake tearsは、本当の悲しみから出たのではない涙、つまり「作り泣き」「うそ泣き」。ここでfakeは形容詞のようにtearsを前から説明している。
Those were fake tears.
→ あれは作り泣きでした。
fakeは「本物ではない」「本物らしく作られた」という意味で、人が意図して作った外見や振る舞いと結びつきやすい。
fakeは名詞・形容詞・動詞になる
fakeは、品詞によって働きが変わる。
形容詞:a fake smile → 作り笑い
名詞:This watch is a fake. → この時計は偽物だ
動詞:He faked a smile. → 彼は笑顔を作った
fake newsは、事実ではない内容をニュースらしく見せたものを指す。ただし、気に入らない報道すべてを表す語ではない。何が偽られているのかを文脈で見る必要がある。
falseは「正しくない・事実ではない」
falseは、発言、情報、判断などが「正しくない」「事実ではない」ことを表すときによく使う。
He made a false claim.
→ 彼は事実ではない主張をしました。
The alarm was false.
→ その警報は誤報でした。
a fake claimよりa false claimの方が、主張の内容が事実に合っていないことを自然に表せる。一方、a fake smileは笑顔の形は見えていても、そこに本当の喜びがないことを表す。
pretendは「〜のふりをする」
pretendは、実際にはそうではないのに、そうであるように振る舞う動詞。人の行為を文として表しやすい。
She pretended to cry.
→ 彼女は泣くふりをしました。
He pretended to be asleep.
→ 彼は眠っているふりをしました。
pretend to + 動詞で「〜するふりをする」、pretend to be + 名詞・形容詞で「〜であるふりをする」と覚えられる。
fake・false・pretendはどう分ける?
3語の境界は完全には分かれず、文脈によって重なる。それでも、次の中心を置くと選びやすい。
fake → 本物ではない物・表情・感情を、本物らしく見せる
false → 情報・主張・判断などが正しくない、事実ではない
pretend → 実際には違うのに、人がそうであるように振る舞う
fake tears → 本心からではない涙
a false story → 事実ではない話
pretend to cry → 泣くふりをする
Fake Tearsは見えている「涙」に焦点を当て、pretend to cryは「泣くふりをする」という行為を文で表す。どちらも「うそ泣き」に近いが、文の組み立て方が違う。
tearは涙、cryは泣く
tearは目から出る「涙」そのものを表す名詞。cryは「泣く」という行為を表す動詞としてよく使われ、名詞なら「泣くこと」や「叫び声」にもなる。
Tears ran down her face.
→ 涙が彼女の頬を流れました。
The baby began to cry.
→ 赤ちゃんが泣き始めました。
涙を一粒として数えるならa tear、両目から流れる涙や涙全体を述べるときは複数形のtearsが自然に使われる。技名も、涙の見た目全体を表すFake Tearsとなっている。
反対側にはrealとgenuineがある
realは「現実に存在する、本当の」、genuineは「偽物ではない、本物の」「心からの」を表す。
Her tears were real.
→ 彼女の涙は本物でした。
He showed genuine concern.
→ 彼は心からの心配を示しました。
fakeとreal、fakeとgenuineは反対の関係になりやすい。ただしrealは広く使える基本語で、genuineは物の真贋や感情の誠実さを強く示しやすい。
artificialは「人工の」
artificialも「自然ではない」ものに使うが、必ずしも人をだます偽物とは限らない。artificial lightは人工の光、artificial flowersは造花であり、人工であること自体を述べている。
fakeには本物らしく見せる含みが出やすく、artificialには自然物ではなく人が作ったという分類の意味が出やすい。この違いからも、うそ泣きにはArtificial TearsではなくFake Tearsが合うことが分かる。
ゲームではダメージを与えない
現在のメインシリーズの「うそなき」は、あくタイプの変化技。相手へ直接ダメージを与える技ではない。
命中すると、相手の特防を2段階下げる。「特防」は特殊技から受けるダメージに関わる能力で、相手の特攻を下げる技ではない。
技の分類 → 変化技
直接ダメージ → なし
下げる能力 → 相手の特防
下がる量 → 2段階
特殊技で攻める前に使えば、後に続く特殊攻撃を通しやすくできる。泣くふりで相手を動揺させ、特殊攻撃への守りを崩す仕組みである。
いつでも特防を下げられるわけではない
命中率は100だが、使う側の命中率が下がったり、相手の回避率が上がったりすれば外れることがある。また、「まもる」などの防御技で防がれる。
相手の特防がすでに下限のマイナス6段階なら、それ以上は下げられない。「しろいきり」で能力低下から守られている場合や、「クリアボディ」のように相手から能力を下げられない特性でも効果を防がれる。
「マジックミラー」の相手には技が跳ね返り、使用者側の特防が下がる。単に失敗する場合と、効果が返ってくる場合を同じにしないことが大切である。
いたずらごころで使う場合の例外
第7世代以降、「いたずらごころ」で優先度を上げた変化技は、相手があくタイプだと効かない。「うそなき」自体があくタイプだから無効になるのではなく、いたずらごころで相手を対象にした場合に生じる条件である。
技そのものの効果と、特性によって加わる条件を分けて考えると混乱しにくい。
世代差は現行仕様と分ける
「うそなき」は第3世代から登場した。過去にはZワザとして使うことで使用者の特攻を上げる追加効果が生じる作品もあったが、現在の第9世代の通常効果では、相手の特防を2段階下げることが中心である。
過去作品だけにある仕組みを、現在も常に起こる効果として混ぜないようにしたい。
日本語の「うそなき」は行為を表す
一般の日本語で「うそ泣き」は、本当には悲しくないのに泣くふりをすること。相手の同情を引いたり、何かを頼んだりするために、泣いているように見せる場面で使われる。
「泣くふり」という行為が中心なので、英語の文に直すならpretend to cryが分かりやすい。一方、技名のFake Tearsは、その行為によって見せる「作られた涙」を名詞句で表している。
日英で意味は近く、焦点が少し違う
うそなき → 本当には悲しくないのに泣くふりをする行為
Fake Tears → 本心から出たのではない、作られた涙
日本語名と英語名はどちらも同じ場面を指し、意味はかなり近い。日本語は行為を、英語は見せている涙を前に出していると読むことができる。
これは語の意味と技の効果を比べた考察であり、名前が決められた過程そのものを示すものではない。
まとめ
「うそなき」は英語でFake Tears。fakeがtearsを前から修飾し、「本心からではない涙」「作り泣き」を表している。
fake → 本物ではないものを本物らしく見せる
false → 正しくない、事実ではない
pretend → 実際には違うのに、そうであるふりをする
tear / tears → 涙そのもの
cry → 泣くという行為
ゲームではダメージを与えず、相手の特防を2段階下げる。能力低下を防ぐ状態や特性、マジックミラー、いたずらごころの条件などによって、効かなかったり跳ね返されたりする場合がある。
Fake Tearsから、a fake smile、a false claim、pretend to cryへ広げると、「本当ではない」を表す英語を場面ごとに選びやすくなる。