ポケモンの「スキルスワップ」は、英語でも Skill Swap。日本語名は英語名をそのままカタカナにした、日英がかなり近い例である。
スキルスワップ → Skill Swap
ただし、ゲームで実際に交換する「特性」は、英語版ではAbilityと呼ばれる。技名はSkill Swapなのに、説明文ではexchange Abilities。この違いは、skillとabilityを学ぶよい入口になる。
skillは、練習で身につけた「技能」
skillは、活動や仕事を上手に行うための技能・技術。特に、練習や経験を通して身につけたものを表しやすい。
Writing is a skill that improves with practice.
→ 文章を書く力は、練習で伸びる技能です。
She has excellent communication skills.
→ 彼女には優れたコミュニケーション能力があります。
computer skills、cooking skills、leadership skillsのように、具体的な分野の技能を複数形で表すことも多い。
abilityは「できる力」を広く表す
abilityは、何かをするための身体的・精神的な力や、そのことができるという事実を広く表す。
He has the ability to explain difficult ideas clearly.
→ 彼には難しい考えを分かりやすく説明する力があります。
the ability to doで「〜する能力」。skillを含めた広い「できる力」を表せるため、skillとの境界は重なる。
skillは、練習して上達させる具体的な技能に焦点を置きやすい。abilityは、学んだ技能か生まれつきの力かを問わず、実行できる能力全体を指しやすい。
talentは「生まれつきの才能」に寄りやすい
talentは、教わる前から現れるような、生まれつきの特別な才能を表しやすい。
She has a natural talent for music.
→ 彼女には音楽の生まれつきの才能があります。
talentがあっても、skillを伸ばすには練習が必要になる。実際の用法では三語が重なることもあるが、学習の目安は次のように整理できる。
skill → 練習や経験で磨く具体的な技能
ability → 何かを行える力を広く表す
talent → 生まれつきの才能に焦点を置きやすい
ゲーム用語の「特性」はAbility
英語版ポケモンで「特性」はAbility。個々のポケモンがバトル中などに発揮する固有の性質を指す、ゲーム内の正式な用語である。
This Pokémon's Ability is Intimidate.
→ このポケモンの特性は「いかく」です。
したがって、Skill Swapの効果を英語で説明すると、The user and the target swap their Abilities.となる。技名のskillを、そのままゲーム用語の「特性」の英訳だと考えないようにしたい。
“skill swap”は英語としてどう読めるか
Skill Swapは、二つの名詞を並べた形。前のskillが、後ろのswapについて「何を交換するのか」を説明している。
skill swap → 技能の交換
book swap → 本の交換会
job swap → 仕事・役割の交換
一般英語でskill swapと言えば、互いの技能や役割を交換して体験する企画などを想像できる。ゲームでは、skillという日常語を名前に使いながら、実際にはAbilityというゲーム用語を交換する。
swapは「互いに取り替える」
swapは、二つの物や場所を互いに取り替える語。動詞にも名詞にもなり、日常会話で使いやすい。
They swapped seats.
→ 彼らは席を交換しました。
Let's do a book swap.
→ 本の交換会をしましょう。
Skill Swapではswapが名詞として技名の中心になり、「skillに関する交換」を表している。
switchは「別の状態へ切り替える」
switchは、ある状態・選択肢から別のものへ切り替えること。互いの物を交換する場面にも使えるが、一方から別の状態へ変わることにも広く使う。
She switched to a different plan.
→ 彼女は別の計画へ切り替えました。
Can we switch shifts?
→ 勤務を交代できますか?
swapは二者間の取り替えをはっきり示しやすく、switchは切り替えや交代全般を表しやすい。
exchangeは中立的で幅広い「交換」
exchangeは、何かを渡して別のものを受け取ること。物だけでなく、情報、意見、あいさつ、通貨などにも使える中立的な語である。
We exchanged ideas after class.
→ 授業後に意見を交換しました。
ゲームの英語説明も、exchange Abilitiesという表現を使う。技名として短く響くswapと、説明文で意味を中立的に伝えるexchangeの両方を見られる。
swap・switch・exchangeを比べる
swap → 二つの物・場所・役割を互いに取り替える
switch → 状態や選択肢を別のものへ切り替える
exchange → 何かを渡して別のものを受け取る、幅広く中立的な交換
三語の境界は重なり、席や役割の交換には複数の語が使える。Skill Swapでは「使用者と対象が互いの特性を取り替える」ため、swapが効果を短く表している。
日本語名と英語名はほぼ同じ
日本語の「スキルスワップ」は、英語Skill Swapの音と意味をほぼそのまま取り入れている。別の意味を加えたり、違う比喩へ置き換えたりした名前ではない。
日本語でも「スキル」は身につけた技能、「スワップ」は交換という意味で使われる。ただし、日常の日本語で「スワップ」は英語のswapほど広く使われないため、英語では席や本の交換にも自然に使えることを覚えておくとよい。
ここで述べるのは日英の語とゲーム内効果の対応であり、名前が決められた過程そのものを示すものではない。
ゲームでは使用者と対象の特性を交換する
現在のメインシリーズの「スキルスワップ」は、エスパータイプの変化技。威力はなく、PPは10、優先度は0。対象は隣接するポケモン1体で、味方も相手も選べる。
成功すると、使用者と対象の特性を交換する。交換後はそれぞれが受け取った特性を持つが、交代して場を離れると元の特性へ戻る。技や道具を交換する効果ではない。
交換するもの → 特性(英語版ではAbility)
技・能力ランク・持ち物 → 交換しない
交代したとき → 本来の特性へ戻る
命中率ではなく、通常は必ず当たる
この技の命中率は数値ではなく「—」。通常の命中・回避判定を通らずに当たる。ただし、「あなをほる」や「そらをとぶ」などで対象が攻撃の届かない状態なら失敗する。
「みがわり」は無視して特性を交換できる一方、「まもる」などの防御技には遮られる。「必中」と「どんな状況でも成功する」は同じではない。
交換できない特性がある
どちらか一方でも交換不能の特性を持っていると、「スキルスワップ」は失敗する。現在は、姿や専用システムと強く結びついた特性を中心に多くの例外がある。
代表例は「ふしぎなまもり」「マルチタイプ」「バトルスイッチ」「ばけのかわ」「アイスフェイス」「ぎょぐん」「リミットシールド」「スワームチェンジ」「ARシステム」「きずなへんげ」「ぜったいねむり」「かがくへんかガス」「じんばいったい」「マイティチェンジ」「しれいとう」である。
第9世代では「こだいかっせい」「クォークチャージ」「ひひいろのこどう」「ハドロンエンジン」、テラパゴスの「テラスチェンジ」「テラスシェル」「ゼロフォーミング」、オーガポンの「おもかげやどし」、「どくくぐつ」なども交換できない。
一覧を「強い特性だから交換できない」と覚えるのは正確ではない。交換不能かどうかは個別の仕様で決まり、どちらのポケモンが持っていても失敗条件になる。
同じ特性同士でも、現在は成功する
使用者と対象が同じ特性を持つ場合、第5世代では技が失敗した。第6世代以降は成功する。
「いかく」のように、特性を新たに得たとき効果が働くものは、同じ特性同士の交換でも改めて発動することがある。見た目の名前が変わらなくても、交換処理そのものは行われる。
世代差と特殊な対象
「スキルスワップ」は第3世代から登場した。第4世代では、そのポケモンが場に出てから一度受け取ったことのある特性を再び得ても、「いかく」などの取得時効果がもう一度は発動しない仕様があった。
第5世代では同じ特性同士が失敗し、第6世代以降は成功するようになった。第8世代ではダイマックス・キョダイマックス中の対象には失敗する。
交換不能の特性は新しい作品で追加されてきたため、古い世代の短い一覧を現在の仕様として使わないことが大切である。
Skill Swapと「なりきり」は同じではない
「なりきり / Role Play」は、対象の特性を使用者がコピーして自分の特性を置き換える。Skill Swapは、使用者と対象が互いの特性を交換する。
Skill Swap → 使用者と対象が特性を交換
Role Play → 使用者が対象の特性をコピー
どちらもAbilityへ働きかけるが、一方通行のコピーか、双方向の交換かが違う。
まとめ
skillは練習や経験で磨く技能、abilityは何かを行える力を広く表し、talentは生まれつきの才能に焦点を置きやすい。
skill → 身につけた具体的な技能
ability → 何かを行える力
talent → 生まれつきの才能
swap → 二つのものを互いに取り替える
ゲームの「スキルスワップ」は、英語でもSkill Swap。実際に交換するゲーム用語はAbilityで、skillではない。日英の名前はかなり近いが、名前と効果説明で違う英単語が使われている。
技は使用者と隣接する対象の特性を交換し、交代すると元へ戻る。通常の命中判定は通らないが、防御技や届かない状態、交換不能の特性では成功しない。英語の二つの語と、ゲーム固有のAbilityを分けて理解しよう。
