ポケモンの技「ものまね」は、英語で Mimic。mimicは、人の話し方や動き、物の見た目や働きをまねるときに使う語である。
ものまね → Mimic
日本語の「ものまね」とよく対応するが、英語にはimitateやcopyもある。三語は「まねる」という領域で重なるものの、焦点と使える範囲は同じではない。
mimicは、特徴が分かるようにまねる
mimicを動詞で使うと、人の声、話し方、表情、動きなどの特徴をとらえてまねることを表す。笑わせるためのものまねによく使われるが、いつも冗談とは限らない。
She can mimic her teacher's voice.
→ 彼女は先生の声をまねることができます。
The robot mimics human movement.
→ そのロボットは人間の動きをまねます。
人以外にも使える。ある物質や仕組みが、別のものとよく似た見た目や作用を生み出す場合にも自然である。
This material mimics the look of wood.
→ この素材は木の見た目を再現しています。
mimicは名詞にもなる
a mimicは、人の声や動きをまねるのが上手な人。動詞と名詞が同じ形である。
He is a talented mimic.
→ 彼はものまねの上手な人です。
つづりにも注意したい。過去形はmimicked、進行形はmimickingで、kを加える。
動詞:mimic / mimicked / mimicking
名詞:a mimic(ものまねが上手な人)
imitateは、より広い「まねる」
imitateは、人や物と同じように振る舞ったり、手本としてまねたりすることを広く表す。話し方や動作だけでなく、作風、方法、自然界の仕組みなどにも使える。
Children often imitate adults.
→ 子どもはよく大人のまねをします。
The design imitates shapes found in nature.
→ そのデザインは自然界に見られる形を模しています。
mimicは、声や動きなどの目立つ特徴をそっくり再現する場面と相性がよい。imitateは、手本に近づこうとする行為全体を中立的に述べやすい。ただし、実際の文脈では両方が使える場合もある。
copyは、複製や書き写しにも広く使う
copyは「まねる」だけでなく、文書・絵・ファイルなどを複製する、書き写すという意味で非常に広く使う。
Please copy this file.
→ このファイルをコピーしてください。
Don't copy the answer from your friend.
→ 友達の答えを写さないでください。
He copied the singer's style.
→ 彼はその歌手のスタイルをまねました。
人の声を特徴的に再現するならmimicが具体的で、方法や行動を手本にするならimitateが自然になりやすい。copyは、同じものを作ることや、内容・形をそのまま写すことまで含むため、単純な完全同義語ではない。
mimic・imitate・copyを比べる
mimic → 声・動き・外見・作用の特徴が分かるようにまねる
imitate → 人や物を手本にし、同じように振る舞う・作る
copy → まねるほか、文書・絵・データなどを複製する
三語には重なる部分がある。何をまねるのか、目的は何か、同じものを作るのかという違いを見ると選びやすい。
imitationは「模倣」と「模造品」
imitationは、imitateに対応する名詞で、「まねる行為」「ものまね」「まねて作った物」を表す。
She did an imitation of the actor.
→ 彼女はその俳優のものまねをしました。
This jacket is made of imitation leather.
→ この上着は合成皮革でできています。
do an imitation of ...は「〜のものまねをする」。一方、imitation leatherでは形容詞のように前から名詞を説明し、「本物に似せた革」を表す。
日本語の「ものまね」とMimic
日本語の「ものまね」は、人や動物の声・しぐさ・様子を似せて再現する行為を表し、芸として見せる場面にもよく使われる。英語のmimicも、人の話し方や動きを特徴的にまねる意味を持つため、中心的なイメージはかなり近い。
ただし英語のmimicは、素材が木の外観を再現する、薬品が自然な物質と同じ作用をする、といった非人間の対象にも使える。日本語の技名から「芸としてのものまね」だけを想像すると、この広がりを見落としやすい。
ここで述べるのは言葉と技の働きの対応であり、名前が決められた過程そのものを示すものではない。
ゲームでは、対象が直前に使った技を覚える
現在のメインシリーズにおける「ものまね」は、ノーマルタイプの変化技。威力はなく、PPは10、優先度は0。通常の命中・回避判定を通らず、隣接するポケモン1体を対象にできる。
成功すると、対象が最後に使った技をコピーし、「ものまね」の欄をその技で一時的に置き換える。コピーした技をその場で直ちに実行する技ではない。
1. 「ものまね」を使う
2. 対象が最後に使った技を覚える
3. 以後は「ものまね」の代わりに、その技を選べる
覚えた技は、使用者が交代する、ひんしになる、またはバトルが終わるまで残る。その後は元の「ものまね」に戻る。技構成を永続的に書き換える効果ではない。
コピーした技のPPはどうなる?
第5世代以降では、コピーした技はその技本来の最大PPを持つ。例えば最大PPが15の技なら、コピー後も15から使い始める。「ものまね」の残りPPを、そのままコピー先の技へ引き継ぐわけではない。
ただし「ものまね」を使うために、その時点で「ものまね」のPPを1消費する。交代などで元に戻ったあと、再び使える回数にはこの消費が反映される。
失敗する主な条件
対象がまだ一度も技を使っていなければ、コピーする「最後の技」がないため失敗する。使用者がすでにその技を覚えている場合や、使用者が「へんしん」している場合も失敗する。
「スケッチ」「へんしん」「わるあがき」「ゆびをふる」「おしゃべり」はコピーできない。「ものまね」自身も、使用者がすでに覚えている技なのでコピーできない。Zワザとダイマックスわざもコピーできない。
また、「まもる」などで対象が守られている場合は遮られる。「あなをほる」「そらをとぶ」などで対象が通常は届かない状態にいる場合も失敗する。命中率の数値がないことと、必ず成功することは同じではない。
世代によって対象の選び方とPPが違う
初代では、相手の技から選ぶ、または対人戦でランダムに選ぶ仕組みで、コピーした技は「ものまね」のPPを使った。第2世代から、対象が最後に使った技をコピーする現在につながる形になり、コピー先のPPは一律5だった。
第3世代から通常の命中判定を通らない技になった。第4世代では一時的に「へんしん」をコピーできたが、第5世代以降は再びコピーできない。第5世代から、コピーした技のPPは一律5ではなく、その技本来の最大PPになった。
古い作品の「どの技を選ぶか」「PPはいくつか」を現在の仕様と混ぜないことが大切である。
『Pokémon LEGENDS Z-A』では別の仕組み
リアルタイム形式の『Pokémon LEGENDS Z-A』では、相手が直前に使った技をコピーし、その技をすぐ使う仕組みになっている。技を一時的に覚えて後の行動で選ぶメインシリーズのターン制バトルとは異なる。
同じMimicという名前でも、作品のバトル方式に合わせて処理が変わる。ここまでの「ものまねの欄を置き換えて覚える」という説明は、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』などのターン制作品についてのものである。
Copycatとはどう違う?
英語のcopycatは、他人の行動や作品をまねる人や物を指す名詞で、くだけた響きや批判的な含みを持つことがある。mimicは「まねる」という動作にも、「ものまねが上手な人」という名詞にもなる。
ゲームの技でも、「まねっこ / Copycat」は直前に使われた技をその場で実行する。一方、「ものまね / Mimic」は対象の最後の技を一時的に覚え、その後に選んで使う。英語の違いと同じく、ゲーム上の働きも同一ではない。
まとめ
mimicは、声・動き・外見・作用などの特徴が分かるようにまねる語で、動詞にも名詞にもなる。imitateは手本にして同じようにする行為を広く表し、copyはまねるだけでなく文書やデータの複製にも使う。
mimic → 特徴をとらえてまねる / ものまねが上手な人
imitate → 手本にして同じようにする
copy → まねる、写す、複製する
imitation → 模倣、ものまね、模造品
「ものまね / Mimic」は、対象が最後に使った技をコピーし、「ものまね」の欄を一時的に置き換える。すぐにその技を実行するわけではなく、交代・ひんし・バトル終了で元に戻る。現在はコピーした技本来の最大PPを使うが、対象がまだ技を使っていない場合やコピー不能技では失敗する。
