ポケモンの複合タイプを数学的に見ると、 とてもおもしろい組み合わせがあります。
今回取り上げるのは、 ノーマル / ゴースト です。
前回は、 はがね / フェアリーがなぜ優秀なのか を見ました。
はがね / フェアリーは、 弱点が少なく、 半減や無効も多い総合力の高いタイプでした。
一方、 ノーマル / ゴーストは、 少し違う方向でおもしろいタイプです。
何がすごいかというと、 弱点が1つしかない のです。
この記事では、 複合タイプは掛け算で決まる という考え方を使って、 ノーマル / ゴーストの防御相性を整理してみます。
まずは結論:弱点はあくタイプだけ
ノーマル / ゴーストの弱点は、 基本的に あく だけです。
つまり、 18タイプの攻撃のうち、 2倍弱点になるのは1タイプだけです。
さらに、 無効にできるタイプが3つあります。
- ノーマル:0倍
- かくとう:0倍
- ゴースト:0倍
弱点1つ。
無効3つ。
この時点で、 防御相性としてかなり特殊です。
ノーマル / ゴーストは、弱点があくタイプだけ。 さらに、ノーマル・かくとう・ゴーストを無効にできる。
ゴーストの弱点をノーマルが消している
まず、 ゴーストタイプ単体の弱点を考えます。
ゴーストタイプは、 ゴーストとあくが弱点です。
- ゴースト:2倍
- あく:2倍
では、 ここにノーマルタイプが加わるとどうなるでしょうか。
ゴースト技は、 ゴーストタイプに対しては2倍です。
しかし、 ノーマルタイプはゴースト技を無効にします。
2倍 × 0倍 = 0倍
つまり、 ゴーストタイプにとって弱点だったゴースト技が、 ノーマルタイプによって完全に消えます。
これはかなりきれいな打ち消しです。
等倍になるのではなく、 0倍になります。
一方、 あくタイプはノーマル側でも半減できません。
そのため、 あくタイプだけが弱点として残ります。
ノーマルの弱点もゴーストが消している
次に、 ノーマルタイプ単体の弱点を考えます。
ノーマルタイプの弱点は、 かくとう です。
しかし、 ゴーストタイプはかくとう技を無効にします。
2倍 × 0倍 = 0倍
つまり、 ノーマルタイプにとって唯一の弱点だったかくとうが、 ゴーストタイプによって完全に消えるわけです。
ここが、 ノーマル / ゴーストの最大の特徴です。
ノーマルの弱点をゴーストが消し、 ゴーストの弱点の一部をノーマルが消す。
2つのタイプが、 お互いの弱点をかなり強く補い合っています。
ノーマル / ゴーストは、 ノーマルの弱点であるかくとうをゴーストが無効化し、 ゴーストの弱点であるゴーストをノーマルが無効化している。
防御相性を表にする
ノーマル / ゴーストの防御相性を、 倍率ごとに整理すると次のようになります。
| 倍率 | タイプ |
|---|---|
| 2倍 | あく |
| 1倍 | ほのお、みず、でんき、くさ、こおり、じめん、ひこう、エスパー、いわ、ドラゴン、はがね、フェアリー |
| 0.5倍 | どく、むし |
| 0倍 | ノーマル、かくとう、ゴースト |
弱点は1つ。
半減は2つ。
無効は3つ。
等倍は12タイプです。
はがね / フェアリーのように、 半減できるタイプが大量にあるわけではありません。
しかし、 弱点が1つしかないことと、 無効が3つあることは、 かなり大きな特徴です。
平均被ダメージ倍率で見る
前回と同じように、 平均被ダメージ倍率を計算してみます。
18タイプの攻撃をそれぞれ1回ずつ受けると仮定し、 倍率の合計を18で割ります。
ノーマル / ゴーストの場合は、 次のように数えられます。
- 2倍:1タイプ
- 1倍:12タイプ
- 0.5倍:2タイプ
- 0倍:3タイプ
したがって、 平均被ダメージ倍率は、
(2×1 + 1×12 + 0.5×2 + 0×3) ÷ 18
です。
計算すると、
(2 + 12 + 1 + 0) ÷ 18
= 15 ÷ 18
≒ 0.833
となります。
前回のはがね / フェアリーは、 平均被ダメージ倍率が約0.736でした。
それと比べると、 ノーマル / ゴーストの平均被ダメージ倍率は少し高めです。
つまり、 平均的にダメージを軽く受ける性能では、 はがね / フェアリーのほうが上です。
しかし、 弱点の少なさという点では、 ノーマル / ゴーストはかなり優秀です。
評価指標によって「優秀」の意味が変わる
ここが、 数学的におもしろいところです。
はがね / フェアリーは、 半減や無効が多く、 平均被ダメージ倍率が低いタイプです。
つまり、 18タイプ全体を平均して見たときに、 ダメージを軽く受けやすいタイプです。
一方、 ノーマル / ゴーストは、 半減数はそこまで多くありません。
しかし、 弱点が1つしかなく、 無効が3つあります。
つまり、 弱点を突かれにくいタイプ だと言えます。
平均の低さを重視するなら、 はがね / フェアリー。
弱点の少なさを重視するなら、 ノーマル / ゴースト。
このように、 どの指標を使うかによって、 「優秀な複合タイプ」の見え方は変わります。
平均被ダメージ倍率で見ると、はがね / フェアリーが優秀。 弱点の少なさで見ると、ノーマル / ゴーストが非常に優秀。
弱点1つはなぜすごいのか
ポケモンでは、 弱点を突かれるとダメージが2倍になります。
そのため、 弱点が多いポケモンは、 相手に有利な技を選ばれやすくなります。
逆に、 弱点が少ないポケモンは、 相手から見て 「何で弱点を突けばいいのか」 が限られます。
ノーマル / ゴーストの場合、 弱点はあくタイプだけです。
つまり、 タイプ相性だけで見るなら、 あく技以外では弱点を突けません。
さらに、 ノーマル・かくとう・ゴーストを無効にできます。
特に、 かくとうを無効にできるのは、 ノーマルタイプの弱点を完全に消しているという意味で大きいです。
タイプ相性だけに注目すると、 ノーマル / ゴーストはかなり美しい組み合わせだと言えます。
ただし、タイプだけで強さは決まらない
ここで注意したいのは、 タイプ相性だけでポケモンの強さが決まるわけではない、 ということです。
実際の強さには、 種族値、特性、技、素早さ、持ち物、環境などが関わります。
また、 テラスタルのような要素がある作品では、 タイプ相性の見方もさらに複雑になります。
この記事で見ているのは、 あくまで 防御タイプだけ です。
ただし、 条件をタイプだけに絞ることで、 複合タイプの数学的なおもしろさが見えやすくなります。
ノーマル / ゴーストは、 その代表例です。
今回のまとめ
今回は、 ノーマル / ゴーストという複合タイプを、 数学の視点から見てみました。
- ノーマル / ゴーストの弱点は、あくタイプだけ
- ノーマル・かくとう・ゴーストを無効にできる
- ノーマルの弱点であるかくとうを、ゴーストが0倍にする
- ゴーストの弱点であるゴーストを、ノーマルが0倍にする
- 平均被ダメージ倍率は約0.833
ノーマル / ゴーストは、 半減できるタイプが多いわけではありません。
そのため、 平均被ダメージ倍率だけで見ると、 はがね / フェアリーほど低くはありません。
しかし、 弱点が1つしかないこと、 そして無効が3つあることは、 とても大きな特徴です。
つまり、 ノーマル / ゴーストは、 「平均的にすべてを軽く受けるタイプ」 というより、 弱点を突かれにくく、無効を活かせるタイプ と見るとよさそうです。
複合タイプの強さは、 1つの指標だけでは決まりません。
平均被ダメージ倍率を見るのか。
弱点の少なさを見るのか。
無効の多さを見るのか。
どの指標を重視するかによって、 優秀なタイプの見え方は変わります。
こう考えると、 ポケモンのタイプ相性は、 かなり数学的に分析できる題材だと言えます。